「地域リーグの21%強が学生チーム」社会人リーグに参戦している大学チームの是非

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冒頭に結論を述べるスタイル

妻がその結論をなかなか言わずに話を進めていくのに業を煮やした(猛烈にトイレへ行きたかった)私が

「で、、結局どういうことなの?」

という人間関係における禁句を口にしたのにも関わらず、それが穏便に事済んだのは、そこに夫婦間における無情の愛があったからだった。

というエピソードに触れながら、でもやっぱり人に話を聞いてもらおう、より理解してもらおうと思うのであれば、そこに「無情の愛」が存在しないケースがほとんどなのだから、最終的に伝えたいこと、つまりその話の結論部分を敢えて終盤部分に持っていくことは避けた方がいいだろう。

という結論に達し

それを実践するべく「冒頭に結論を述べる」スタイルで記事を書いてみたところ、これが思いのほか筆が走りまして。

「サッカーの力を見くびるなよ!」Jリーグのスタジアムを満員に!が最終目的地ではない

読んで下さった方がどう感じられたのか、それはまだ良く分かりませんが、少なくとも書いている本人はかなり気持ちよかったことは事実で、今回もその快感を味わいたいが為に「冒頭に結論を述べる」スタイルで書かせて頂こうと思っているのですが、どうか皆さま「なに言いたいのか全然わからねえ」というようなご感想を抱かれましたら、何のご遠慮もなくコメントを頂戴出来ましたらと思う次第でございますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

あんまり大学サッカーを悪く言うなよ

と、のらりくらりとした文章を書くのはこの辺りまでに致しまして、今回も早速「結論」から書かせて頂きますと

「あんまり大学サッカーを悪く言うなよ」

なのでありまして、これをもう少し具体的に表しますと

「社会人リーグに参戦している大学チームの是非について簡単に白黒つけるなよ」

なのであります。

地域リーグの21%が学生チーム

普段Jリーグや日本代表の試合を中心にサッカーをご覧になられている方にはいまいちピンと来ないお話かも知れませんが、J3リーグの下位リーグとして位置づけられることも多いJFL、そしてそのJFLの下位リーグとして存在している全国に9つある地域リーグ(北海道、東北、関東、北信越、東海、関西、中国、四国、九州)はたまたその下位リーグである各都道府県リーグ。

それらのリーグにはかなり多くの「大学サッカー部傘下チーム」が参戦しておりまして、地域リーグ以下のリーグなどは特に、括りとして「社会人リーグ」と銘打っているのにも関わらず、その実態がまるで「大学リーグ」の様相を呈しているようなところもあって、なかなか違和感のある風景が存在しているのであります。

先ずはここで具体的に全国9つの地域リーグに参戦している大学サッカー部傘下チームを挙げていきます。

北海道リーグ なし

東北リーグ

富士クラブ2003(富士大学サッカー部傘下)

秋田大学医学部

FC.SENDAI UNIV.(仙台大学サッカー部傘下)

関東リーグ

流通経済大FC(流通経済大サッカー部傘下)

桐蔭横浜大FC(桐蔭横浜大学サッカー部傘下)

東京国際大FC(東京国際大学サッカー部傘下)

早大ア式蹴球部FC(早稲田大学ア式蹴球部傘下)

北信越リーグ

FC北陸(北陸大学サッカー部傘下)

’05FC加茂(新潟経営大学サッカー部傘下)

※JAPANサッカーカレッジ(専門学校)

’09経大FC(新潟経営大学サッカー部傘下)

北陸大学フューチャーズ(北陸大学サッカー部傘下)

※CUPS聖籠(JAPANサッカーカレッジ傘下)

新潟医療福祉大学FC(新潟医療福祉大学サッカー部傘下)

FC.マツセロナ(松本大学サッカー部傘下)

東海リーグ

東海学園FC(東海学園サッカー部傘下)

中京大学FC(中京大学サッカー部傘下)

Chukyo univ. FC(中京大学サッカー部傘下)

常葉大学浜松キャンパスFC(常葉大学浜松キャンパスサッカー部傘下)

関西リーグ

阪南大クラブ(阪南大学サッカー部傘下)

関大FC2008(関西大学サッカー部傘下)

St.Andrew’s FC (桃山学院大学サッカー部傘下)

関大クラブ2010(関西大学サッカー部傘下)

※ルネス学園甲賀(専門学校)

びわこ成蹊HIRA(びわこ成蹊大学サッカー部傘下)

中国リーグ

環太平洋大学FC(環太平洋大学サッカー部傘下)

四国リーグ

KUFC南国(高知大学サッカー部傘下)

九州リーグ

NIFS KANOYA FC(鹿屋体育大学サッカー部傘下)

※九州総合スポーツカレッジ(専門学校)

この一覧の中で赤文字になっているのが1部リーグ所属チーム、青文字が2部リーグ所属チーム、※をつけたのが専門学校チーム。

合計すると地域リーグで戦っている大学サッカー部傘下、或いは専門学校、大学学部チームはなんと現在29チーム。

地域リーグに所属しているチームの総数(2部も含めて)が全国で134ですので、全体の約21%強が純然たる学生によるチームということになります。

中でも北信越リーグ2部に至っては、同一母体規定で1部リーグに昇格出来ない学生チームが3チームも!

