
情報量の少ない天皇杯都道府県予選
ちょうど昨年の今頃にも、天皇杯サッカーの各都道府県予選がどの様なスケジュールで開催されるかを一斉に調べ、このブログでも記事にまとめた。
その際につくづく痛感させられたのは、その情報量の圧倒的少なさで、いくらネット上で検索をかけても、ついに「いつ行われているのか」と言った基礎情報にすら辿り着けなかったケースも少なくなかった。
第100回という記念すべき大会になるはずだった今季の天皇杯についても、今まさに世界中で猛威を広げている新型コロナウイルス禍にあって、間違いなくその影響を受けることにはなるが(既にJ1、J2勢が通常の2回戦からではなく4回戦から登場する大会形式に変更されている)その大会の形式云々の前に、そこに出場するチームを決める各都道府県予選が、この4月頭時点で、半ば機能不全に陥ってしまっている。
天皇杯 各都道府県予選 進捗状況一覧
そのような状況の中、天皇杯各都道府県予選の情報を集めるのには、昨年以上に労力を要したが、それなりに情報価値はあると思うので、その全てを以下にまとめてみる。
第100回天皇杯サッカー 各都道府県予選 進捗状況(※4月2日AM時点 シュウアケイレブン調べ)
北海道・東北
北海道
※大会中止決定
準決勝 5月9日 札幌サッカーアミューズメントパーク 開始時間未確認
決勝 5月10日 札幌サッカーアミューズメントパーク 開始時間未確認
【出場チーム】 北海道十勝スカイアース、ノルブリッツ北海道、札幌大、東海大札幌校舎青森県
※代表決定戦のみ開催
準決勝 4月19日 八戸市多賀多目的運動場人工芝球技場 13:00 ラインメール青森×トーナメント勝者
決勝 5月10日 プライフーズスタジアム 13:00 ヴァンラーレ八戸×ラインメール青森秋田県
※大会中止決定
準決勝 4月12日 スペースプロジェクトドリームフィールド 14:00 田興業×トーナメント勝者
決勝 4月19日 ソユースタジアム 13:00 ブラウブリッツ秋田×準決勝勝者岩手県
準決勝 4月12日 つなぎ多目的運動場 14:00 富士大××日本製鉄釜石
決勝 4月19日 いわぎんスタジアム 13:00 いわてグルージャ盛岡×準決勝勝者山形県
決勝 4月19日 山形市球技場 11:00 山形大医学部×大山SC宮城県
準決勝 4月19日 開始時間・会場未定
決勝 5月10日 開始時間・会場未定 ソニー仙台×トーナメント勝者福島県
※開催規模縮小 代表決定戦のみ開催予定
1回戦~5回戦 4月5日・12日・19日・26日
準決勝 4月29日 いわきFCフィールド 13:00 いわきFC×トーナメント勝者
決勝 5月10日 Jヴィレッジスタジアム 13:00 福島ユナイテッド×いわきFC
関東
茨城県
※無観客で開催予定
準々決勝 4月15日 たつのこフィールド 11:00 アイデンティみらい×流経大ドラゴンズ 14:00 流経大×流経大FC
筑波大サッカー場 15:00 ジョイフル本田つくば×日立水戸 18:00 筑波大×全神栖
準決勝 4月19日 ひたちなか総合運動公園 11:00第1試合 14:00第2試合
決勝 5月9日 笠松運動公園 13:00栃木県
準決勝 4月19日 開始時間・会場未確認
決勝 5月10日 開始時間・会場未確認群馬県
準決勝 4月19日 前橋総合運動公園 10:00 tonan前橋×ヤキマンズ 13:00 ザスパ草津チャレンジャーズ×関東学園大
決勝 5月10日 敷島サッカー・ラグビー場 11:00埼玉県
準決勝 4月18日 開始時間・会場未確認
決勝 5月9日 開始時間・会場未確認東京都
日程・開始時間・会場未確認千葉県
準決勝 4月19日 第一カッターフィールド 10:15 VONDS市原×明海大 12:00 習志野シティ×順天堂大
決勝 5月10日 フクダ電子アリーナ 13:00神奈川県
※4月30日までの試合は延期
準決勝 4月19日 BMWスタジアム平塚 11:00第1試合 14:00第2試合
決勝 5月9日 ニッパツ三ツ沢スタジアム 13:00山梨県
未確認
北信越
長野県
※4月30日までの試合は延期
準決勝 4月19日 11:00 芝生グランド
決勝 5月10日 18:00 長野Uスタ AC長野パルセイロ×準決勝勝者新潟県
準決勝 4月19日 開始時間・会場未確認
決勝 5月10日 開始時間・会場未確認石川県
準決勝 4月19日 金沢市民サッカー場 10:00 北陸大×北陸大フューチャーズ 13:00 金沢大×金沢星稜大
決勝 5月10日 開始時間・会場未確認富山県
準決勝 4月19日 日医工スポーツアカデミー 開始時間未確認
決勝 5月10日 富山県総合運動公園 カターレ富山×準決勝勝者福井県
準々決勝 5月3日 会場未定 9:00 福井ユナイテッド×今立クラブ 11:00 福井KSC×大野FC
13:00 坂井フェニックス×あらわくらぶ 15:00 福井大医学部×福井工大
準決勝 5月6日 テクノポート福井 10:30第1試合 13:45第2試合
決勝 5月10日 テクノポート福井 13:00
