日産スタジアムに4万人。ヴィッセル神戸の威力にも陰り?

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日産スタジアムに44,210人

土曜昼間の横浜開催。

この2つだけでも、Jの地方クラブからすれば、喉から手が出るほどの集客アドバンテージなはずなのに

天気も最高で、その上試合には、ダビド・ビジャ、セルジ・サンペールと言ったワールドクラスのプレイヤーが出場していたのに

5月18日に行われたJ1リーグ「横浜F・マリノスVSヴィッセル神戸戦」が集めた観客数は44,210人と、日産スタジアムのキャパシティを考えればやや寂しい数字となりました。

確かにここ最近のヴィッセル神戸はチーム状況も良くなく、欧州サッカーファンも大いに期待していたであろう指揮官ファン・リージョも4月中に解任され、看板役者イニエスタも怪我離脱、ポドルスキに至っては件のボールボーイに対する暴言の余波もあってか、この日も「熱中症のため」という不自然な理由で遠征メンバーにすら加わっていなかった。

そんな状況もあって「負け続ける」ヴィッセル神戸を見る目も、日に日に「結果の出せない金満チーム」となっていき、その対戦相手が例え現時点でのJ1上位チーム横浜F・マリノスであったとしても、日産スタジアムが満員になり、さらに観に行こうにもチケット入手が叶わない「チケット難民」を生みだすようなレベルでその関心を集めることが出来なかったのだろうと私は捉えています。(ちなみに日産スタジアムの収容人数は約7万2千人)

深刻とみるか、そんなものだろうと取るか

これを深刻とみるか、そんなものだろうと取るか。

この試合をどういう立ち位置から見ていたのか、それによってもその評価は違ってくるはずですが、私自身はヴィッセル神戸と横浜F・マリノスに対して思い入れは全くありませんので、ここについては世間の方々となんら変わらぬ感覚を持ち得ていると自覚しておりまして、率直に申し上げれば

「なんかゴタゴタしているみたいだし、イニエスタも出てこないんでしょ?じゃあ行っても仕方ないじゃん、だってイニエスタを見たって自慢できないんじゃ意味ないよ」

となるわけですが、これが一度(ひとたび)「日本サッカーの将来」はたまた「Jリーグの更なる発展」を願う、いちサッカーファンとしての思いになりますと

「Jリーグで唯一、世間一般に通用するコンテンツであってもいよいよ限界なのか、、、」

と、相当の危機感を覚えてしまっているわけです。

楽天が創造した新たなマーケット

楽天が創り出した日本サッカー界における新たなマーケット。

ヴィッセル神戸の存在は、まさにその核であるわけで、2017シーズンのポドルスキ加入以来、次々に獲得してきたビッグネームがピッチ上で共演することによって生み出されるブランド力が、ホーム、ノエビアスタジアムの高額なチケット料金という「戦略」に繋がり、そこで十分に検証を行うことで、「一般的なJリーグのチケットより0が1つ多いサッカー興業」RakutenCUPを開催するところにまでその市場を広げてきました。

そしてそのマーケットで対象とされる「顧客」は、これまで長くJリーグを支えてきた熱心なファン・サポーターという括りでは決してなく「対価を払う力を持つ顧客層」であって、もちろんそうした経済力を持つJリーグファン、サポーターも一定数いるのでしょうが、「ブランド力」が惹き付ける新たなファンを創造出来ているからこそ、ノエビアスタジアムが集める観客数と、ヴィッセル神戸が遠征する各地のスタジアムが集める観客数が、これだけ伸長しているのだと見るべきでしょう。

つまり、ノエビアスタジアムのビジターエリアチケット料金が高くなったからと言って

「こっちにしてみりゃイニエスタなんてどうだっていいのに、なんでこんな高いカネ払わなくちゃいけないの?」

とアウェイサポーターが叫んだところで、楽天としては

「いやいや、イニエスタを見たいっていう方は大勢おられますので、無理においで頂かなくても結構ですよ」

と簡単にあしらえるだけの実態があるのだろうなと、私にはそう思えていたわけですが、どうやら、少なくとも5月18日に行われた日産スタジアムでの一戦を見る限りは、そこに早くも陰りが見えてきたように感じてしまったのです。

未来永劫持続可能なサッカー文化

情報社会が物凄いスピードで深化していく中、それでも日本社会においては「イニエスタ」がギリギリその価値を多くの人々に認めさせる存在であって、楽天が創造するマーケットを確固たるものとし続けるには、メッシC・ロナウドがJリーグに来ないことには恐らく難しいし、仮にメッシやC・ロナウドが日本にやって来たとして、その後も続けてこのビジネスモデルを生き長らえさせていくには、絶えず新たなスーパースターをJリーグが獲得していく必要が生じてしまう。

でも実際にそんなことは可能なのだろうかと考えた時に、結局のところこれは「他人のマワシで相撲を取る」ビジネススタイルであるわけで、何かを生み出しているように見えて、実は何も生みだしていけないようにも思えてくる。

楽天もそれは十分理解しているでしょうし、今のヴィッセル神戸の在り方、そしてRakutenCUPに見られるような新たなマーケットの創造、これらを日本サッカーの発展に繋げようなどと言う気持ちは雀の涙ほどもないだろうと私は感じておりまして、言ってみれば楽天が「瞬間的ビジネス」に取り組んでいるだけなのではないかと、そうも思えているわけです。

そう思うと、Jリーグも含めた日本サッカー界が、未来永劫持続可能なサッカー文化を創り出していく上で、何を一番大切にするべきか、それをつくづく考えさせられます。

魅力あるチーム、選手を揃えたとことで、それらも3年経過すればほとんど全て入れ替わると言ってもいいサッカーの世界。ならば結局のところ、ヴィッセル神戸のイニエスタと何ら変わらないのではないか。

何故それら(Jリーグや日本サッカー)が自分の人生に必要であるのか、日々の生活に欠かせないものとして存在し続けているのか、そしてその理由は多くの人々が共感出来るものであるのか。

『最新戦術やイニエスタ、そうしたコンテンツは決して普遍性を備えてはいない。そして日本サッカーは未だその普遍性を見いだせていない。』

日産スタジアムに44210人‟しか”集めることが出来なかったJ1リーグの試合から、最終的に私はココへ行きつきました。

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