前段

まずはじめに言っておきたいのは、これから書かせていただく内容について、特定の経営体や特定の集団、個人に対して批難するつもりなど露ほどもないということ。
そして、これから私が指摘させていただく事象についても、それが限られた人たちによって意図的にもたらされているとは考えていないこと。
こうまでして予め「保険」をかけるような言葉を書いているのは、私自身がその「世界」でまあそこそこ楽しめてはいて、出来ることならばこの先も身体が言うことを聞いてくれる限りは、その「世界」に片足くらいは突っ込んだ状態で生きて行きたいと思っているからで、特に何らかの圧力や不正な利益享受などをしているわけではないので、そこんとこはご理解しておいて頂きたい。
で、その「世界」なんであるが、それはずばり「フットサル」の世界なのだ。
フットサルのストレスをぶちまける

これまでも私はこのブログでFリーグに関する記事(主に改革案。最終的にはFリーグはプロレス化すべしという結論で終わる危険な内容)を何度か書いてきたが、今回は「観る」フットサルについてではなく、「やる」方のフットサルについてなんである。
8月の初めに「個サル(個人参加者を募って行われるフットサル)デビュー」を果たした私だったが、そのデビュー戦で選んだクラス「エンジョイ」がことのほかレベルの高い者たちによる「偽エンジョイ勢の場」であったことから「案外敷居が高いぜフットサル」という感想を持ったことは、その時にも記事にして書いた。
あれから3か月が経過した今、意外にもほぼ週1ペースで「個サル」に参加し、一番緩いとされている「O-35クラス」と最初はあんなにキツかった「エンジョイクラス」とを行ったり来たりするくらいにはフィジカルもテクニカルも(ちょっと言ってみたかっただけ)戻ってきていて、ある日などは、デビュー戦でチンチンにされた「偽エンジョイ勢」を相手に、完膚なきまでにやっつけてしまうことすら出来るようになってきている。(チームとしてね、アタシひとりの力じゃないんすよ)
ただそうは言っても、理由は分からないけど腰が少々痛むときや、理由は分からないけど身体全体がだる~い感じの時なんかも50前のオッサンともなればデフォルト事項なわけで、そんな時は相変わらずチンチンにされながら120分を過ごすことになる。

それでもあのデビュー戦の時に比べれば、味方が今どこにいて、どんなプレーが得意なのか、相手で一番上手なのは誰なのか、相手の穴はどこか、、といった「戦術眼」も驚くほどに「回復」してきていて、周りが見えてきた分だけ、ストレスなんていう生意気なものまで感じるようになってしまっているのだ。
なので今回はそんな町のフットサルにおける「ストレスあるある」をぶちまけるとともに、どうしてそんなストレスフルなフットサル場になってしまっているのか、それを「マクロな視点」で分析してみたいと思う。
これを読まれている方の全てがサッカー経験者でないことは勿論承知しているし、そもそもフットサルなんてやったことねえ!という方も沢山おられるはずだが、実はこの「ストレスフルなフットサル」の核心部分には、そうした「サッカー未経験者」「フットサル未経験者」の皆様の日常を今よりも幸せなもの「ハピネスライフ®」に繋げていくヒントも隠されているので、是非とも飽きずにこのまま読み進めてほしい。(®は何となくつけてみただけで、何かに勧誘するつもりはございません)
フットサル ストレスあるある
町のフットサル場「ストレスあるある」
- 「エンジョイクラス」なのに全体にレベルが高すぎて初心者はほぼエンジョイ出来ない
- 「ビギナークラス」なのにエラシコ(セルジオ越後が考案したロナウジーニョの得意技)をかましてくる偽ビギナーがいる
- テクニックの高い人がゴール前でシュートチャンスなのに変なワザを披露して結局バックパスして攻撃を作り直す※
- とにかく足の速い人(大体若い)がボールを受けると全部単独ドリブルでシュートまでもっていってしまう※
- どうやら長い付き合いらしき常連が仲間内でしかパス回しをしない※
- キーパーになった途端、それまで大活躍してた人が明らかにやる気を見せてくれなくなる※
まあ、あんまり具体的に書くと生々しいので、この程度に収めておくが、恐らくここに箇条書きした内容について「あるあるある」と同意してくださる方も少なくないんじゃないだろうか。

