東京カップ1次戦決勝 「東京蹴球団VSアストラ倶楽部」から感じた選手たちの勇気

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「天皇杯への道」徐々に進む

東京カップ1次戦 エリース東京クラシック VS TOKYO CITY FC

このブログでも再三、「天皇杯への道」大会について取り上げてきましたが、各地リーグ、都道府県リーグの開幕を前に、そのトーナメント大会も徐々にその段階が進んで行き、東京都の天皇杯代表チームを決定する「東京サッカートーナメント」に出場出来るたった1つの社会人チーム枠を巡る争いも、その第1段階がこの週末(2月24日)に完了し、いよいよ関東リーグ所属チームも参戦する「東京カップ2次戦」出場する都リーグ所属3チーム(厳密には都リーグ所属チーム以外も出場しています、例えば無所属社会人チームのirrumattioなど)が決定しました。

では、その3チームを簡単に紹介しましょう。

まず昨シーズンの東京都1部リーグ王者、あの南葛SC。そして八王子からJリーグ入りを目指しているアローレ八王子、最後に1921年に行われた第1回天皇杯優勝チームでもある東京蹴球団と、なかなかキャラクターの濃い3チームが「格上」関東リーグ所属チームとの天皇杯出場を掛けた戦いに挑戦する権利を得たのです。

同時にこの3チームは、10月に鹿児島で開催される全国社会人サッカー選手権(全社)の関東予選出場も決めたわけでありまして、そういう意味でも今シーズンの東京社会人サッカーで度々話題に上がる機会も増えていくはず。

そして、その「東京カップ2次戦」は、早速3月の第1週からそのトーナメントがスタート。加えてこのトーナメントから、各チームが今シーズンに向け獲得した新加入選手の出場も認められるので、元日本代表の経歴を持つ鹿島アントラーズの魂、青木剛選手をはじめ複数の元Jリーガーを加入させた南葛SCなどは、1次戦の時とはまるで違う陣容でこの2次戦に挑んでくる可能性も高く、十分優勝(東京サッカートーナメント出場権)を狙う力があるんじゃないかと、これは結構真剣にそう思っております。

東京カップもいよいよ2次戦に

ではここで、その「東京カップ2次戦」について、そのトーナメント表と日程についてご案内しておきましょう。

2019年度東京都社会人サッカーチャンピオンシップ(東京カップ2次戦)

大会は3月3日(日)に行われる準々決勝から始まり、翌週3月10日(日)に準決勝、3月17日(日)に東京多摩フットボールセンター(南豊ヶ丘フィールド)で決勝が行われます。

準々決勝(3月3日・駒沢補助G)

東京ユナイテッドFC(関東1部)VS 東京蹴球団(東京都1部)10:00キックオフ

早稲田ユナイテッド※(関東2部)VS エリース東京(関東2部→東京都1部)12:30キックオフ

東京23FC(関東1部)VS アローレ八王子(東京都1部)15:00キックオフ

日立ビルシステム(関東2部)VS 南葛SC(東京都1部)17:30キックオフ

準決勝(3月10日・駒沢補助G)

①の勝者 VS ②の勝者 10:00キックオフ

③の勝者 VS ④の勝者 12:30キックオフ

決勝戦(3月17日・南豊ヶ丘)

11:00キックオフ

優勝チームは東京サッカートーナメント出場権獲得

※早稲田ユナイテッドは今シーズンより早稲田大学ア式蹴球部FCとして再編成されます

関東リーグ所属チームにとっては、この「東京カップ2次戦」が今シーズン初の公式戦にもなりますので、来るべきリーグ戦に向けてそれぞれのチームがどんな状態にあるのか、それを計る意味でも非常に興味深いところではありますが、やはり「天皇杯への道」トーナメント大会の醍醐味としては、格下チームが格上チームを打ち負かすいわゆる「ジャイアントキリング」が果たして起こるのか、そこへの興味をどうしても抱いてしまいます。

