「クラブ愛」を語るJリーガーと「社畜」サラリーマン

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「社畜」というすごい言葉

最近は、会社勤めのサラリーマンが休みを返上して仕事をしたことや、残業時間の長さを自慢気に語ったりすると「仕事人間」とか「会社人間」ではなく「社畜」って呼ばれてしまうそうですね。

すごい言葉ですよね「社畜」って。

《会社に飼い慣らされている家畜の意》会社の言いなりになって、つらい仕事でも文句も言わず働いている会社員を、皮肉を込めてからかう語。

俗語ではあるものの、一応調べてみるとこんな意味があるそうなのですが、これが「社畜」の定義であるのだとすれば、サラリーマンなんて全員「社畜」なんじゃない?と思ってしまいます。

もう少し見てみると「社畜の特徴」なるものも発見しました。

  • 社内の評価をやたらと気にする
  • 仕事を断れない
  • 残業や休日出勤をアピールしたがる
  • 上司のいうことは絶対に守る

この4つが「社畜の特徴」

  • プライベートも仕事の時間に充てている
  • 接待ゴルフなどに頻繁に参加している
  • 上司に勧められた趣味を始めた
  • 翌日の仕事に備えて外出を控える

この4つは「隠れ社畜の特徴」だそうです。

それにしても、ここに出てくる「特徴」ってどれもちょっと前までは「サラリーマンかくあるべし」の4か条、8か条に挙げられてもおかしくないような要素なのに、どうしてこのご時世になって「こんなサラリーマンは社畜だ」の特徴に大転換してしまったのか。

「愛社精神」「会社愛」は廃れていくのか

まあ正直分からなくもない部分もあります。

会社員時代の自分自身を振り返ってみても、ちょっと異常だったなと思うようなエピソードは山とありますし、円グラフの成分表をもし作っていたとすれば、その80%は会社成分だったと思います。

多くの業界、多くの企業で人員が絶対的に不足していて、ちょっと気を許すとどんどん負担が大きくなってしまう。

その負担の大きさを少しでも軽減させようと効率のいい業務方法を見いだすと、「あいつ仕事早いな」と妙な信頼を得てしまったりして更に沢山の仕事を抱えることになってしまう。

終電で帰れていたのがそのうちに職場に泊まるようになり、休日返上は当たり前となっていき、もうそうなるとブレーキのついていない車のようなもので、どこかにぶつかって車が大破でもしない限りはストップすることも出来なくなってしまう。

そうやってぶっ壊れていくサラリーマンが全然珍しくなくなってしまっている実情を見れば、そうならない為に「社畜」という言葉でブレーキを掛けようとする気持ちはもの凄く分かります。

だからもう、以前は称賛された「愛社精神」とか「会社愛」みたいな精神性は完全に廃れていくのでしょうね。。。。。。と思いきや。

Jリーグの世界ではこの「愛」が飛び交っているじゃないですか!!

「〇〇選手のクラブ愛」

特にシーズンオフである12月~1月については、選手が激しく移籍する時期であることもあって「〇〇選手のクラブ愛」というワードをTwitterのタイムライン上で目にしない日はない。

【クラブ愛】でキーワード検索するとJリーグサポーターが叫ぶ「〇〇選手のクラブ愛」をこれでもかと言う勢いで見ることが出来ます。

参考にちょっと挙げてみますね。

「育ててもらったクラブとは、どうしても縁を切るわけにはいかない」という〇〇の言葉に、これ以上交渉を続けても完全移籍での獲得は不可能という判断を下した。 クラブ愛が止まらナイアガラ泣 〇〇からレギュラー奪おうぜ!

 

〇〇残留の〇〇選手 ・〇〇と日本のハーフ ・〇〇FMユース出身 ・〇〇を経て2017より〇〇へ ・フィジカル強くボール奪取得意 ・今年一早く残留を明言 J1クラブのオファーを断った上、チーム残留を早期に明言する選手は素晴らしいです。 クラブ愛のある選手なんだなと感じます。

 

「国内ではずっとこのチームで」「全身全霊をかけてチームのために」みたいなことを言い続けて〇〇は0円で移籍したけど、〇〇は「〇〇にできるだけ多くのお金を残す」と言って海外に旅立ってったよね。これこそが本当のクラブ愛

 

実際んとこ、〇〇は「〇〇の若手はクラブ愛があんまないんじゃない?」ってぐさって来ること言ってたし、日本という国においてクラブ愛は引き止めの重要なカードになりえるんだと思う。もちろん、その愛に応えるものをクラブは提供し続けないといけないけど。

 

【本当にホストってハマるの?第2弾】地味な三十路女がホストクラブ愛本店でハートを鷲掴みにされてきた

こうして見ると明らかに「選手のクラブ愛」って「会社愛」とは反対に素晴らしいものとして称賛されているんですよね。

中には「クラブ愛が止まらナイアガラ泣」と感激しているサポーターもいますし、ハートを鷲掴みにされた地味な三十路女もいます。(分かってます、分かってますって)

「クラブ愛」は生温かい目で

やっぱりアレですかね。

私たちどっかで「愛社精神」とか「会社愛」とか、そういうものに対して称賛する気持ちを捨てきれてはいないのでしょうかね。

だからこそ疑似的にそれを実感したくてJリーガーに「クラブ愛」求めちゃうのかな。

ただまあ、あんまりそこに拘り過ぎちゃうと、

「育ててもらったクラブとは、どうしても縁を切るわけにはいかない」

と言ってくれた選手があっという間に他のクラブへ期限付き移籍しちゃったりして、「クラブ愛が止まらナイアガラ泣」なサポーターも心の置きどころに困ってしまう事態に陥ったりしちゃったり、

「国内ではずっとこのチームで」「全身全霊をかけてチームのために」

みたいなことを言い続けて0円で移籍した選手が猛烈に批難されたりしちゃうわけですけど。

選手たちの言葉もそのほとんどはメディアのフィルターを通して伝わってくる言葉でしかありませんから、同僚との一杯の席で酔った勢いで放たれた「全身全霊をかけて会社のために」くらいの「生暖か~い」目で見守るのが丁度いいんじゃないでしょうか。

大丈夫ですよ。

もしも EL GOLAZOJリーグ選手名鑑のアンケート項目に「クラブ愛の有無」があれば、選手全員が「有り」で答えてくるでしょうから。

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