【関東社会人サッカー大会】 南葛SCが福西崇史を先発起用したのに負けた理由

コミュサカ
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福西起用は失敗か成功か

失敗か成功かで言えば、間違いなく失敗であったんだと思う。

それもただの失敗ではない。大失敗だ。

関社の舞台に登場した福西崇史選手 フォトギャラリーはこちらから!

と言うのは、関東リーグ昇格のかかった関東社会人サッカー大会(以下 関社)における南葛SCの福西崇史選手起用についてである。

ただし、この「大失敗」は南葛SCにとってであって、この大会全体で見た時には「よくぞ!やってくれた!」と拍手喝采したい気持ちも私自身は僅かながら持っている。

限られたマニアの世界に現れた元W杯戦士

大体、この大会が一般のサッカーニュースでヘッドラインに登場することなど、恐らくこれまで一度たりとも無かったのだろうし、「清瀬内山サッカー場」という東京に住んでいる人ですらその存在を知らないような試合会場に観客が溢れるようなこともあり得なかっただろう。

小さいながらも清瀬内山のスタンドは一杯になった。フォトギャラリーはこちらから!

限られたマニアが「自分たちだけで通じる言語」を使って楽しんできた世界に、突如として「元W杯戦士」が現れたことで、その世界が部分的にでも「通訳のいらない世界」になったのだ。

都県リーグのチームがどんなに一生懸命プロモーションをしても、その世界に魅せられたファン・サポーターがどんなにその素晴らしさを訴えたとしても、「福西崇史がピッチに登場した」というたったひとつの事実があっただけで、何もかもを蹴散らしてしまうほどのパワーを持っている。

あの「あねご」まで登場。フォトギャラリーはこちらから!

勿論、そうであったとしても、間違いなく土曜日のサッカートップニュースはアントラーズがACL決勝第1戦で勝利したことや、FC琉球がJ3リーグで初優勝を遂げたことであって、それらに対して「南葛・福西」が敵うはずもないのだが、間違いなくこの土曜日、ネットを通じてでも、南葛SCのユニフォームを初めて見たサッカーファンはいたはずだし、そのうちの何割かは「与野蹴魂会ってイカしたチーム名だな」と思った可能性だってあるのだ。

だから私は、南葛SCがこの大会に臨むにあたって、10年ブランクのある選手を2戦続けて先発起用したことに対して「関社を舐めるな」とは思わないし(私にとってこれが初めての「関社」だからかも知れないが)参加チームの選手たちの多くも、おそらく心の奥底では「ありがとう」と思っていたような気がする。

燃える闘魂

特に今回、南葛SCと対戦した2つのチーム(与野蹴魂会、東邦チタニウム)のモチベーションはもの凄く高く、その姿はまさに「燃える闘魂」そのものであった。(元気ですかー!!バチン!)

与野蹴魂会の燃える闘魂は40歳の主将。フォトギャラリーはこちらから!

だってそりゃあそうでしょ。あの福西崇史が同じピッチ上にいるだけでも少し嬉しいのに、その福西が自分たちを倒そうとして向かってくるんだから、もうモチベーションが高いどころの話では無かったはずだ。

きっと、試合の前の晩は興奮してなかなか寝つけなかった選手もいたはずだし、明日の試合を脳内シュミレーションして「ふふ…」なんて思わず「思い出し笑い」ならぬ「思い浮かべ笑い」しちゃった選手もいただろう。

中には試合終了後に福西崇史とユニフォーム交換する想像までしちゃう選手までいたりして、「そのシーンを写真で抑えてくれるようなカメラマンちゃんといるかなぁ」なんて、妄想の上に妄想を重ねちゃう選手もいたかも知れない。

福西崇史を先発起用したのに負けた理由

と、決して「大歓迎」とまでは言わないものの、その出場動向が間違いなく大きな注目の対象となっていた南葛SCの福西崇史選手。

そんな彼を起用したことが、どうして南葛SCにとっては大失敗であったのか。

戦場。フォトギャラリーはこちらから!

それは勿論、彼らが今シーズンの大命題として掲げ続けてきた「関東リーグ昇格」という夢が果たせなかったという1点にその理由は尽きるのだが、それでは一般のサッカーニュースと何らスタンスが変わらないので、今シーズン、東京都1部リーグで戦う南葛SCの姿を大体半分くらいは見てきた経験をフルに活かして、福西崇史起用がどうして大失敗だったと思うのか、少しまとめてみたい。

「戦士」になりきれなかった福西選手

最初に思うのが、この「関社」という大会が、想像していた以上に「激烈な戦いの場」であったということ。

そこにある価値観は「勝利至上主義」以外の何ものでもなく、それだけに普段のリーグ戦とは明らかにテンションが違う。

しつこいチャージに報復カニばさみを見舞った福西選手。フォトギャラリーはこちらから!

