Jリーグ57クラブ 1試合平均観客数ランキング

12月8日に行われた「J1・J1入替戦/参入プレーオフ」がオオトリとなって、2018シーズンのJリーグもその日程の全てが終了。
これを以て、57クラブのそれぞれが来シーズンをどのカテゴリーで戦うのか、それが最終決定したわけですが、優勝とか何位とか、昇降格といった戦績面での「成績表」だけでなく、プロリーグが避けては通ることの出来ないもう一つの「成績表」についても、その実勢が分かってきました。
「2018年Jリーグ 1試合平均観客数 前年比ランキング」
これはある意味で、試合に「勝った負けた」以上に大事なランキングであるんじゃないかと、私はそう思うのであります。
プロだろうがプロじゃなかろうが、試合会場に大勢の観客を集められていれば、それは即ち「注目されている」ことに現れであって、同時に経済的効果を生み出す源泉であるはず。
勿論、それが6万人のスタジアムと5000人のスタジアムでは動くお金の規模に差は出てきますけど、まずは「観客で賑わっている光景」を作り出さないことには何も始まらない。
「このチーム凄く弱いけどいっつも満員御礼だね~!」には何だか未来があるように思えませんか?
というわけで、前回はこの「2018年Jリーグ 1試合平均観客数 前年比ランキング」の「J1クラブ編」を書いてみましたが、今回はその続編で「J2クラブ編」をやってみたいと思います。
J2クラブの半数以上が観客を減らす
2018シーズンのJ2リーグ。
果たしてその1試合平均観客動員数は、戦績の最終順位とどのくらい関連していたのか、それとも全然関連していなかったのか。
まずは「観客数の増減」その絶対数を元にしたランキングは以下の通りになります。
6位:1,137人 J2 松本 【18年:13,283人←17年:12,146人】
9位:859人 J2 町田 【18年:4,915人←17年:4,056人】
10位:844人 J2 大分 【18年:8,907人←17年:8,063人】
12位:669人 J2 山口 【18年:6,123人←17年:5,454人】
16位:510人 J2 栃木 【18年:5,657人←17年:5,147人/J3】☆
20位:184人 J2 山形 【18年:6,766人←17年:6,582人】
21位:174人 J2 横浜FC 【18年:6,141人←17年:5,967人】
23位:131人 J2 金沢 【18年:4,528人←17年:4,397人】
26位:18人 J2 徳島 【18年:4,997人←17年:4,979人】
27位:7人 J2 水戸 【18年:4,938人←17年:4,931人】
29位:-119人 J2 岐阜 【18年:6,858人←17年:6,977人】
37位:-270人 J2 東京V 【18年:5,936人←17年:6,206人】
41位:-677人 J2 福岡 【18年:8,873人←17年:9,550人】
43位:-705人 J2 愛媛 【18年:3,161人←17年:3,866人】
44位:-732人 J2 讃岐 【18年:3,073人←17年:3,805人】
45位:-759人 J2 大宮 【18年:9,224人←17年:9,983人】★
48位:-872人 J2 岡山 【18年:8,599人←17年:9,471人】
50位:-1,085人 J2 京都 【18年:5,663人←17年:6,748人】
51位:-1,288人 J2 熊本 【18年:5,269人←17年:6,557人】
53位:-1,606人 J2 千葉 【18年:9,858人←17年:11,464人】
56位:-3,458人 J2 甲府 【18年:7,384人←17年:10,842人/J1】★
57位:-7,121人 J2 新潟 【18年:14,913人←17年:22,034人/J1】★
まずこのランキングの見方ですが「〇位」の中の数字は、Jリーグ全57クラブの中における順位ですので、J2クラブの中では松本山雅(6位)がトップですが、それより上位にJ1クラブが5つランキングしているということになります。
ということは、新潟が57位。これはつまりJ1~J3まで全てのクラブの中で最下位ということです。
それから右端に☆がついているのがJ3からの昇格クラブ(栃木)★がついているのがJ1からの降格組です。
また、文字が赤くなっているのは前年よりも少ない観客しか集めることの出来なかったクラブですので、2018シーズンのJ2リーグでは半分以上のクラブが観客減だったということになりますねぇ。
前年比伸率ナンバーワンは町田
次に平均観客数を「絶対数」ではなく、前年の観客数を100とした時に2018シーズンはどれくらいのパーセンテージだったのか、つまり前年比の伸率ですね、これをランキングにしてみます。
1位:121% J2 町田 【18年:4,915人←17年:4,056人】
2位:112% J2 山口 【18年:6,123人←17年:5,454人】
3位:110% J2 大分 【18年:8,907人←17年:8,063人】
4位:109% J2 松本 【18年:13,283人←17年:12,146人】
4位:109% J2 栃木 【18年:5,657人←17年:5,147人/J3】☆
6位:102% J2 山形 【18年:6,766人←17年:6,582人】
7位:102% J2 横浜FC 【18年:6,141人←17年:5,967人】
8位:102% J2 金沢 【18年:4,528人←17年:4,397人】
9位:100% J2 徳島 【18年:4,997人←17年:4,979人】
9位:100% J2 水戸 【18年:4,938人←17年:4,931人】
11位:98% J2 岐阜 【18年:6,858人←17年:6,977人】
12位:95% J2 東京V 【18年:5,936人←17年:6,206人】
13位:92% J2 福岡 【18年:8,873人←17年:9,550人】
13位:92% J2 大宮 【18年:9,224人←17年:9,983人】★
15位:90% J2 岡山 【18年:8,599人←17年:9,471人】
16位:85% J2 千葉 【18年:9,858人←17年:11,464人】
17位:83% J2 京都 【18年:5,663人←17年:6,748人】
18位:81% J2 愛媛 【18年:3,161人←17年:3,866人】
19位:80% J2 讃岐 【18年:3,073人←17年:3,805人】
19位:80% J2 熊本 【18年:5,269人←17年:6,557人】
21位:68% J2 甲府 【18年:7,384人←17年:10,842人/J1】★
22位:67% J2 新潟 【18年:14,913人←17年:22,034人/J1】★
※小数点以下切り捨て
少しランキングが変化しましたね。