そして6つ書いたうちの下の4つ(※がついている項目)についてあてはまる種族については、最近私の中で非常に端的に表す言葉を編みだした。
「フットサル〇ナニー野郎」だ。
私のようなサッカーしかやってこなかったようなオッサンは、どうしたってテクニックには劣る。だって、KAZUのシザースフェイントにキャーキャー言っていた世代なのだから、エラシコとかダブルタッチとか、もうそんなの曲芸にしか見えないのだ。
ただその分オッサンは「パス」への意識が非常に高い。特にフットサルのように狭いコートに5人も相手がいる状況であれば、無意識にボールを受ける前の時点でノートラップパスをしようと心がけがちだ。そしてオッサンはそのパスが効果的な攻撃へと繋がり、ゴールが決まったりした日には我がことのように喜ぶマインドも持っている。そんなオッサンたちのことはこう呼ぼう。
「フットサル〇ックス主義者」
具体的な例を挙げてみる。
「フットサルオ〇ニー野郎」たちは、ボールを受けるとまず足の裏を使ってボールを押し球したり引き球したり、軸足の後ろにボールを回したりして、マークする相手を翻弄(必ずしも抜こうとはしていないのがミソ)し、それで行き詰ったらやっと味方へのパスをする。そんなパスだから大抵は全然効果的じゃないし、周りからすればどのタイミングで「~野郎」がパスを出すのか予想がつきづらいので、「ボールのない時の動き!」と散々叩き込まれている「~主義者」なオッサンは何度も何度もポジションの取り直しに終始させられてしまう。
そして忘れてはいけないのがキーパーだ。フットサル語で言うと「ゴレイロ」。
これがねぇ、公平を期する為に順番にやる形になっているんだが、さっきまでボールをこねくり回して悦に入っていた「~野郎」に限って、腹立たしいほどにちゃんとやってくれない。
オッサンが一生懸命相手の攻撃を遅らせて、「よし!あとはキーパー頼んだ!」って気分になっているのに、手どころか足すらも出さないでただ立っているだけ。
「キーパーが好プレーを連発すると締まりのあるゲームになる」というのは学生時代にGKをやっていた亡き父の遺言でもあって、あれ?遺言じゃないな、生前よく言っていた言葉であってだな。オッサンはフットサルのキーパーがどんな守り方をしているのか、Fリーグの試合を見て少し学習したほどなんだぞ!
ビギナーに全然優しくない日本のスポーツ界

と、ここまでくると、若干のセッ〇スけいk…基、サッカー経験がないとご理解いただけないかも知れないが、「~野郎」と「~主義者」というパワーワードを敢えて使わせて頂いたので、ご自身の超プライベートなそういった経験を当てはめながらご理解いただけるとありがたい。
でもってだな、オッちゃんみたいに「昔サッカーやってた」みたいな人間は、そういうスポーツの理不尽さにも触れてきているから、何となくそういう状況を「受け入れる」ことも出来ようが、そうでない純粋培養な初心者の人にとってはどうだろう。
いや、これ下手したらトラウマになりまっせ?「フットサルED」になりかねんわ。
とまあれ、そんなパワーワードを使ってまで、私の今まさに実感している「フットサルあるある」を存分にぶちまけさせて頂いたが、ここからはじゃあ何故そんな「ストレスフル」な実態が町のフットサル場においてまでも存在してしまっているのか、これについてマクロ分析してみたい。(マクロって言いたかっただけです。はい)
恐らく、こうした実態は何も町のフットサル場に限った話ではないんだと私は思う。
つまり、あらゆるスポーツのビギナーと言われる人は、必ずこうした壁にぶち当たっているはずだ。
友人が突然おっかない教官に
皆さんもこういう経験があるんじゃないだろうか。

例えば初めてスキーに行ったとき、自分的には「何だったらソリでキャーって滑るんでもいいんだわ」とすら思っていたのに、一旦スキー板を履いた途端に、それまで優しかった友人が突然にしておっかないスキー教官に早変わりしてしまって、その日の朝、ゲレンデに着いたばかりであるにも関わらず、お昼ごろにはコブだらけの急斜面に無理やり連れていかれてしまったことが。
スキー教官の友人は、なんにせよあなたと一緒にスキーを楽しみたいと、その一心で全く悪気はないんだけど、まだ「何の為にこの2本の棒持つの?」レベルのあなたにとっては、コブだらけの急斜面なんて崖のようにすら見えていて「初スキーで死ぬのか。。。俺」となってしまっていたって不思議はない。
本当であれば下の方でソリにのってキャーキャー言っていたかったのに、大人だからってこんな所に連れてきやがって!死ね!説明しろ!謝れ!!お前なんぞ柏サポじゃねーわ!
はっきり言って、日本社会はスポーツの初心者に対して全然優しくない。いや、優しくないどころか、その存在すらも認めようとしていない節すら感じる。
ある意味で「~野郎」も被害者
本来であれば「ビギナークラス」のフットサルなんて、そのほとんどがその日初めてボールを蹴る人や、サッカー経験のない人ばかりが集まっていて、もうルールの説明から始めなくちゃならないくらい「カオス」なフットサルになっていてもいいわけで、そんな光景を想像して「いっちょやってみっか!」とやってきたビギナー参加者に対して、エラシコかますってもう意味不明じゃないですか。

