松戸から松江へ。
「戸」と「江」しか違わない地名なのに、こんなに遠いとは思わなかった。
取り合えず岡山までは新幹線であっという間なんだけど、その先がね、「特急やくも」っていうそこそこ綺麗な鉄道に乗ること3時間弱。
新幹線の中では、PC開いて生意気に原稿を書いたりも出来たのだが、この「特急やくも」メチャクチャ揺れるじゃん。
ガタゴトガタゴト。性懲りもなくPC開いて先週末見られなかった松本山雅の試合をDAZNで視聴しようとするも、前半10分で少し気持ち悪くなってきたので、椅子を少しリクライニングさせ、一瞬だけ目を瞑ろうと思ったのが、一瞬では何とかならず、そのまましばしの仮眠。目が覚めたら米子くらいまで進んでいたので、結構長いこと眠っていたことになるが、開きっぱなしにしてたDAZNの松本山雅戦、もう画面真っ黒になって「くるくる」してたわ。
という訳で、自走する勇気も、飛行機を使うという知恵もない私は、ドアtoドア 7時間をかけて「全国地域サッカーチャンピオンズリーグ(以下地域CL)」1次ラウンドを見るために松江まで来てしまったのだ。
おい!Jリーグサポーターのみんな!
みんなは遠征で人が行かないような色んな街に行ったことがあるんだと思うけど、さすがに松江にサッカーを見に来たことはないだろ!
だって、島根県はJリーグがないもんな。鳥取や山口は行ったことがあっても松江はないだろ~~!!!
なかなか美しい城下町なんだぞ~!
と、威張る理由などミジンコほどもないのに、こんな煽りを入れてしまうのは、取っていた宿が完全な思い違いで個室ではなくドミトリーで、100%リラックス出来る空間をしばらくの間得ることが出来ないことに対するちょっとしたストレス解消だと思って許して頂きたい。
本来の私は、こんなことを自慢するような男ではない。
だって、こうやってサッカーを見るための旅をここんとこほぼ月イチペースで出来ていることに、感謝と恐縮を感じはしても、それを「来たことないだろ!」なんて言った時点で試合終了ですよ。ツミですよ。あの世いきですよ。
で、そんな私のポリシーや立場みたいな話はどうでも良くて、地域CLの話をしなくてはいけませぬな。
松江市営陸上競技場に「チャリで来た!」
まずは今大会の開催会場である松江市営陸上競技場についての話からさせていただこう。
この松江市営陸上競技場。JR松江駅からは車で約10分と割とアクセスのいい場所にあるのだが、今回私には車という足がない。そこでホテルが無料で貸し出してくれたママチャリに乗って行ってみることにした。
松江港や松江城といったこの町の観光スポットとは真逆の方向にママチャリを漕ぐこと約30分。少しだけ山裾を上ったところにある広大な運動公園の中に、この陸上競技場はなかなかの存在感で佇んでいる。
私が到着すると、既にそこには知った顔もチラホラ。
どの顔も一瞬驚きの表情を浮かべる。
「チャリ…ですか。。」
「そう。チャリで来た!」
・・・・・すまん。このセリフが書きたかっただけだ。
でも、「(松江市内のホテルからではあるものの)チャリで来た!」
OK。もう書かない。もう気が済んだ。大丈夫。
話を競技場に戻すと、この松江市営陸上競技場は、まさにこの大会で限りなく優勝の可能性が高いとみる向きも多い、松江シティFCのホームスタジアムで、もし今回彼らがJFL昇格を決めることが出来れば、来年からここでJFLの試合が定期的に行われることになる。
メインスタンドはまあまあ立派で、ゴール裏とバックスタンドは芝生席、ナイター設備なし、それでもJFLを開催するのには何の問題もない。J3も大丈夫。J2はダメだね。でも、そんなことはきっと島根県サッカー協会と島根県がいろいろ考えているはずですよ。
だって、相当ボロいんだもん。改修したくてたまらない地元の建設業者も、松江シティFCがドンドン強いチームになっていくのをギラついた瞳で見つめているはずだ。
とまあ、「相当ボロい」とか言っちゃったけど、このカテゴリーの全国大会をするのには、最適なスタジアムだと思ふよ。。。ちゃんとスタンドの下にはウォーミングアップスペースもあるし、記者会見スペースも、報道関係者の小部屋も、全社の「何でもかんでもテントで」に比べたらねえ、奥さん。
で、試合についても少し触れなくちゃいけませんな。
松江ラウンド初日戦評「誰が最も別格か?」
えーっと。
第1試合 松江シティFC対おこしやす京都AC(2-1)
第2試合 栃木ウーヴァFC対サウルコス福井(1-1)
以上。
いや、まずいな。これじゃ本当にコイツ松江まで行ってるのか?って不審がられてしまう。
じゃあ、少し戦評を
初日に見た2試合、4チームの出来だけを言えば、サウルコス福井が一番狙い通りの戦いが出来たんじゃないかと私は思う。
ただ、そう思う一方で、松江シティFCの勝負強さは全社で見た時のイメージそのままだなと感じたし、おこしやす京都ACの石田監督には、スタメンがハマらないと見るや即座に修正してくる勝負師としての感の良さを感じたし、栃木ウーヴァFCについては「やっぱりこの人たち上手いわ。色気すら感じるわ。」と「関東リーグ勢(自分のことね、私そう思ってるのよ)」として誇らしい気持ちにさせられたし、やはりこの舞台に出てくるチームはどこも強いなぁという、物凄く素直でピュアでクソつまらない感想を遠く松江までやってきたのにも関わらず抱いてしまって、ホントすみません。
というわけで、初日の結果を受けて数字上は有利なチームが出てきているのは事実だとしても、この4チームの対戦がこの先どんな展開を見せるのか「最初は晴れていたのに最後には結構激しい雨も降ってきた」松江ラウンド初日の天候のように、予想をするのは実に難しい。
でも、ただひとつ。これだけは間違いないだろうと思っていることがある。
サウルコス福井サポーターの女コールリーダー。
あの女性(ひと)の声、物凄い!
拡声器使ってるのかと思うくらい大きくて通る声。しかも90分間ほとんど休みなし。彼女だけは明らかに別格だった。
おこしやす京都のエリック・クミ選手や、栃木ウーヴァのデカモリシがどんなに「このカテゴリーでは別格」と言われようとも、あのコールリーダーだけは、もう既にブロードウェイレベルにあると思う。