声出し応援が禁止され続けないかな。

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ガイドラインの緩和

出来ればあと数年は声出し応援が禁止され続けないかな。

10月6日、Jリーグが新たに改訂された『新型コロナウイルス感染症対応ガイドライン』を発表し、それにより、10月17日以降は、太鼓、応援ハリセンなど、自席で叩ける鳴り物の使用が可能となることとなった。

これらの使用可否については「ホームクラブが判断する」とされているものの、リーグ再開以降、飛沫観戦を防ぐ意味で定められた新しい応援スタイルが、「拍手のみ」→「手拍子可」と徐々に緩和されていく中、いよいよ道具を使った応援も可能となったことで、Jリーグのあるべき光景が少しづつ戻ってくるぞと、これを歓迎するのが正しいJリーグファンのあるべき姿なのかも知れない。

しかしながら私は「逆張り」と言われようと、「あまのじゃく」と言われようと「何でも反論」と言われようと、この「Jリーグのあるべき光景」が戻ってこなくて良い、いや、戻ってきちゃ嫌だとさえ思っている。

と言うのも、理由は単純。「声出し応援」が邪魔なのだ。

新しい快感

6月下旬~7月上旬にJリーグが再開され、ほどなく観客動員数に制限はありながらも、有観客試合が開催されるようになって、私は思いの外、柏レイソルの試合を見に日立台へ行くことが出来ている。

今年のレイソルは、とにかくオルンガばかりが話題になりがちだが、それを支える江坂任の覚醒、ベテラン大谷秀和の「成長」、そして新加入選手が次々と活躍する新鮮さなど、盤石な戦いが出来ているとは言わないが、非常に刺激的で見応えのあるチームだと思う。

個々の選手だけではない。負傷者が多く、試合ごとにメンバーが変わり、システムも変動する中、その試合でチームが何をしようとしているのか、勝った試合であれば何が良くて勝利出来たのか、負ければ何が悪くて負けてしまったのか、これらを例年以上に頭の中で考えることが出来ている。

これは応援しているレイソルに対してだけでなく、その対戦相手についても、何を狙っているのか、気持ちよくプレーされているのか、全体に疲れているのか、イラついているのか、それらが非常に強く感じられ、両チームからそうした「気」のようなものを受取ることで、ゲームそのものの「温度」がダイレクトに伝わってくるかのような感覚をスタンドで度々感じることが出来ている。

そして、ピッチ上からそうした刺激を受けることに充実感を覚え、時にそれが快感ですらあるのだ。

これが、選手やベンチの声、ボールが芝生の上を走る音、選手がボールを蹴る音、体と体が激しくぶつかり合う音を感じられるからこそ得られている快感であることは疑いようのない事実である。

「声出し応援可」となれば、もうこの快感を覚えることはなくなってしまうだろう。

サッカーでないと成立しない

と、限りなく個人的見解で、「声出し応援」がないスタジアムの快感について述べてきたが、冒頭にも書いた『出来ればあと数年は声出し応援が禁止され続けないかな。』と、正しいJリーグファンの逆張りをしてまで主張するのかと言えば、この快感には恐らく普遍性があると思うからだ。

確かに大声を出し、皆で声を合わせ、チームを勇気づける歌や声援を90分間投げかけ続けるサポーターの行動様式が、非常に魅力ある「非日常」を我々に与えてくれることは十分に理解している。(でなければ、コバルトーレ応援作戦などという企画に200人規模の人を集めようとなど考えない)しかしながらその魅力も、今季これまでに私が日立台で感じてきた快感には到底敵わない。

なにせ、「応援作戦」は対象がサッカーでなくても成立するが、今私が得ている快感は「サッカーでないと」成立しない。

出来ればあと数年は声出し応援が禁止され続けないかな。

感覚的には、この数カ月の間で「スタジアムの新しい快感」に気がついてしまった人が、少なからず出てきているように思う。そしてこれがあと半年、1年と長くなるにつれ、Jリーグの既存ファンの間でも「サッカーの新たな魅力」「サッカーでしか感じられない快感」に目覚めてしまう人が、次々に生まれていくだろう。

そうなった時に、やはり「90分間声出し応援」のJリーグスタイルが復古するのか、はたまた新たな応援スタイルが確立するのか、それは分かりようも無いし、私くんだりがどうこう出来る話でもないが、コロナウイルスによって生み出された数少ないポジティブな要素として、「サッカーでしか感じることの出来ない快感」をJリーグから感じた人が、1人でも多く生まれれば、それはある意味で素晴らしいことと言えるだろう。

だから私は「逆張り」と言われようと、「あまのじゃく」と言われようと「何でも反論」と言われようとこう呟く。

出来ればあと数年は声出し応援が禁止され続けないかな。

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