2018地域CL 1次ラウンド レポート②松江シティFCと「蹴球地獄絵図」

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松江にて「このオッサンどこで何してきたんだ?」

全くこんなことになるとは思っていなかった。

まさか旅先の松江で「ALL」してしまうとは。

しかも、酒は1滴も飲まず、口さみしさを紛らわせるツマミすら一口も口にしないまま。

22:00~翌朝9:00まで、ただただ日本サッカーの素晴らしき将来だけを語りつくした(レクチャーされた)11時間。

そのまま目と鼻の先にある宿へ戻ってシャワーを浴びて、初日に続いて宿の「チャリ」を借りて10時には試合会場へ。

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何事もなかったかのように涼しい顔をしているオットナー参謀長が、第1試合を戦う栃木ウーヴァの岸野テクニカルディレクターと立ち話しているのを横目に「このひと、マジでクレイジーだわ」と思ってしまったのは、これまでほとんど陽の目に触れることがなかったこのカテゴリーが、日本サッカーにとって実は欠かせない足腰であるという見方と、そこに注ぎ込む熱量に適正値なんて存在しないんだという、ワクワクとビクビクが入り混じるような、最高にエキサイティングな感情が湧いてきてしまっていたからだ。

なんて、こんな抽象的な書き方をしたところで、単なる自己満に過ぎないのかも知れないが、この地域CL開催中の今、しかもその開催地において、オットナー参謀長とシュウアケイレブンスタッフ、カリビアンレオくんの宿となった置屋を改装したみたいなおんぼろゲストハウスの10畳ほどの部屋に転がり込んで、日本サッカーにおける地域リーグというカテゴリーの重要性と、そこに秘められている限りない将来性について、突然の「集中講座」を受講出来たことは、それだけでもこの松江に来た甲斐があるものよ、と年甲斐もなく少々テンションとモチベーションが上がっちゃっているのである。

 

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と、ここまで書いたところで、「オットナー参謀長」とか「シュウアケイレブン」とか「カリビアンレオくん」とか、ご存知ない方にとっては、意味不明な固有名詞ばかりが羅列された文章を書いてしまって本当にモウシワケナイ!

ただ、ここで重要なのはこうした固有名詞が誰を指し、何を意味しているのかということではなくて、JFL昇格決定戦「全国地域サッカーチャンピオンズリーグ」という一般にはほとんど知られていない社会人サッカー大会が行われている地方の小さな町で、もうすぐ50になろうとしているオッサンたちが酒も飲まずにサッカーの話を夜を徹して延々し続けるといいう「蹴球地獄絵図」が展開されたという事実と、朝帰りした私の顔を

「このオッサン一体どこで何をしてきたんだ?」

と訝しげに見つめていた宿の受付のお兄さんに

「今日も自転車貸してください」

とお願いすることで、さらに彼の中での「謎」が深まっていく様子がアリアリと感じられたこと。この2つの厳然たる事実が、松江のフライデーナイトにあった。それを理解して頂ければ、とりあえずはOKなのである。

地域CL1次ラウンド(松江会場)戦評

というわけで、地域CL1次ラウンド2日目(松江会場)の戦評を少し。

第1試合 松江シティFC対栃木ウーヴァ(4-2)

第2試合 おこしやす京都FC対サウルコス福井(3-2)

ショッキングな松江シティFC

2日目の結果は、私にとって少しショッキングな気分を呼び起こさせてしまう内容でもあった。

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あの栃木ウーヴァが、、関東リーグを堂々たる成績で優勝したあの栃木ウーヴァが、、、松江シティに対して一時は4-0という「サッカー的にヤバイ」点差をつけられてしまうという、しかも、松江の若い衆にチンチンにされてしまったのだ。

確かに今大会の松江シティは誰もが認める強さを発揮しているし、1次ラウンドを地元開催出来るというアドバンテージがあったのも事実。

でも、あの宮内寛斗選手(背番号8)が4点目のゴールを決めた瞬間、スタンドで応援していた大勢の松江市民の方々の喝采の声が響いてくる中で、私自身はゴール裏で構えたファインダー越しに宮内選手が歓喜する姿を見て、戦慄が走るというか、ぞっとするというか、この事実をどう受け止めたらいいのか、その整理がつかない状況に陥ってしまった。

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いやね、これは何も「日頃関東リーグで見てきて、強いと感じていたチームがこんな負け方をするなんて」っていう理由だけからそうなってしまったのではなくて、ここでさっきの「蹴球地獄絵図」が再熱してくるわけですが、

松江シティが2勝目を確実なものへとした瞬間「明らかにJFLに昇格したら苦しくなっていくだろう」チームがJFL昇格をぐっと引き寄せたように感じてしまったわけです。

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もちろん、松江シティは「Jリーグ入り」を目標として打ち出しているチームだけど、特に大企業の支援を受けていない松江シティのようなクラブにとっては、この「Jリーグが目標」というワード自体がクラブのキラーワード、付加価値としても利用されているわけですよね。

ただ実際JFLという全国リーグに昇格したところで、所属選手たちの待遇が著しく向上するかどうかも怪しい。さらに言えばJFLからJ3に昇格することの難しさは、先人たちが身を以て教えてくれている。

で、仮にJ3に昇格出来たとしても、現状を見てくださいよ。観客1,000人とかザラですから。

「昇格することで存続が難しくなる」

これは何も松江シティFCだけに言えることじゃなくて、多分ほとんどの地域リーグクラブに同じことが言えて、この地域CL自体が「天国へ続く階段」のように見えながら、実際は「地獄の門」であるようにも感じられてしまって、そこへ物凄い勢いで突っ走っていくチームの姿が、少しだけ刹那にも見えてしまったわけですな。

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とは言うものの、この日の試合後記者会見で松江シティ田中孝司監督の言葉の中にもあったように「選手たちはそれぞれの夢に向かって必死に努力している」のであって、その異なる個性を融合させ、完成度の高いチームに育てていくことに監督は骨身を削って邁進されているわけで、そうしたチームの姿がサッカーファンや地元市民を強く惹きつけていくことには変わりないし、その集大成である地域CLのような大会が、多くの人の心を揺さぶっているのであって、それ自体に価値があることも理解はしているけれど、でもどうしても

「もしJFLに昇格したらこのチーム、ガラガラのスタジアムで試合する為に青森や仙台まで遠征することになるんだよなぁ、で松江でやる時だって、仮にHonda FCが来るとしても訴求力はどんだけあるんだろ」

なんて思ってしまう。

で、こうした「昇格することで存続が難しくなる」みたいな矛盾がクリアになっていかないことには、アンダーカテゴリーでプレーする「愛すべき」選手たちの価値も高まっていきにくいし、となれば当然ながら彼らがサッカーに集中したり、長くプレーできる環境も整っていかないって思っちゃったんですわ。

松江から移動してハムストリング攣る

いや、このテーマについては、今後も折に触れて書いていこうと思う。

だって、結構この部分、スッキリしない気持ちで見ている人も少なくないと思うんすよね。「JFLってどんなリーグなの?」っことも含めて。

ただ、勿論、引き続き地域CLについての記事は書いていくつもりです。でも1次ラウンドについての記事は今回でおしまい!何故なら、私はもう松江にはいないから!そう、2日目が終わった時点で移動して、また別の町に来ているのです。

さて、そろそろ締めようというところで、ハムストリングが思いっきり攣りました。痛ぇええええ~っ!!!

2018地域CL 1次ラウンド レポート①松江市営陸上競技場と別格だったひと。

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