「スタジアムは戦場」浦和レッズのゴール裏は意図的に中学生の演奏を妨害したのか?

Jリーグ
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10月7日 ユアスタ「仙台×浦和戦」にて

Jリーグもいよいよその終盤戦に差しかかってきたことで、スタジアムを渦巻く感情の交差も徐々にヒートアップしてきているように思う。

J1で言えば、優勝争い、ACL出場権獲得、残留争いと、来季におけるクラブの立ち位置を決めるのも残り数試合の中で得られた結果次第。選手やチームが必死になって戦うのと同じように、各クラブのファン・サポーターの中には、まさに自らが戦場の最前線にいるような思いを持ってゴール裏へ馳せ参じている方も多いのだろう。

こうした時期的な背景が少なからず影響していたのかも知れないが、「ベガルタ仙台VS浦和レッズ戦」が行われたユアテックスタジアム仙台で、浦和レッズサポーターが起こした行動が議論の的となっている。

ベガルタ仙台は浦和レッズに抗議

ことの顛末はこうである。

キックオフ前の時間(正確には両チーム選手が試合前ウォーミングアップをする前の時間)に行われた【Softbank 東北絆CUP presents 復興ライブ】で、宮城県・塩釜一中の生徒たちの吹奏楽演奏に被せるようにして、ビジターゴール裏(浦和レッズサポーター)が応援チャントを大合唱していたというのだ。

これに対し、ホーム・ベガルタ仙台のファン・サポーターの多くが不快感をSNSなどで訴え、クラブ側も正式に浦和レッズに対して抗議をするまでに発展してしまった。

<ベガルタ>中学生の演奏中も大声で応援続ける 浦和に抗議

 仙台市のユアスタ仙台で7日に行われたJ1仙台-浦和戦の試合前、地元中学生がピッチで演奏を披露している最中に浦和サポーターが大声で応援を続ける一幕があった。仙台を運営するベガルタ仙台(仙台市)は浦和のクラブに抗議した。
演奏を披露していたのは塩釜一中(塩釜市)の生徒たち。ユアスタ仙台には今季最多の1万8276人が来場。多くの浦和サポーターも集まっていた。仙台の担当者は、抗議した理由について「応援する時間帯に制限はないが、子どもたちが一生懸命演奏している時にかぶせるのはいかがなものか」と話した。

河北新報10月8日付より引用

「中学生の演奏を妨害」両者の主張は

こうしてこの騒ぎがベガルタ仙台からの抗議という形で明確になっていったことで、ツイッター上ではこの浦和サポーターの行為についての是非を巡って論戦が繰り広げられている。

浦和サポーターの行為を「批難」している人たちの主張の多くは「Jリーグの試合前イベントで演奏するために練習・準備してきた中学生たちが気の毒」といったもので、実際にその場でこの状況に遭遇したベガルタサポーターがその不快感をすぐにツイッターにあげていたことからも、ホームゴール裏が「演奏している中学生たちが可哀そう、気の毒」というムードに包まれていたであろうことが予想できる。

それに対して浦和サポーターを中心とした「擁護派」の主張は「スタジアムイベントを入れる時間帯も含めてベガルタの運営側の落ち度である」といったものや「そもそもスタジアムは戦いの場であり、サポーターはチームを応援しにきているのであって中学生の演奏を聴きにきているのではない」といったものまで、浦和ゴール裏が演奏を妨害する意図を持っていたか否かは別にしても、「こうした事態になるのは避けられないことなのだ」とする意見がほとんどで、議論としては互いが全く相容れない様相を呈してしまっている。

郷に入れば郷に従えとは思わない

私は件の議論について「郷に入れば郷に従え」的なことを言うつもりはない。

ホーム&アウェーにおけるアウェーチームは、遠方からやってきてくれた客人でもあるわけで、彼らに対して出来る限りのもてなしをする心意気こそが、Jリーグの素晴らしい慣習でもあるのは多くのJリーグファン・サポーターの方にも十分理解していただけることであろう。

そんな客人の振る舞いに対して「抗議」という意思表示をせざる得なかったベガルタ仙台側の姿勢にも若干のやるせなさを感じてしまうが、今回の件について、浦和ゴール裏に中学生の演奏を妨害する意図が全く「なかった」のであれば、結果的に応援チャントで演奏をかき消してしまった浦和サポーターこそが無粋の極みであるようにも思う。

「戦いの場だから」「俺たちは応援しにきているから」という理由で、『そのムード作りやテンションを削ぐような地元中学生の演奏を意識的に消し去ってやる!』

こういうポリシーがそこに明確にあったとしても、浦和サポーターの主張が万人の賛同を得ることは難しいのは明らかであるが、それでも好きか嫌いかは別にして「筋は通っている」という受け取り方を出来なくはない。

しかし、今回の彼らの行動が演奏を妨害することを目的としていたのではなく、「自分たちの応援のルーティンを崩さない為」「演奏イベントがそのタイミングで入ってくることを認識していなかった」という理由で為されてしまったのであれば、そこに存在していたのが単に「無粋なリーダーとそれを盲信する集団」であったと言っているようなものだ。

ゴール裏は常に「生きたモノ」であって欲しい

欧州サッカーに魅せられ、Jリーグを卑下している人々、いわゆる海外サッカーファンがJリーグのゴール裏を評して「試合中ずっと念仏のように唱えられているチャント」といった指摘をすることがある。

確かに、例えばプレミアリーグのスタジアムで聴こえてくるチャントの多くは自然発生的なもので、Jリーグで見られる光景とは大きく異なっている。

しかし、私自身ゴール裏でチャントを叫ぶことの楽しさは、日常の社会生活の中にあっては得難いものであると思っているし、沢山のサポーターが一緒になって声援を送る(唄う)ことが、時にチームを逞しい集団へと昇華させ、スタジアムを華やかな空間にするエネルギーを持っていることも知っているので、それを「念仏のよう」などと指摘されてしまうのは心外だ。

ただ、そう思う一方で、ゴール裏の応援は常に「生きたモノ」であって欲しいとも思っている。

決まったタイミング、決まった順番、決まったパターンで声を合わせる快感は否定しない、しかしそればかりでは人間の声ではなく録音した音源をスタジアムの音響設備を使って流すことでも十分事足りてしまう。

サッカーの試合が「生きもの」で、その一瞬一瞬が選手たちによる判断の連続であるように、ゴール裏も「絶妙で粋」な判断が繰り返される空間であって欲しいし、それによってJリーグのスタジアムのムードは格段に上がって行くと思うのだ。

今回、ユアスタで浦和のゴール裏が取った行動は「中学生の演奏をかき消してやる!」にしても中途半端だし、そうでなかったとしたならば「生きもの」としての応援行為にもなりきれていない「無粋」な行動と批難されても仕方のないものであったのだろう。

サッカーが天候や対戦相手の特徴、ピッチコンディションや試合ごとのミッションなどによって、臨機応変に戦い方を変えながら挑んでいくスポーツであるように、それを応援するサポーターたちも様々な状況に対して臨機応変に対応をすることを楽しんでしまうような、そんな胆力があって欲しいと思うのは、現実を甘く見ている夢想家の無いものねだりなのだろうか。

 

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日頃あまり人の目に触れることの多くない下位カテゴリーの試合画像を中心に、私が試合会場などで撮影した画像をまとめたPHOTO GALLERYです。

 

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2017年9月から、私が開設しているブログがあります。

ブログタイトルは「ラーテル46.net」

こちらのブログでは主に、私が最近妙に熱心に応援し始めた「柏レイソル」についての内容を多く記事にしています。

 

 

 

 

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