東海
静岡
※代表決定戦のみ開催予定に変更
代表決定戦 5月10日 藤枝総合運動公園 13:00 藤枝MYFC×アスルクラロ沼津愛知県
※代表決定戦のみ開催予定に変更
代表決定戦 5月9日 開始時間・会場未確認岐阜県
準決勝 5月5日 時間未定 岐阜県フットボールセンター(天然芝)
決勝 5月10日 時間未定 長良川競技メドウ三重県
※4月30日までの試合は延期
準決勝 4月19日
決勝 日程未確認
関西
大阪府
日程・開始時間・会場未確認兵庫県
準決勝 4月19日 アスパ五色メイン 11:30 Cento Cuore HARIMA×大学予選2位 14:30 1回戦勝者×大学予選1位
決勝 5月9日 アスパ五色メイン 13:00京都府
日程・開始時間・会場未確認滋賀県
日程・開始時間・会場未確認奈良県
日程・開始時間・会場未確認和歌山県
準決勝 4月19日 上富田球技場 11:00 紀伊蹴球団×和歌山大 13:00 アルテリーヴォ和歌山×海南FC
決勝 5月3日 紀三井寺陸上競技場 13:00
中国
岡山県
※4月30日までの試合は延期
準決勝 4月12日→未定
決勝 4月19日→5月10日鳥取県
日程・開始時間・会場未確認島根県
準々決勝 4月5日 真田グラウンド 11:30 E‐WING出雲×ベルガロッソ浜田 14:10 SC松江×デッツォーラ島根
準決勝 4月12日 サンビレッジ浜田 13:00 準々決勝勝者×準々決勝勝者
決勝 4月19日 島根県立サッカー場 13:00 松江シティ×準決勝勝者広島県
※社会人代表4チーム、大学代表4チームは予選中止により抽選で決定
準々決勝 4月5日 開始時間・会場未確認
準決勝 4月12日 開始時間・会場未確認
決勝 4月19日 開始時間・会場未確認
【出場チーム】
(社会人枠)SRC広島、福山シティFC、富士ゼロックス広島、原田鋼業
(大学枠)福山大、広島経大、広島大、広島修道大山口県
準々決勝 4月5日 県立おのだサッカー交流公園 10:00 常磐クラブ×山口合同ガス
準決勝 4月12日 県立おのだサッカー交流公園 10:00 徳山大×準々決勝勝者 12:30 山口大×FCバレイン下関
決勝 4月19日 維新百年記念公園 10:00
四国
香川県
準決勝 4月19日 県営生島メイン 11:00 四国学院大×高松大
決勝 5月10日 県営生島メイン 開始時間未確認 カマタマーレ讃岐×準決勝勝者徳島県
1次T決勝 4月19日 鳴門球技場 10:30 FC.UNITY×イエローモンキーズ
2次T1回戦 4月19日 鳴門球技場 13:30 FC徳島×光洋シーリングテクノ
代表決定戦 5月10日 徳島スポーツビレッジ 15:00 1次T決勝勝者×2次T1回戦勝者高知県
準決勝 4月19日 春野球技場 9:30 高知大学×KUFC南国
決勝 5月10日 春野球技場 13:00 高知ユナイテッド×準決勝勝者愛媛県
準々決勝 日程調整中 レベ二ロッソNC×麻生FC
準決勝 日程調整中 松山大×準々決勝勝者
決勝 5月10日 県球技場 13:00 FC今治×準決勝勝者
九州
福岡県
日時・開始時間・会場未定長崎県
日時・開始時間・会場未定大分県
日時・開始時間・会場未定佐賀県
日時・開始時間・会場未定熊本県
日時・開始時間・会場未定宮崎県
準決勝 4月19日 都農町藤見運動公園 11:00 第1試合 14:00 第2試合
決勝 5月10日 都農町藤見運動公園 13:00鹿児島県
日時・開始時間・会場未定沖縄県
本大会 3月22日~ 5月10日 詳細未確認
「5月第2週」が各都道府県代表決定のリミット
今季の天皇杯本大会は、5月最終週に1回戦が開催されることから、5月第2週の週末(5月9・10日)までで各都道府県代表が出揃うスケジュールで進んでいる。
しかしながら、そこに至るまでの各都道府県予選が、2月末以降はほとんど予定通りに進捗しておらず、多くの都道府県サッカー協会が「4月30日までの活動停止・大会自粛」と判断をする状況の中、その遅れを取り戻すべく時間的猶予もない。
そうしたことから、秋田県予選のように大会そのものを中止し、J3・ブラウブリッツ秋田を不戦勝で県代表とするケースや、青森、福島、静岡、愛知の各県予選のように、所属カテゴリーなどで選ばれた2チームによる代表決定戦のみを行うとするケースも出てきている。
各都道府県サッカー協会としては、何としても天皇杯本戦出場チームを5月第2週まで決定しなくては、という思いがあるはずで、恐らく今後、多くの天皇杯予選が、大会規模の大幅縮小、或いは大会そのものの中止決定をされていくだろう。
とは言え、この「5月第2週」であっても、果たして代表決定戦を開催出来る状況であるのか、さらに5月最終週から開始される天皇杯本戦についても、実際に予定通り実施出来るのか、それらについては、暗雲が立ち込めていると言っていい。
何しろ、新型コロナウイルス感染拡大が今後どのように展開していくのか、そこに拠るところはあまりに大きいのだ。
ボクはサッカーなんてやっていていいのか?
