ACL「川崎VS蔚山」等々力のビジター応援エリアで楽しかったこと。

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ACL「川崎VS蔚山」のビジターエリアへ

今回の遠征には帯同出来なかったキム・チャンス選手のユニフォームも掲げられていた。

実際、そんなに多くを期待していたわけではないのです。

それなのに、意外も意外、かなり楽しいじゃん!と。

柏レイソルからレンタル移籍中のキム・ボギョン選手が所属するチームがACLで日本にやってくる。

4月23日に等々力競技場で行われたACL(AFCチャンピオンズリーグ)グループステージ「川崎フロンターレVS蔚山現代戦」を観戦しようと思ったのは、本当にそんな些細なことがきっかけではありましたが、まあそうは言うものの、ボギョン選手の熱烈なファンでもない私にとって、彼の存在はあくまでも「口実」であって、兼ねてから一度、ACLで日本にやってきたチームを応援する「ビジターエリア」に入ってみたいと思い続けておりまして、それを叶える最初の機会としてこの試合を選んだに過ぎないのが正直なところでもあったのですが、これが思いのほか楽しかったのでございます。

何故ACLでビジターエリアに入りたくなったのか

そもそも、この「ACLのビジターエリアに入ってみたい」という思い。

これをどうして抱きはじめたのかと言えば、それは昨年の今頃、つまりまだJ1を戦っていた柏レイソルが出場していたACLを日立台で体感したことに端を発しております。

ご存知の通り、日立台は「ホーム応援エリア」と「ビジター応援エリア」がスタジアム内で完全に分断されておりまして、入場してから退場するまでの間に双方のサポーターが同じ空間に共存することが「固く禁じられている」スタジアムであるわけですが、特にこのACLに関しては椅子のないゴール裏1階が入場禁止になっていたこともあって、多くの柏レイソルサポーターは、ゴール裏2階というビジターサポーターからもピッチからも離れた場所に「隔離」されておりました。

しかしそんな「隔離応援環境」であっても、普段ほとんど対戦することのないアジア各国の強豪チームとレイソルが対戦するこの状況そのものが刺激的でしたし、レイソルはなかなかショッパイ試合をし続けていたのですが、それでも非常に楽しみながら応援出来ていた。

そして、その楽しい気持ちをさらに充実したものとしていたのは、試合が終わった後の日立台周辺で、アウェイチームを応援するためにやってきたサポーターの方々と、言葉も分からないのに何となくノリだけでコミュニケーションを取っていたあの時間、あれこそがACLという国際大会でしか味わえない面白さだったなと、そう思うことが出来たのでありまして、残念ながら今シーズンのレイソルはACLに出場出来ませんでしたし「じゃあ、あの楽しい時間をどうやって得ようか」と考えた時に

「そうだ、ACLで日本にやってくるチームを応援するビジターエリアに入っちゃえば早いじゃないか」

と、そう思ったわけです。

ACLビジターエリアで楽しかったことを箇条書き

で、ここまでに「楽しかった楽しかった」言ってきましたけど、じゃあ具体的に何がそんなに楽しかったのかと、そうお思いの方も出てきてしまっているかも知れませんので、思いつくままにそれを箇条書きしてみようと思います。

意外にもレイソルサポーターの方々が何人もおられた

これには正直驚きました。

キム・ボギョン選手はもちろん、過去に在籍していたキム・チャンス選手(この遠征には帯同出来なかった)を応援しようと、黄色いゲーフラや黄色いタオマフ、選手のユニフォームを掲げておられるレイソルサポーターの方々が何人もおられました。他にも過去にJリーグでプレーした選手を応援するために、他のチームサポーターの方々もおられたようです。(ただ、やっぱり黄色いグッズを身につけたり持っている人が目についてしまう)

日本語の分かる韓国人サポーターの方々がとてもフレンドリーに話しかけてきてくれた

私自身が、以前韓国へ行った際に購入した韓国代表チームのTシャツを身につけながら、明らかに日本人然であったことも多分に影響していたのかも知れませんが、韓国人サポーターの方々が本当に頻繁に話しかけて下さいました、中には現在日本の大学に入学するために日本語を勉強中で、将来Jリーグで働くことを夢見ている青年も。