 

そういう試合なので、近くで観ていると「気の強い選手」や「喧嘩好きな選手」のオーラに触れてしまいそうになり、こっちまで怒られそうで緊張してくるし、あの単なる人工芝のピッチが大袈裟ではなく「戦場」に見えてくるほどなのだ。

福西崇史選手は、その「戦場」にあって「戦士」になりきれていなかった。

いや「なりきれていなかった」というよりも「戦士に戻るのにはあまりに準備期間が短すぎた」と言ったほうが良いのかも知れない。

彼がプレー中に「違い」を見せる瞬間も何度かはあったが、接触プレーに関しては往年の姿を見せるまでの状態にはなかったように思う。(東邦チタニウム戦では相手の「挑発チャージ」にのってしまい「さわやかヤクザ」としての名に恥じない報復カニばさみで警告を受けるシーンがあった。ただ、2試合を通して彼が観客を沸かせることが出来たのはこの時だけだったようにも思う。)

福西選手の起用でリーグとは違う戦い方に

そしてもうひとつが、今大会の南葛SCは福西崇史選手を起用することで、もともと持っていたストロングポイントを放棄してしまっていたように見えてしまったこと。

東邦チタニウムは福西選手に自由を与えなかった。フォトギャラリーはこちらから!

福西崇史選手は1回戦の与野蹴魂会戦ではトップ下に近いポジションを、準々決勝の東邦チタニウム戦ではそれよりやや下がった位置でのゲームメーカーとしての役割を与えられていたが、そもそも今シーズンの南葛SCは、いわゆる「10番タイプ」の選手を据えて戦ってきていない。(翼くんの10番が欠番になっているとか、そういう意味じゃなく)

私のイメージの中での南葛SCの中盤は、カベッサの爆発的推進力と得点能力を活かすために、相手のボールを猟犬のように追い回しインターセプトし、奪ったボールを早いタイミングで前線へ預けるのが最大のミッションで、そうしたプレーを得意とする選手が中心にリーグ戦では起用されてきていた。

しかし今大会の南葛SCの布陣を見ていると、その役割のほとんどを屈強なブラジル人選手デイビッドソンに任せ、攻撃の起点となる役割に福西崇史選手と安田晃大選手の2枚を据えていた。

南葛SCの優れた「猟犬」東大樹選手(23番)フォトギャラリーはこちらから!

安田晃大選手は昨シーズンまでJ2愛媛FCで10番を背負っていた選手で、そんなバリバリのJリーガーが都リーグにやってくるということが今シーズンの開幕前に結構大きくニュースにもなったが、その安田晃大選手をしても、南葛SCで中盤のゲームメーカーとしてのポジションをしっかり確保するまでには至っていなかった。

このチームがそのクラブ名から与えるイメージとは大きく違って、非常に現実的で堅実な戦いをするチームだという印象を私は持っていたので、この大舞台に臨むにあたって「猟犬」を二頭もベンチに置くこの采配を2戦続けて選択したのには驚かされた。

実際に2戦とも後半の途中に福西崇史選手と交代出場した東大樹選手(背番号23)は、まさに南葛SCが誇る優れた「猟犬」タイプの選手で、特に準々決勝の東邦チタニウム戦においては、彼が入って以降ゲームの流れは劇的に変わったし、私が見慣れた南葛SCの強さがそこには間違いなく存在していた。

「ままならなさ」に頓着しないことが長続きの秘訣?

ともあれ、福西崇史選手とユニフォーム交換をする妄想に駆られていた選手であっても(注:私の勝手な想像)そのシーンをカメラマンにしっかり抑えて欲しいと思っていた選手であっても(注:私の勝手な想像)ピッチ上での90分間においては修羅の如く恐ろしい形相で立ち向かってくるわけで、南葛SCが選択した「福西崇史先発起用」というカードは、戦術的にも本人のコンディション的にもあまりにリスクの高い作戦であったように思う。

フォトギャラリーはこちらから!

ただ、甚だ「ここまで書いておきながらどの口が言うか!」ではあるのだが、こうした選手起用、采配、戦術などについて、それらがいつも「ままならない」のもサッカーであるように思う。

今大会の南葛SCに関しては、その登場人物が有名な人であることで、どうしてもそれが面白おかしく語られてしまいがちだが、このようなチーム事情はどのチームにも少なからず存在するものであるようにも思う。

そして、本当にここからは、甚だ「どの口が言うか!」になってしまうが、こういう「ままならなさ」に頓着し過ぎないことが、長くサッカーと付き合っていったり、長くチームを応援していく上での秘訣であるようにも思う。

「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」という言葉がある反面、「あばたもえくぼ」という言葉もある。

NHKでスマートにサッカー解説しているあの福西崇史が、関東社会人サッカー大会でさほど活躍出来なかったなんて、もの凄く人間味に溢れるエピソードではないか。

あぁ、ままならない。ままならない。

 

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