VONDS市原がホームゲームで取り組む「Jリーグでは絶対に出来ない」画期的イベント

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VONDS市原が取り組む「Jリーグでは絶対に出来ない」催し

関東リーグ1部を戦うVONDS市原FCが「Jリーグでは絶対に出来ない」画期的なイベントに取り組んでいます。

「アフターマッチファンクション」

と名付けられたこの催しは、クラブの社長を務める祖母井秀隆氏の発案で昨シーズンから取り組まれ、徐々にVONDS市原のホームゲームに欠かせないものとして定着しつつあります。

「試合を終えた選手、監督、運営スタッフ、ファン・サポーター」これらの人々がその立場の違いに関わりなく交流する場。

この催しを簡単に説明すればこうなりますが、祖母井社長のイメージではさらにそこにもう1つの要素が加わります。

「対戦した両チームの」

祖母井社長の発案でスタートしたアフターマッチファンクション

私は昨シーズンから関東リーグの試合会場へ行くようになり、VONDS市原のホームゲームにもこれまで何度も足を運んできました。

そうしていく中で、この「アフターマッチファンクション」にも昨シーズンから参加してきました。

ただ、「立場の違いに関わりなく交流する」と言葉で表現するのは簡単であっても、そうした文化は日本サッカーの世界、ひいては日本のスポーツ文化の風習にはなかなか存在していないものでもあって、実際に昨シーズンの「アフターマッチファンクション」に参加していたのは、クラブの後援者やボランティアスタッフ、選手や監督の友人、家族など、比較的「内輪」な印象は拭えませんでした。

それでも、昨シーズンの最終節では対戦相手だった横浜猛蹴の選手たちがこの「アフターマッチファンクション」に参加し、それを祖母井社長が非常に喜んでおられたのを思い出します。

私は今シーズン、既に2度、この「アフターマッチファンクション」に参加しましたが、昨シーズンは「内輪」の集まり感も拭えなかったこの催しが、少しずつ進化してきているように感じています。

と言っても、会場は市原臨海(ゼットエーオリプリスタジアム)の中にある至って普通の小さな部屋ですし、そこにペットボトルのお茶やインスタントコーヒーが用意され、テーブルの上に少量のお茶菓子が置かれているだけで、言ってみればボランティアスタッフの休憩室の延長線上にあるような仕立てがされているだけ。

つまり、祖母井社長はこの「アフターマッチファンクション」を催すのにおカネを掛けているわけではありません。

それでもこの催しが徐々にその意義を感じさせるようになってきているのは、そこにある「立場の違いに関わりなく交流する」スタイルが、あまりに画期的でありながらも、参加している方々に何とも言えぬ居心地の良さを感じさせているからではないかと、私は思うのです。

徐々に広がっている参加者の輪

祖母井社長の考えもあって、この「アフターマッチファンクション」に参加する選手は、基本的にその日の試合に出場した選手たち。

今はまだそれほど広い部屋で行われていないので、参加する選手は3名だけですが、前任のゼムノビッチ監督もそうであったように、今季から指揮を執るフラビオ監督も必ずその場に参加されています。

そして、前節「ジョイフル本田つくばFC戦」においては、つくばFCの石川慎之介代表サポーターの皆さんも参加されました。

VONDS市原の選手たちが、対戦相手クラブの社長やサポーターとお茶を飲みながらコミュニケーションを取っている。

「Jリーグでは絶対に出来ない」どころか、こうした文化は日本スポーツ界においてもほとんど存在しない世界ですので、そこに参加している全ての人がまだ互いの距離感をどう保てばいいのか、それを探りながら戸惑っている、そんな様子が見られることも否めませんが、それでも「関心はあるけど接点を持ちにくい」相手とコミュニケーションを取ることが出来るこの場が、間違いなく新たなサッカー文化を創造していくだろう手ごたえも感じられるのです。

「アフターマッチファンクション」は選手の成長にもつながる

以前、祖母井社長は私にこんな話をして下さいました。

『毛利さん、試合が終わった後の選手たちがこういう場にどうして出たがらないか分かりますか?

選手たちはその日のプレーを自分の中で反省しているんですよ、だからこういう場に顔を出して他人からとやかく言われたくないと思っている。

私も現役時代、まだ日本にいた時はそう思っていました。

でもドイツでは育成段階からこういう場が試合後に必ず設けられる。だからドイツの選手たちはこういう場でどうコミュニケーションを取ればいいのかみんな身についているんです。

その日初めて顔を合わせたおじさんに自分のプレーを批評されても、それにどう対応するべきか分かっているんですよ』

選手や監督が参加していることで、この「アフターマッチファンクション」がファンサービスの一環として捉えられてしまうかも知れませんが、祖母井社長はむしろ選手たちの成長をもこの催しで得ようとされているのです。

Jリーグに上がれば不可能

と、何やら小難しく書いてきてしまいましたが、私自身がこの「アフターマッチファンクション」に参加して、選手やフラビオ監督と何を話したかと言えば

「VONDS市原の新しいユニフォーム(緑と黄色と茶色)を正直どう思うか」とか

「息子さん2人がボディビルダーになったフラビオ監督がブラジルに作ったトレーニングジム」についてであって

その日の試合についてなど全く会話の中に登場しないのですが(二度ともVONDS市原が勝利したのにも関わらず)それでも選手たちが、これも祖母井社長の発案で決まった今季ユニフォームのカラーリングについて「僕は気に入ってますよ!」と本心とは裏腹の発言を笑いながらしてみたり、片言の日本語で「ジョホールバルの時は通訳いなかったから岡田さんとは英語で会話してたんだよ」とフラビオ監督が驚きの発言をしたりするこの時間と空間が、今後より多くの人を巻き込み、日本サッカーのスタンダードな姿となればいいなと素直に思うのです。

ただ、現状にあってこの「アフターマッチファンクション」をJリーグが行うのは不可能。

と言うか、恐らくJリーグクラブライセンスを交付されるにあたって、真っ先に「そんなことをするのは止めろ」と言われてしまう催しであるとも言えるでしょう。

だからこそ、地域リーグやJFLといったアンダーカテゴリーのサッカー文化の中に、この「アフターマッチファンクション」が広がっていくことで、Jリーグとは異なる価値がそこに創り出せるのではないかとも思えてきます。

いい意味で「本当にゆる~い集い」

正直に言えば、私のような人間が「アフターマッチファンクション」に参加しているよりも、初めてVONDS市原の試合を見に来た方や、対戦相手サポーターの方、そして対戦相手チームの選手や監督、そうした方々がこの催しに参加された方が、よほど充実した時間と空間になるはずだと、今シーズン既に2回「アフターマッチファンクション」に自らが参加して改めてその思いを強くしております。

ただ今回は、VONDS市原が「Jリーグには絶対真似できないこと」をやっているという事実。これを少なくともVONDS市原のホームゲームに行こうと思われている方々には知っておいてもらいたいという思いで記事を書かせて頂きました。

クラブ側のアナウンスもまだ十分ではなく、この「アフターマッチファンクション」が試合後どのくらいの時間から始まり、どれくらいの時間に終わるのか、それらについても「何となくスタートして何となく終わる」としか言えないのですか(実際本当にゆる~い集いなのです)恐らくこれらについては今後そこに関わる方、参加される方が増えていくことで自然に整理され、より有意義なスタイルが出来ていくはず。

市原までVONDSの試合を観に来て、試合後も時間の余裕がおありでしたら、是非ともこの「アフターマッチファンクション」に参加してみてはいかがでしょう。

きっと、よりVONDS市原が好きになり、地域リーグのサッカー文化に関心を持てるようになるはずです!

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