中でも特に、関東リーグ1部(東京ユナイテッドFCと東京23FC)に挑む、東京蹴球団とアローレ八王子の戦いぶりには是非とも注目していこうと思っております。

天皇杯優勝経年チーム同士の戦い

東京蹴球団(2018年6月撮影)

と言うのも、この2つのチームが東京カップ1次戦を勝ち抜くにあたって、アローレ八王子は今シーズンから関東リーグ2部に昇格するCriacao Shinjukuを倒しておりまして、既に目立たないながらも「格上食い」を果たしているチームでもあり、もう1つの東京蹴球団については、1923年に天皇杯を制した歴史を持つ東京都社会人サッカー界の古豪、アストラ倶楽部との壮絶な「2次戦進出争い」に打ち勝ち、とにかくその試合が私がここ最近観戦した試合の中で抜群に「熱い」試合であったことで、私自身がこのチームに突如として惹かれてしまっているからなのであります。

「天皇杯優勝経験チーム同士の戦い」が、その都代表決定戦までかなり遠い段階で実現してしまうあたり、やはり東京という都市が長く日本の中心であったことを痛感させられますが、まさにこの「天皇杯優勝経験チーム同士の戦い」という謳いに相応しい激闘を東京蹴球団アストラ倶楽部の選手たちは見せてくれました。

元Jリーガーなんていう、このカテゴリーにあっては華やかなキャリアを持った選手などそこにはいない(はず)。

それでもこの両者の対戦に、そして特に東京蹴球団というチームに惹かれるまでになってしまった理由は非常にはっきりしています。

それはとにかくこのチームから「勇気」を感じたからです。

「サッカーとは戦いである」

これは私がオルテガ監督率いるエスペランサSCから改めて教えてもらったことですが、その「戦い」が向く方向、つまり「戦う相手」について、無意識に「対戦相手」だと私は思ってきました。

もちろん、これはそうであろうと今でも思っていますが、東京蹴球団の戦いを見ているうちに、彼らが単に対戦相手、今回の場合それはアストラ倶楽部に対してということになりますが、その対戦相手だけと戦っているのではなく、選手それぞれが「自分自身」と戦っているように見えてきたのです。

イーブンなボールに対し体を投げうってマイボールへしようとするプレー、ゴール前に上がったボールに対して接触も辞さずにぶつかっていくプレー、一旦奪われたボールを奪い返す為に体勢を崩しながら食らいつくプレー。

どのプレーも一歩間違えば自分の体を傷つけることに繋がってしまうプレーですし、ケンカ腰でいけばサッカーではなくなってしまう。

とにかく試合を通してボールへの執着心がほとんど途切れない、そんな見ているコチラの方も肩に力が入ってしまうゲームでしたが、激しい競り合いの連続が繰り広げられているピッチ上の戦いが、全て選手たちの「勇気」によって作り出されているように見えていましたし、その「勇気」を「己に打ち勝つ」ものであると、より強く感じさせてくれたのが東京蹴球団の選手たちでした。

「己に打ち勝つ勇気」

華麗なテクニック、美しいコンビネーション、恐ろしいほどのスピード感、こうした要素がサッカーの魅力であるとともに、自分たちでは到底同じことが出来ないと、憧れの対象になっていく。

しかしながらこの日の両者の戦いからは「己に打ち勝つ勇気」これに対して「自分には到底同じことは出来ないし、これまでにもきっと出来たことはない」と感じられたことで、私の中でそこに憧れの感情が湧き、徐々に惹かれていった。

正直に言えば、まさかこの対戦からそんな「新たなサッカーの魅力」をプレゼントしてもらえるとは思っていませんでした。

大体この両チームの選手たちに対する知識なんてほぼ皆無に等しい。

それでもこの週末に始まったJリーグのどの試合よりも私にとってははるかに得るものがあった。

こうしてまたどのチームの試合を見るべきか、それを思い悩む原因が増えていくのです。

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