もともとの動員数規模が小さい町田が前年比伸率だと断トツ1位。
2018シーズンの町田は、クラブ創設以来の好成績で最後の最後までJ2優勝の可能性がありました。
間違いなくこの好成績が1試合平均の観客増に繋がったはずですが、それでも5000人足らずというあたりに、町田がJ1クラブライセンスを交付されていない現状が如実に現れているようにも思います。
ただ、はっきり言って「レッズサポ」さえ安全に野津田へ迎え入れられる体制が出来てさえいれば、ゴール裏が芝生席であっても、客席が10,000に満たなくても、全然問題ないと思いますけどね。

もう基準はレッズサポですよ。彼らが大挙してやってきても問題なし!鶴川じゃちょっとキャパオーバーになっちゃうんで、新百合ヶ丘あたりから神奈中バスで強制的に護送すればいいんじゃないですかね!!
と、野津田を真っ赤に染めようとするレッズサポを思い浮かべつつ
前年より明らかに1試合平均の観客数が増えたと言えるのは、4位で並んだ松本山雅と栃木(109%)あたりまでですかね。
ってことは何?22クラブ中17クラブが観客動員で頑張れなかったってことになっちゃうじゃん!
どうした?J2。
昇格も降格もある最高にエキサイティングなリーグなのに、どうして観客数が増やせないんだ??!!
どうして半分以上のクラブが観客を減らしてしまったのか

そこで私なりに仮説を立ててみたい!
まず、2017シーズンから2018シーズンにかけてJ1昇格を果たしたクラブが「数字」持ってたんじゃね~の?から。
この時の昇格組は湘南、長崎、名古屋の3クラブ。
怪しいねぇ。いっこ怪しいのいるねぇ。。
名古屋だ、名古屋グランパスがJ1に観客を持って行ってしまったんじゃ!!
湘南(17年:8,454人)長崎(17年:5,941人)はいかにもJ2っぽい1試合平均観客数ですが、名古屋はねぇ(17年:15,365人)ですから!この観客数、J1クラブ基準ですから!
勿論、この数字はホームゲームの観客数ではありますが、それでも大勢の名古屋人たちが四国や北陸に行かなくなった影響は少なからずあったことでしょう。

で、次ですよ。
2017シーズンから2018シーズンにかけてJ1からJ2へ降格してきたクラブが観客連れて来なかったんじゃね~の?です。
はい、降格組は新潟、大宮、甲府ね。
怪しいねぇ。怪しいのが1個ならず2個いるねぇ。。。
新潟くんと甲府くん!
前年比67%、68%って一体どういうことかね!?
J2のみんなは君たちに期待をしていたんですよ!?
中でも新潟くんキミは1試合平均で7121人も観客を減らしている!これはJ2クラブがひとつ無くなっちゃったくらいのインパクトなんだぞ!!
まあ、こんな仮説はどなたでも思い浮かぶことではあると思いますが、具体的に数字で見てみると恐ろしくなってきますねぇ。
「J2の魅力」を模索します

ただ、観客が増えたクラブもそうですし、こうやって降格したことで激減させてしまったクラブもそうですが、結局のところ「チームが強いかどうか」がモロに観客数の増減へ影響してしまっているあたり、Jリーグの将来は決して明るくないと思わざるを得ないですね。
だってですよ、上位に行けば観客が増えて、下位になれば減ってというのは、ある意味で観客の全体量は変わらないってことじゃないですか。
Jリーグの将来を明るくする為には、この全体量を増やしていかなくてはならない。
その為には、シーズンごとに戦績で観客数が激しく乱高下するような不安定な状況であっては、絶対に実現しないし、所詮は絵に描いた餅。
で、反対に言えば、その「絵に描いた餅」にしてしまっている最も大きな要因は「チームが強いかどうか」でしかスタジアムへ行く価値を計れない世間様にあるのではないでしょうかと、私は思うのです。

「チームが強いかどうか」これは「その試合がJナニなのか」と言い換えることも出来ます。
「だって、J2でしょ?」
熱心にチームを応援しているファン・サポーターの方々はそんな風に思わなくても、世間からはこういう評価の仕方をされてしまう。
これをどうやって変えていくか、柏レイソルのお陰で私は来シーズン一気にJ2のスタジアムへ行く機会が増えますので、「J2の魅力」をあらゆるファン層に訴求するべく模索するつもりです。
これぞ、J2が「自分ゴト」になっているからこそ出来ること!
そして、来年の今くらいの頃には「J2の観客数全体的に増えてきた??」なんて喜べるようにしたいと。
あぁ楽しみだ~。