確かにこれはちょっと多すぎるんじゃ…

と思われても致し方のない実態なのかも知れませんが、では何故こうなっているのか、それについては必ずしも大学サッカー側のエゴだけでなし得ている話ではありません。

社会人サッカー側としても大学サッカーの力を借りないことにはその存在を維持できないという切ない実情もありまして、言ってみれば双方の利害が一致する部分が少なからずあるからこそ、年々大学サッカー界が社会人サッカー界に勢力を広げていると捉えることも出来るわけで、これをその表層(全体の約21%強!とか)だけを取ってこの実態を批難したところで、それは返って日本サッカー界の衰退に拍車をかけてしまうリスクすらあると私は思うのです。

社会人になってまでもサッカーを本気ですることにほとんど理解がない

私は現状の社会人サッカー界が「20%くらい大学サッカー界」になってしまっている最大の要因が、社会人サッカーを取り巻く環境の貧しさにあると考えています。

環境の貧しさ、それは勿論、練習場や試合会場、社会人サッカー選手に対する待遇も含め、社会人サッカーの世界はとにかくいくらだって「貧乏自慢」が出来るくらい恵まれていない世界ですが、そうなってしまっているのはひとえに

「社会人になってまでもサッカーを本気ですることにほとんど理解がない社会」

であるからだとも思っています。

先に挙げたように、大学や専門学校のチームはもはや学生スポーツの枠組みの中には収まりきらないほどの人材で溢れている。

例えば関東リーグ2部にチームを所属させている東京国際大学。

彼らは大学リーグに参戦しているチームも含めると、常時10チーム以上を活動させています。

その部員数は約300人、当然ながらそこに関わるスタッフ・関係者の数も多い。

これは大学サッカーの世界にサッカーで生計を立てられる環境が備わっていることも意味している。

社会人サッカーの世界がどんなに背伸びしても届かない圧倒的な差がそこにはあるのです。

ただ選手たちは学生です。

それ故にその300人のサッカー部員は大学を卒業していくことになります。

なのに、その受け皿たる社会人サッカーの世界があまりに脆弱であることで、多くの優秀なサッカー選手が学生生活を終えるとともに、サッカーから離れて行ってしまう現状もあるのです。

その中にはもちろん、大学生の時のような恵まれた環境(美しく整備された専用練習場、ロッカールーム、食堂、遠征バスetc.)から貧乏自慢が出来る環境(夜間にフットサル場で練習、着替えは外、コンビニ弁当、誰かの車に便乗して試合会場へ)へ移行してまでもサッカーをしたくはないと思う、そういう選手も間違いなくいるのでしょうが、そもそもそんな貧乏自慢が出来る環境すら数は決して多くなく、到底現状の学生選手のボリュームを受け入れるだけの土壌がそこには存在していないわけでありまして、これは間違いなく日本サッカー界にとって大きな損失であると、皆さんもそう思われませんか?

社会人リーグに参戦している大学チームの是非について簡単に白黒つけるなよ

こうして考えてみると、この「社会人サッカーに大学サッカーが勢力を広げている」ように見えている光景は、「社会人サッカーが脆弱化し、そこに出来た穴を大学サッカーが埋めている」と捉えることも出来るわけですが

ただ、そうは言っても、ここまで疲弊してしまっている社会人サッカーの世界を短期間で大きく変容させることは簡単ではないのも事実。

貧乏自慢が出来る世界に社会人サッカーがなってしまっていて、そうなっているのが「社会人になってまでもサッカーを本気ですることにほとんど理解がない社会」に原因があると仮定したところで

「はい、じゃあ今日から会社が終わったらみんなで一生懸命サッカーをしよう」

なんてならないですし、それこそ働き方改革とか、そういうのが絡んでくる話でもあるわけでして。

しかし1つだけ言えるのは、社会人サッカーリーグに参戦する学生チームがあまりに増加してきているからと言って、それを無理矢理規制したり、排除したりするようなことがあれば、実際のところ「社会人サッカーが脆弱化し出来た穴」が塞がれることもなくなり、その穴は徐々に大きくなって日本サッカー界から社会人サッカーの世界が無くなっていってしまいかねない。

全国にある9つの地域リーグ、或いはその下位にある都道府県リーグ、そこが学生の力を借りながらでも動き続けていないことには、その上に乗っかっているJリーグは長くもたないでしょう。

だからこそ、社会人サッカーの世界を生きながらえさせる策、同時に大学サッカーの世界の発展も阻むことのない策、それらを考えてはいるものの、なかなか具体的なイメージとして私の中には浮かんでこない。

でもその出発点が

「社会人リーグに参戦している大学チームの是非について簡単に白黒つけるなよ」

であると、そこから始めようじゃないかと、今回はそういうお話でございました。

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