この新型コロナウイルス禍にあっては、日本社会全体が徐々に機能不全を起こし、サッカー界にはそれが主に「試合延期の連続」という形で現れている。
「人と人とが接する機会」を絶望的に奪われてしまっている状況下で、あらゆるイベントが成立させられず、サッカー界もその影響をもろに受けている形だ。
2月末以来、Jリーグは3度に渡ってリーグ再開時期を先延ばしし、多くのクラブ関係者や選手たちが、今この瞬間も、これまでに感じたことのないような心情で、サッカーと向き合うことを強いられているだろう。
そして、Jリーガーでなくても、JFL、或いは地域リーグ、都道府県リーグ、女子サッカー、そして学生や子どもたちと言った具合に、あらゆるサッカーの世界で生きている、選手・チーム関係者がこれと似た感情を抱きつつ、日々生活しているはずだ。
それは
『いつになれば、公式戦が出来るようになるんだろう』
からはじまり
『この先、ボクはサッカーを続けられるのだろうか』
『ボクはサッカーなんてやっていていいのだろうか』
へと変化してしまっているかも知れない。
新型コロナウイルスの終息
ここへ来て徐々に、この新型コロナウイルス禍が簡単に終息するものではないことが分かってきたようだ。
「人口の7割に免疫がある状態」
これが、世界保健機構(WHO)の「COVID-19終息」に対する見解である。
人口の7割に免疫がある状態。多くの人がこの新型コロナウイルスに一度感染するか、ワクチンが広く普及するか、そのいずれかが起きなければ、これをなし得ない。
今現在、世界中の薬品会社が新型コロナウイルスに対するワクチンを研究・開発を進めているそうだが、それが一般に広く行き渡るまでには、およそ1年半を要するとも言われている。(来夏、東京オリンピックが開催される時期でも、ワクチンが一般に普及している可能性は考えにくい、とほとんどの専門家が指摘している)
つまり、世界中がこの新型コロナウイルスと、これから半年、或いは1年以上という長さで付き合っていくことになるかも知れないのだ。
withコロナで行きましょう
という事からも
「アフターコロナ」はどうやら直ぐにやってこない。
考えるべきは「withコロナ」であり、新型コロナウイルスと相対しながら、どう生きていくのかを考えていかなくてはならない。
そういった心構えの必要性を強く感じる。
だから
『ボクはサッカーなんてやっていていいのだろうか』
ではなく
『ボクはどうすればサッカーが出来るのか』を必死に考え『こうしたらサッカーが出来る』をいくつも見つけ出していく。
今季の天皇杯本戦1回戦には間に合わないかも知れない。それでも、サッカーに関わる全ての人が「アフターコロナ」を夢想しながら我慢し続けるのではなく、たくさんの「withコロナ」を見いだすことを今から直ぐにスタートさせる。
もしかしたら「ビフォーコロナ」を再現するのは難しいかも知れない。それでも、兵糧攻めに遭いながら落城するのに比べればどんなにいいか。
『天皇杯の予選であっても、大会日程すら調べるのが難しい』
Jリーグや日本代表があることで、ボヤけて見えにくくなってしまってもいるが、これが本来的な日本サッカー界の姿でもある。とにかくほんの一部の熱心な人の間でしか、関心の対象としてほとんど認識すらされていない。
つまり「吹けば飛んでしまう」ような存在なのだ。
だからこそ「兵糧攻め」をもろに受けることだけは、避けなくてはいけない。
「withコロナ」で行きましょう。