サッカー中継解説を「選ぶ」時代がやってきて「買う」時代になっていく

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サッカー解説を「選ぶ」時代

いやはや、サッカー中継の解説を「選ぶ」時代が来ようとは。

ほんの少し前までは、DAZNでJリーグを視聴していても、その解説者については「アタリ」「ハズレ」みたいな感情がサッカーファンの間で渦巻くのがスタンダードな光景で、だからこそサッカー解説者業界でも少なからず競争原理が働いていたのだとは思いますが、それでも木村和司さんがNHK-BSで1試合を通じて「うーん、そうですねぇ」というキラーワードだけで切り抜けてしまうような現状も依然として存在するわけで、そういう意味ではこの競争原理も相当緩やかなものでしかなかった。

そこにユーザー側が「解説を選ぶ」という、もの凄く直接的な評価軸が誕生してきたことで、この評価軸がそのまま広がっていったりでもすれば、木村和司さんも「うーん、そうですねぇ」だけでは切り抜けられない時代に突入していきますし、城彰二さんもスレンダートーンをお腹に巻いた状態で、アルアインやチームウエリントンの情報を事前に整理しておく必要が出てくるかも知れません。

今まではNHKや日テレやDAZNといったクライアントから報酬を受けていたのが、一般視聴者の投げ銭を受け取る形に変わっていく可能性もあるのですから、そりゃあね、当然ながらお客さんの方を向いた解説スタイルを確立させないと、それこそ松木安太郎さんくらいの芸風を作り上げなくては、見向きもされなくなっちゃいますよ。

余談ですけど、松木さんはですね、コッチも一杯引っ掛けてるくらいの状態だと最高に相性がいいんですよね。

「ハハハ!大迫半端ねえ~」

とか、日本サッカー界の解説者で松木さんでしか成立しない「芸」ですよ、まあたまに早野さんや福田さんがそっち側に振れ気味な日であれば聞けるかもしれませんけど、松木さんであればいつだって期待出来ますし、あの人、新日本プロレスの「1.4東京ドーム」で実況席に入ってもスタンスの変化は一切ありませんから、もう伝統芸として弟子を取って欲しいくらいです。

戸田和幸さんの「裏解説」

と、話がヤスタロウにずれてしまいました。

この解説を「選ぶ」という現象について、先日行われたアジアカップ「日本VSトルクメニスタン」では、地上波でヤスタロウ解説が聴ける他方で、少なくとも3つの「解説」を選ぶことが出来ました。

YouTubeチャンネルでは戸田和幸さんが、LINE LIVEでは岩政大樹さんが、ニコニコ生放送では五百蔵容さんと中村慎太郎さんが、それぞれ試合解説を生配信していたのですが、いまや「裏解説」としてこの道の第一人者でもある戸田和幸さんに至っては、昨年のキリンカップ対ウルグアイ戦以降は「有料コンテンツ」として既に解説を「売って」きてもおりまして、1試合で1000円くらいだったと記憶していますが、800人くらいの人が「買う」という状況になってきているのです。

2002年日韓W杯に挑む日本代表チームを追った六月の勝利の歌を忘れないっていう名作DVDがありまして、その中で大会が始まった途端に髪の毛を真っ赤に染め上げた戸田和幸選手に対して、周りの選手たちが若干ひくでもなく、冷やかすでもなく「おぉぉ…」みたいに反応をしているシーンがあるんですけど、あのエキセントリックな戸田和幸が、その15年後には物腰の柔らかい理知的なサッカー解説者になっているなんて予想していた人はほとんどいなかったはずです。

そんな戸田さんの解説を聞いていると、何だかちょっと「サッカーが分かったような気」になってしまう。

何なら私なんか、サッカーの話をする時に、ちょっと「戸田和幸風」なしゃべり方にすらなってしまいますから。

もちろん戸田さん自身、難解なサッカー戦術を分かりやすく言葉で伝えるために、間違いなく相当の準備と訓練を日々されているはずで、あのクオリティであれば1000円を出してまで解説を聞きたいと思う人が大勢いるのも十分うなずくことが出来ます。

解説を「買う」時代に

で、この「1000円を出してまで」っていう所が凄く重要だと思っておりまして、ここまで書いてきた「解説を選ぶ」というサッカーファンのニーズは、今後間違いなく「解説を買う」というマーケットに発展していくはずで、それがしっかりと定着していけば、まさにこれ「0から1を生み出す」ことなんですよね。

プロ野球やプロレスなんかでも、いわゆる「名物実況アナ」や、ちょっと古い話になりますが、まだヤクルトの監督にもなっていなかった頃の野村克也さんがプロ野球解説をしていると「ノムラスコープ」とかね、そういうプレミアム感みたいなの、あるにはありましたけど、基本的にどれも「強制供給」されたものであって、選んでいる実感などあるはずもありませんし、選べるとも思っていなかった。

それがサッカーにおいては、2018年のロシアW杯くらいから「解説を選ぶ」という概念が生まれてきて、ついには「解説を買う」というケースが現れはじめている。

これはもの凄い変革ですよ。

だって、そこではそもそもおカネの動きなんて無かったんですから。

現状では戸田さんをはじめとして、サッカーの戦術解説を主としたコンテンツを売りにしているケースが多いですけど、今後については、例えばゲームの流れに合わせて皿を回す「DJ.kaisetsu」とか、90分間軽快なスネアドラムを叩き続ける「バモチャンネル※」とか、人気アニメ声優による「アスルクラロ ヨーソロー実況」とか、サッカーの試合を見るにあたってのBGMとして考えれば、いくらだってマーケットを広げていけるような気がしてきませんか。

もう試合放映権とか、そんなことどうでもいいわ!

いや、これ考えれば考えるほどカネの匂いがしてくるな。

シュウアケイレブンが先んじて胴元やってもいいんじゃないですか?マツメイラス松田さんがいるし!ねえ参謀長殿!

※「バモチャンネル」=日本サッカー界指折りのスネアドラマーにして五本木のサッカーウェア古着ショップ「TRENTUNO31」店長のバモちゃんによるチャンネル。実在しない。

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