「このままではJリーグ脱会」いわてグルージャ盛岡が闇に落ちない為に。

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例えば小学校で

「はい、じゃあ次のお勉強の時間はスマホの〇〇というアプリを使ってやりますので、みんな机の上にスマホを出して下さいね~」

小学校の先生がこう言ったとして

「は~い、分かりました~」

という子どもたちの中に数人

「(どうしよう・・・ボク、スマホなんて持ってない・・・)」

という子どもが混じっている。

「おかあさん!ボクもスマホが欲しいの!スマホがないとお勉強が出来ないんだよ!」

と訴えるその子どもに対して

「分ったわ お父さんとお母さんじゃスマホを買ってあげることは出来なから、近所のおばちゃんやおじちゃんにスマホがいかに欲しいのか分かってもらって、その勢いで教育委員会に買ってもらおうね」

色々とおかしな話ですが、これと似た状況にあるのが、いわてグルージャ盛岡の置かれている今の状況であり、彼らがさも当たり前のようにスタートさせた「ネットを使った署名活動」という対処方法であるように私は思う。

いろいろおかしい

小学校の仮想問答に話を戻しますと、まず初めに「スマホを使った授業」を当たり前のようにしようとしているこの担任教師は明らかにおかしいわけですし、それを知った親が

「そんな授業をしてくれるな」

と教師を問い詰めるのであればまだしも、何とか我が子にスマホを持たせようと判断をすることもおかしい。

その上、その親が自分たちで我が子のスマホを何とか用立てようとするのであればいざ知らず、近所の人たちを巻き込んだ挙げ句、教育委員会を当てにしているのも相当に変な話ではありませんか。

大体、これをきっかけにして我が子にスマホを与えることが出来たとして、その後の通話料やら機種変更時の必要経費やら、そういうのはどうやって費用を捻出するつもりなのか。

大人であればそのスマホをフル活用することで何らかの収入を得、ランニングコストなんて簡単に飲み込んでしまえようものですが、何しろ子どもですから、せいぜい液晶画面をバキバキに割って修理代がさらに発生するのがオチってところでしょう。

署名してくれた人たちがいわぎんに来るの?

つまり、いわぎんスタジアムにナイター照明設備が存在しないことで、Jリーグからの脱退を強いられる可能性があるといって、グルージャがそれを回避しようと思った時に、先ずするべきことは「Jリーグクラブライセンス制度に意義を申し立てること(小学校の授業でスマホなんて使うなと訴えること)」であってもいいはずだし、ナイター照明が存在しなくても楽しんでもらえるようなグルージャのサッカーカルチャーを盛岡を中心とした岩手県全域に強く訴求し続けていくことなんじゃないでしょうかね。

だってそれなしでいくら署名活動したところで、署名してくれた人たちがいわぎんスタジアムに月1で来てくれるんですか?つまりスマホのランニングコストの一端を担ってくれるんですか?

「〇〇ちゃん気の毒ねぇ 分かったわ教育委員会にスマホ買ってあげてって言ってあげるからね」

と近所のおばちゃんがそう言ってくれたとして、そのおばちゃんは〇〇ちゃんがスマホを手にした後のことにまで気回し出来ているわけではない。

〇〇ちゃんがスマホを手にした後に発生する可能性のある危機(ネットの闇に落ちていくとか・・・)にまで思いを巡らせてくれるわけではない。

ただ何となく良かれと思って、署名もするしお役所に「スマホ買ってあげてね」と言葉添えしているだけなわけですよ。

でもそれって至極当然でしょ。

いわてグルージャ盛岡 公式サイトより

もちろん、グルージャ自らが盛岡の行政や政財界、或いは県行政の動きをしっかり捉えながら、「合気道」の如くいわぎんに照明設備増設を成し遂げたとしてですよ、それを否定はしませんし、いわぎんスタジアムには毎試合人が溢れるほど集まり、もはやそのチケットが盛岡市内でもプレミア化している状況にあって、いっそのことナイター設備を含めた新たなスタジアム建設をした方がいわぎん改修より損失が少ないとか、それこそ「ナイター設備増設募金」を広く一般から募ってそれを成し遂げるとか、そういう状況にあるんであれば、否定どころか大応援してもいい腹づもりですが、実際にはそのいずれでもないわけですよ。

もうね、仮に公金投入していわぎんスタジアムにナイター設備がついたとして、昼か夜かという違い以外、今と全く変わらないグルージャのホームゲームの光景が続いていくイメージしか湧かない。

そしてもちろん、公金が投入される分だけ、むしろ今よりもグルージャを見る地域の人たちの目は一層白けた厳しいものとなっていく可能性だってあるんですよ。

Jリーグクラブライセンス制度を見直せ

という考察をしてきてですね、私はこのタイミングでいわてグルージャ盛岡が取るべき姿勢、エネルギーを注ぎ込むべき課題は、ズバリ

「Jリーグクラブライセンス制度を見直せ!」

というムーブメントの先導者となることではないかと、そう思うわけです。

恐らくですね、本音の部分ではこれに乗っかりたいJクラブがかなりあるはずなんですよ。

だって、あのライセンスはいろいろとおかしい部分があるでしょ、例えばレイソルのホームスタジアムである三協フロンテア柏スタジアムもですよ、実際あそこは厳密に言えばJ1クラブライセンス制度にあるスタジアム基準を満たしていないわけ。

そうやって古参クラブに対しては恩情が施されている一方で、後進クラブには血も涙もなく基準という壁を振りかざしているのもおかしいことですし、そもそも実情に照らしてもですよ、J3クラブに求められている5000人規模のスタジアム、これねJ3で常に満員に出来ているクラブなんて皆無だし、これはJ2の10,000人、J1の15,000人にしても同じことが言える。

大体、「地域密着」を是としているのであれば、日本全国にある地方自治体の力の差、そこに何のアドバンテージももたせていない、そんなライセンス制度、所詮絵に描いた餅なわけですよ。

はっきり言ってこんな風に書くことが、グルージャの取り組んでいる署名活動に水を差すものであるという自覚は持っています。

でも、その署名活動に向かう先、目指す先にあるものが、どうしても幸せなサッカーカルチャーに思えないんですから、どうしようもないのです。

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