JFL2019シーズンの全日程発表!
いよいよ今週末から2019シーズンのJリーグも始まりますね。
そしてこれを皮切りに、JFL、各地域リーグ、都道府県リーグと、あらゆるカテゴリーのサッカーリーグが次々とスタートするのが日本サッカーにおける春という季節なわけですが、そのカテゴリーが下位になればなるほど、リーグ日程が発表されるタイミングも直近になってしまっていたり、そもそも発表されているはずの情報を見つけるのに手間が掛かってしまったり。
恐らくこうなっている最大の原因は「試合会場の取得状況」なんだと私は思っていますが、そりゃトップリーグであるJリーグですらシーズンの終盤に行われる数試合の試合会場が未決定なんて実情があるくらいですから、地域リーグや都道府県リーグに至ってはシーズンを通しての日程を発表すること自体が相当大変な苦労の上にされているはずで、そこに対しては優しい気持ちを常に忘れないようにしたいと、そう思うわけですが、、、
そんな中発表されましたよ、JFLの2019シーズン全日程が!

JFL日程をフットボールカレンダーに入力しながら気づいたこと

試合会場についてこの表記で分かる方どれくらいおられます?(JFL公式サイト)
早速私もこのブログ内に掲載している「フットボールカレンダー」にJFL全日程をコツコツと入力したわけですが、これがねなかなか大変な作業なんです。
まあさすがにJFL全16チームのチーム名、これについては完璧に認識出来てはいるんですけど、大変なのがその試合会場の入力作業。
Jリーグと違って、JFLの場合は1つのチームがシーズンを通して同一会場でホームゲームを出来る方が稀で、その多くは複数の会場でホームゲームを行っている。
だから、先ずその試合会場を記憶するのが非常に難しいし、JFL公式サイトのリーグ日程ページに記載されている略された試合会場表記では、それがどこを指しているのか、他のページに移動して確認しなくてはならないので、もの凄く手間も掛かる。
これが地域リーグであれば、それも仕方なしと思うことは出来ますけど、JFLってJ3と同格とか、アマチュア最高峰とか、そう呼ばれているリーグですからね、このメンドクササが機会損失を招いているんじゃないかと、老婆心ながら心配になってしまいます。
と、今回はそんなJFLに対しての苦言を書きたいのではなくてですね、コツコツとJFL全日程を入力する作業をしてみて、気がついたことがあるんですよ。
JFL全16チームのホームゲームはどこで開催されるか
と言っても全く画期的な気づきではないんですが、先でも触れたようにJFLで戦う16チーム、そのほとんどがホームゲームを複数の会場で開催せざる得ない(意図的な側面も多少はあるかも)状況にあるわけですが、それでも全ホームゲームの8割くらいを開催する主たるホーム会場を持てているチームが多く存在する中、シーズンを通して「どこが主たるホーム会場?」と思えてしまうチームもあるわけです。
こうしてつらつら書くより見て頂いた方が早いと思うので、以下にざっとまとめてみます。
- Honda FC (Honda都田サッカー場15試合)
- FC大阪 (服部緑地陸上競技場9試合 J-Green堺2試合 万博記念競技場2試合 花園中央公園多目的球技場1試合 ヤンマースタジアム長居1試合)
- ソニー仙台FC (みやぎ生協めぐみ野サッカー場8試合 ユアテックスタジアム5試合 角田市陸上競技場1試合 ひとめぼれスタジアム1試合)
- FC今治 (ありがとうサービス夢スタジアム15試合)
- 東京武蔵野シティFC (武蔵野陸上競技場11試合 味の素フィールド西が丘4試合)
- MIOびわこ滋賀 (布引グリーンスタジアム12試合 甲賀市水口スポーツの森3試合)
- 奈良クラブ (ならでんフィールド11試合 橿原公苑陸上競技場4試合)
- ヴェルスパ大分 (だいぎんサッカー・ラグビー場10試合 佐伯陸上競技場3試合 日田市陸上競技場2試合)
- ラインメール青森 (青森県総合運動公園陸上競技場6試合 新青森県総合運動公園球技場3試合 むつ運動公園陸上競技場2試合 ダイハツスタジアム1試合 弘前市運動公園陸上競技場1試合 未定2試合)
- ヴィアティン三重 (東員町スポーツ公園陸上競技場15試合)
- テゲバジャーロ宮崎 (生目の杜運動公園陸上競技場9試合 KIRISHIMAハイビスカス陸上競技場4試合 延岡市西階陸上競技場1試合)
- FCマルヤス岡崎 (名古屋市港サッカー場6試合 豊田市運動公園陸上競技場4試合 豊田市運動公園球技場3試合 豊橋市岩田総合球技場1試合 パロマ瑞穂スタジアム1試合)
- ホンダロックSC (生目の杜運動公園陸上競技場4試合 KIRISHIMAハイビスカス陸上競技場4試合 小林総合運動公園3試合 延岡市西階陸上競技場2試合 都農藤見公園1試合 串間市総合運動公園陸上競技場1試合)
- 流経大ドラゴンス龍ヶ崎 (龍ヶ崎たつのこフィールド15試合)
- 松江シティFC (松江市営陸上競技場12試合 島根県立浜山公園陸上競技場3試合)
- 鈴鹿アンリミテッドFC(AGF鈴鹿陸上競技場13試合 三重交通Gスポーツの杜鈴鹿2試合)
上記の一覧でチーム名を青で表しているのがリーグ戦ホームゲーム全試合を同一会場で開催する予定のチーム、オレンジで表しているのがリーグ戦ホームゲーム10試合以上を同一会場で開催する予定のチームです。