でも実際に世の中を見渡してみれば、サッカーやフットサル経験者が人口の8割を占めているなんていうデータはどこにもないわけで、本来はビギナーこそがマジョリティなんですわ。
しかしながら、この社会ではスポーツを初心者がやることに理解がないから、挑戦してみようと思う人も当然少ない。
なんていうか、スポーツを「やる人」と「やらない人」が明確に線引きされているというか。
「やる人」であれば、上手じゃないとダメみたいな。そういう社会的ムード。
それが「フットサルオナ〇ー野郎」を大量に生み出し、日々ビギナークラスでエラシコかます偽ビギナーを生み出してしまっているわけです。
だから、ある意味で「フットサルオナニ〇野郎」もこの社会の被害者なんすよ。ビギナーと楽しくフットサルをする術を身につけないまま大きくなって死んでいくわけですから。
初めてゲレンデに来たスキー初心者とソリ滑りをエンジョイして、1杯1200円のカレーライスを美味しく食べる術を身につけないまま大きくなって死んでいくわけですから。
ビギナーがスポーツを出来ない環境は大損失
そして、このスポーツ初心者が楽しくスポーツ出来ない環境は、間違いなく日本のスポーツ界にとって大損失であるはずなのだ。

だって、サッカーやフットサル経験者なんて国民全体の数%しかいないのに、そこに初心者がもっと加わってくれば、その倍、3倍と市場規模は膨らみますし、間違いなく「するスポーツ」の環境改善が行われ、巡り巡ってJFLの選手だってサッカーだけでメシが食える世界になっていくかも知れない。
しょっちゅう議論になっているJリーグのスタジアム問題についてだって、社会的なニーズがあれば公金をぶち込む理由づけにいくらだってなるし、そのニーズって結局のところサッカー(スポーツ)と密接な日常をどれだけ沢山の人が送っているかって話でしょ。
おおお、、、
大風呂敷広げすぎたと少し不安もあったけど、何となく「マクロ分析」っぽくなったじゃん。
町のフットサルに対する提案
というわけで提案!
まず町のフットサルのカテゴリーについて。
やっぱり「ビギナークラス」くらいは入団テストあっていいんじゃないかと私は思う。
「リフティングが3回以下しか出来ない」とか「キックしてもノーバウンドでコート幅に達しない」とか「ドリブルのタイムトライアルが〇秒以上かかる」とか、いかにその人がビギナーであるのか「ボールは友達」になれていないのか、能力の高さではなく、低さを確認する入団テスト。
「え~マジで~リフティング1回も出来ないとか、神じゃん」みたいな評価のベクトルを真逆にしたテストをすることで、どんな初心者であっても挑戦してみるだけの意味は出てくる。(できっと、楽しくなれば絶対に上達するでしょう)
これでフットサルをしようとする人の間口(まぐち)を一気に大きくして「ビギナークラスにビギナーが集められない」なんて言う運営側のジレンマも解消していくはず。

そしてそこからあぶれてしまった「偽ビギナー」「偽エンジョイ勢」にも、ちゃんと新しい活躍の場を用意してあげるのです。
それが「フットサルオナ〇ー大会」だ。
とにかく時間内いっぱい、自らを慰めるフットサルをそこで思う存分やりきって欲しい。
とはいえ、やっぱり大元のフットサル人口を増やして(つまり初心者をどんどん受け入れて)いかないことには、それぞれのニーズをカテゴライズして成立させようと思っても現実的には難しいのだろう。
で、出来たら私のような古き良きサッカー経験者による「フットサルセック〇主義者」が楽しめるようなカテゴリーも誕生してくるといいのにな、なんて思いつつも、私らのことなんていいから、まずはとにかく初心者の方々が楽しくボールを蹴ることが出来る環境が、どこの地域にも出来ていくこと。これを最重要課題としてフットサル界隈の方々には一生懸命取り組んで欲しいと切に願うのである。