私は応援エリアに入り込んでいながら、蔚山現代というチームのことをほとんど知りませんでしたので、彼らとコミュニケーションを取りながら色々教えて頂きました。

チャントは韓国語だけど何とかなった

少ないながらも当日の朝に蔚山を出発したという若いサポーターグループがこの日のビジターエリアにはおりまして、トラメガを持ったコールリーダーの青年が歌うチャントもALL韓国語でしたが、もともと知っているメロディのものも多かったですし「ウルサンヒョンデ」というワードさえ分かっていれば、結構何とかなるなと実感致しました。

全く知らないメロディで歌詞も韓国語となると、1回目はどうしても苦労してしまうのですが、2回目からは何となく声と手拍子でノッて行くことも出来ましたし、蔚山サポーターの方も比較的大らかなムードがあって、大声で間違ったチャントを叫んだとして怒られるわけもないし、気持ちよく大声を出させて頂きました。

圧倒的に人数が少ないので何となく結束が生まれた

この日等々力に集まった観客数は9000人台。そのほとんどがフロンターレを応援するファン・サポーターの方々で、蔚山のビジターエリアにいた観客の数はひいき目に見ても100人を超えるか超えないかという規模。

恐らく放送上ではフロンターレサポーターの歌うチャントしか聞こえてこなかったのでしょうが、100人程度しかいなくても完全隔離されたビジターエリアの中では蔚山を応援する声が響き渡っていました。そしてそれはやがて「緩やかな結束」をその場に生み出していたように思います。蔚山から来た人、ソウル出身で日本に住んでいる韓国の人、日本に住んでいて柏レイソルを応援している人、、

普通であれば「結束」しようもない人たちが一生懸命ひとつのチームを応援している。不思議でしたが面白くもありました。

試合終了後、蔚山の選手たちがビジターエリアにどんどん来てくれた

これはやはり「せっかく遠くから応援しに来てくれたんだから」という気遣いがチーム側にもあったのかも知れませんが、選手たちがJリーグでは考えられないレベル、警備員が困惑してしまうレベルでビジターエリアに近づき、非常にほのぼのとした雰囲気を作り出し、写真撮影やサインに応じてくれました。

私も少々調子に乗ってしまい、まだピッチ上に残っていたミックス・ディスケルド選手に対して「ミックスー!ミックスー!」と叫び続け、ビジターエリアまで呼びつけてしまうという一幕も。

実にフリーダムで、蔚山サポーターも、そうではない日本のJリーグサポーターも皆が笑顔で、まさに幸せな空間でした。

「楽しかったこと」はそのまま「Jリーグスタジアムの魅力」と一緒

こうして箇条書きしてみると、その全てが「Jリーグスタジアムの魅力」にそのまま置き換えられることに気づかされます。

「レイソルサポーターが何人もおられた」は同じ出身地の方を日立台で見つけた時に喜びと一緒ですし、「フレンドリーに話しかけてきてくれる」にしてもそうです。

「韓国語のチャントでも何とかなる」などは、初めて日立台に来た人でも試合が終わるころにはほとんどのチャントを歌うことが出来ているのとなんら変わりません。

ただひとつ、そこに「海を越える」という要素が加わってくることで、それらを余計に新鮮なものとして感じることが出来る。

結局のところ私は「まだ知らぬ人」や「そこでしか会えない人」と交流したいが為、サッカースタジアムへと惹き寄せられているのかなと、今回それに気づかされました。

確かにこの日の試合は見ごたえのある素晴らしい試合でもありました。

でも、決してそれだけを見たくて等々力に行ったのではない。

人と繋がることで、そこから新しい自分を発見できる刺激。

これに勝るものはスタジアムには無いと、私は無意識にそう信じているのかも知れません。

兎にも角にも、ACLのビジターエリア。私はまた行くと思います。

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