テゲバジャーロが建設する5000人収容スタジアムを核としたフットボールタウン完成予想図
半分以上のチームがホームゲーム15試合のうち10試合以上を同じ試合会場で開催出来ておりますが、そうでない6チームの中には「Jリーグ100年構想クラブ」としての認定を受けているところもありまして、ソニー仙台、FCマルヤス岡崎、ホンダロックあたりの実業団チームはいいとしても「これからJリーグを目指そう!」と言っているところがホームゲームの開催場所にすら苦慮している実情が存在しているのには、若干の、いや大きな不安を感じざるを得ません。
とは言え、先日「Jリーグ100年構想クラブ」の認定を受けたばかりのラインメール青森、テゲバジャーロ宮崎という2つのクラブについては、青森がJ3基準もクリアしている「新青森総合運動公園」でのホームゲーム開催頻度を高めていく展望があるのでしょうし、テゲバジャーロ宮崎も新富町に5000人収容規模のサッカー場を建設する案が自治体と合意に至ったことで、一気に「100年構想クラブ入り」を果たした背景がありますので、このまま今の状況が続かないという見立てはあるんでしょう。
ただそれにしても、例えば青森については「会場未定試合」が2つもあって、15試合のうちの1試合は八戸のダイハツスタジアムでホームゲームを開催するという実情もあるわけで、なかなか前途多難だなぁとも思わされるわけです(スタジアム建設費の全額をクラブが負担する宮崎に至っては前途多難どころか「そんな夢みたいな話あるの」くらいに私は思っています)
不動の活動拠点

昨シーズンもラインメール青森のホームゲームが八戸で開催された。その時の観客数111人。両チームの関係者全員といい勝負。
と、こんな風に私が「ホームゲームの開催会場」が使用される頻度、そこに強くこだわってしまっているのは、サッカークラブが地域社会から「求められる」存在であるために、最も重要なのが「不動の活動拠点」であると考えているからです。
立派なスタジアムである必要は全然ありませんけれど、少なくとも「Jリーグを目指す」としているのであれば、JFLで戦っている今のうちから「〇〇(チーム名)と言えば〇〇(ホームスタジアム)」という概念を地域社会に育んでおく必要があると私は思います。
それを経ないで、もしくはそうした作業を軽視してJに上がったところで「Jクラブだから応援する」ファンは生まれるかも知れませんが、クラブがその地域に存在する意義とか意味とか、そういう最も大切なことが抜け落ちたJクラブが「また」新たに誕生してしまうだけに過ぎない。
ほんの一部の人たち、例えばJFL所属チームの中に現状で1000人規模のファン・サポーターを毎試合集める力を持っているクラブはほとんどありませんから、クラブ経営に携わって金儲けしようと思う人たちと、地域の政治家、行政担当者との利害の一致をほんの僅かな人たちが喜んでいる、という「社会的承認」が必ずしも受けられない構図がJFLには特にその温床になりがちで、
現状Jリーグ昇格を目標として「Jリーグ100年構想クラブ」の認定を受けているようなところなどは、どこもそれと大差ない実態があるようにも見える。
本当は長い時間を掛け、地域から「求められる」サッカークラブとなって、そうなってきたからこそ、その上のステージへとのぼっていく「必要性」が生じてくるものなのに、そこを一切端折って、上のステージに必要なものを表層だけで取り繕うことをするから、Jリーグに昇格して以降も、破綻すれすれの道を歩まざるを得なくなってしまう。
こんなことをこのまま見過ごして行けば、早晩、日本のサッカー文化なんて廃れていく!!
・・・・・・すみません、ちょっと熱くなってしまいました。
ただ、私はJFLの全日程をフットボールカレンダーに入力していきながら、やっぱり日本サッカーはこのままでは危ないと、そう思ってしまったのです。
と言いながらも、是非ともフットボールカレンダーをご覧ください!
JFL日程が入ったことで、また新たな「はしご観戦」「フットボールツーリズム」のプランが立てられるかも。