‟Rakuten CUP”バルセロナVSチェルシー なんでこんなにチケット高いのよ!

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バルセロナVSチェルシー なんでこんなにチケット高いのよ!

「なんでこんなに高いのよ!」

おそらくこの試合のチケット価格表をご覧になられた方々の多くはこう思われたはず。

だってですよ?私が柏レイソルのリーグ戦ホームゲーム全試合観戦可能な年間チケットで支払った金額くらいじゃ、この試合のカテゴリー2すら購入出来ないんです。

日立台で20試合以上見ることが出来る料金が、たった1試合、たった90分間のサッカーの試合と同等の対価だなんて、、あんまりじゃないですか!?

と、少々先走ってしまったので、少し整理致しましょう。

私を含め多くの方々が「なんでこんなに高いのよ!」と思った試合は

7月23日(火)に埼玉スタジアム2〇〇2で行われる“Rakuten CUP FCバルセロナ VS チェルシーFC”でございまして、その発表されたチケット代金の一覧が以下となります。

この“Rakuten CUP”もう1試合「FCバルセロナ VS ヴィッセル神戸」が7月27日に開催されるのですが、そちらのチケット代金についても、ここまで高額ではないものの、なかなかのお値段(一番高額な席がボックス席で12万円)でありまして、共に需要によって価格が変動する「※ダイナミックプライシング」を適用した販売方法がされるとなってはおりますが、それにしてもこれまでの国内サッカー観戦チケットの価格相場を「マジで分かってる?!」と叫びたくなるような値付けがされているのでございます。

正直言って手が出ない

正直言ってですよ。

どこかにサッカーを見に行こうと思った時、そこが少々遠い場所であったりした時には、新幹線を使うべきか、多少疲れるのは覚悟の上で高速バスを使うべきか、はたまた何人か仲間を募って自走して交通費を節約するべきか。とか、一泊だからゲストハウスでいいよねとか、車中泊しちゃうかとか、その旅の予算を決める多くの要素はサッカーチケット以外であるわけですよ。

そりゃたまには最高の席から観戦してやろう!と思うときがあったとしても、1万円も払えば済んでしまうわけじゃないですか。

それがね、「バルセロナVSチェルシー」の場合、ゴール裏でも1万5千円とか2万円も払わなくちゃいけないんですから、いっくら交通費や宿泊費を節約したところでね、それなりの出費になってしまうわけです。

まあはっきり申し上げて、このチケット価格ではそこが例え我が家から車で子1時間の埼スタであっても、ちょっと手が出ませんね。。

で、実際こんな高額なサッカーチケット、本当に売れるのかと、そう思ったりもしたのですが、いやいやいや、、これはちゃんと売れる算段がついているからこその価格設定なんだろうと、そう思える理由を何となく見つけた気がするんですよね。

楽天の勝算

欧州サッカーのオフシーズンとは言え、今回こうしてバルセロナやチェルシーやマンチェスターシティと言った世界最高峰とも言えるチームが来日して親善試合をするに至るまでには、「メッシ、スアレス、デンベレはマスト」とか「アザール、カンテ、ハドソン・オドイはマスト」とか、そういった「ちゃんとホンモノにプレーさせる」条項を入れ込んだ上で、楽天やDAZNは相当高額な契約金を支払ったでしょう

だからこそ、そこで支払った高額な契約金を回収すべく、高額なチケット価格設定も必要な側面であったのも間違いないはずです。

でもそれだけじゃ物凄くリスキーな話に聞こえてきてしまいますよね、私だって「本当に売れるのか」なんて要らぬ心配をしてしまったくらいなんですから。

しかし、楽天はこの興業を勝ち目のある勝負だと踏んだわけですよ。

そして、その「勝ち目」をほとんど疑いのないレベルで確信しているんじゃないかと思うわけでございまして、そう思えるだけのデータを彼らはきっと既に掴んでいるはずなんです。

要するに、この”Rakuten CUP”でチケットを買うのは、普段Jリーグを中心に国内サッカーを見ているサッカーファン層ではないということです。

欧州サッカーにだけ関心を持っているサッカーファン層。その中でも比較的お金を自由に使ってしまえる方々。

それこそ「わざわざロンドンやカタルーニャまで行くことを思えば全然安いよ」と簡単に言ってのけ、即決で20万のチケットをペアで買ってしまえるような方々。

或いはチケット代が高額であるからこそ、そこに価値を見出し、バルセロナもチェルシーも知らないけれど、何かあるんだろうと初めての埼スタへ高級外車で乗り付けようとしている方々。

これはね、マクロ的視点で考えれば日本社会にどんどん広がっている所得格差が生み出したサッカー興業であると私は思うんです。

そして、そこに需要があることを楽天はヴィッセル神戸を通して十分に理解しているはずなんです。

イニエスタ加入以降特に、ノエビアスタジアムが集める客層が変化してきているのを掴んでいるからこそ、2試合程度の興行であれば全然問題ない、楽勝だと。

格差社会のあだ花

だから、今回のこの「なんでこんなに高いのよ!」

これは「すし銚子丸」に通っている客筋に、いきなり「銀座 久兵衛」のお会計見せたようなもので、そりゃあ当然ながら「なんでこんな高いのよ!」となるわけです。

ただこれって裏を返せば、日本サッカーにはこれまで存在していなかったマーケットの顕在化を表しているように思えてきておりまして、何と言いますか「格差社会のあだ花」とでも言いましょうか

英国で労働者階級を熱狂させてきたフットボールという社会文化が、日本社会においては十分成熟しないうちに、一気に上流階級の暇つぶしとしてその活路を見出してしまっているように見えてきて、そこに対しての危うさと言いますか、まあ結局のところ、楽天もDAZNも日本のサッカー文化醸成になんてそれほど関心も無いんだろうなと、少し捻くれたモノの考え方をしてしまう自分もいるのです。

と、いつも通り結局何が言いたいのかまとまらず、カオス化してしまった気も致しますが

‟Rakuten CUP”のチケット価格を見て「なんでこんなに高いのよ!」と思ってしまわれた方々にこそ、これからの日本サッカー界を支えて行って欲しいと私は思いますし、私自身もその1人として、バルセロナVSチェルシー戦のチケットを購入するくらいであれば、その分の予算をJリーグやJFLや地域リーグにブッこんでいきたいと、そう強く思うのであります。

 

※ダイナミックプライシング

需要と供給などに合わせて価格を変動させること。 動的価格調整、価格変動制などとも呼ばれることもある。 需要が高い時期、時間帯、曜日は価格を高くして需要をコントロールし、収益の最大化を図ることができる。

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