全国社会人サッカー選手権大会(全社)飛び級昇格は無くなった!でも…

コミュサカ
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「全社」それは考えるだけで足腰がキリキリしてくるような大会

10月に茨城で開催される全国社会人サッカー選手権大会(全社)トーナメントの組合せが8月14日に発表された。

▽公式サイトリンク

全国に9つある地域サッカー(北海道、東北、関東、北信越、東海、関西、中国、四国、九州)を代表する32チームによって争われるこの大会は、翌月11月に開催される地域チャンピオンズリーグ(地域CL)出場権をかけた大会でもあり、また、決勝戦まで勝ち上がれば、間を置かずに5日間連続での戦いを強いられる過酷な大会としても認知されている。

私自身、この全社を知ったのは一昨年のことで、その時に受けた最大の衝撃は「5日連戦」という一般的なサッカーの常識からは考えられないようなその大会日程についてであった。

関東代表 VONDS市原

今にして思えば、サッカー選手が本業ではない社会人サッカー選手も多く出場するこの大会が、彼らが日頃ほぼ対戦することのない相手と真剣勝負を行えるこの大会が持つ意義の大きさとともに、彼らの日常生活への影響を最小限に抑えること、そして決して潤沢とは言い難い(むしろひっ迫していると言った方が正しいか)参加チームの経済的負担を考慮した上で、こうしたミニマム日程が設定されていることには一定の理解をしているものの、それでも「1ウィーク1ゲーム」がベーシックとされているサッカーという競技を5日間続けて戦うという事実を思うたびに、選手の身体面における負担を想像しては、自分の足腰がキリキリと傷んでくるような感覚に陥ってしまう。

「全社」それはほとんど認識されていない「由緒ある大会」

関東代表 栃木ウーヴァ

ともあれ、この全社という過酷でありながら、社会人サッカー選手にとっての一大目標となっている大会は、1965年に行われた第1回大会以来、第54回となる今大会に至るまで、半世紀以上の歴史を持つ由緒ある大会であり、Jリーグ参入への登竜門としての側面を持つようになってからは、数々のドラマも生み出している。

とは言うものの、多くのサッカーファンにとってこの全社という大会は、ほとんど認識されていない。

強いて言えば、自分の応援するクラブが「全社を経てJリーグ参入を果たした」クラブであれば、多少なりとも当時の記憶を持ったファン・サポーターもいるのだろうが、仮にそうであってもJリーグ参入以降にそのクラブを応援しはじめた人々にとっては、全社という舞台がもはや「再体験する可能性のない場所」にあるわけで、古参サポーターの昔話に出てくる「おとぎ話」のような存在であるのかも知れない。

かくいう私も大会の存在を知ったのが一昨年で、大会の行方をリアルタイムで眺めていたのが昨年であり、これまでに実際に全社を現地観戦した経験はない。

それだけに、今大会に対しての興味は、単に「社会人サッカーの全国大会」という意味を越えて、そこで戦うチーム、選手たち、そして彼らを応援するサポーターの姿がどんな様相となっていくのか、つまり全社の「空気感」をどれだけ感じ取ることが出来るか、どうしてもそうした部分に向いてしまう。

大きな話題となっているレギュレーション変更

私のように全社を初めて観戦する可能性のある方、あるいはこの記事を読んで全社を知った方の為にも、今大会の全社で採用されるレギュレーションの中でも最も大きく話題になった要項について触れていきたい。

地域CL出場権は?

ジョイフル本田つくばFCは開催県枠で出場

先にも触れたが、全社はその翌月に行われる地域CL出場権をかけた大会でもあり、それに関して具体的には以下のような条件が設けられている。

・上位3チームには全国地域サッカーチャンピオンズリーグ(地域CL)の出場権が与えられるが、これらのチームがすでに地域CLへの出場権を獲得済みの場合、4位チームまで出場権が繰り下げられる。

地域CLは文字通り地域リーグのチャンピオンによる大会でもあるので、各地域リーグで優勝したチームには自動的に出場権が付与される。(各地域リーグは全社が開催される10月中旬以前にリーグ日程を終了するので、全社が行われている時点で既に各地域リーグの優勝チームは決定していることになる)そして9つの地域リーグ優勝チーム以外に3枠を全社上位3チームに与えられる可能性があり、この条件が言わんとするところは、最低でも1チームは全社で地域CL出場チームを決定するということだ。

言い方を変えれば、全社上位3チームに地域リーグ優勝チームがひとつも入らなければ、そのまま3チームが地域CLの出場権を得ることが出来るが、上位3チームのいずれもが地域リーグ優勝チームであった場合は、4位のチームだけが地域CL出場権を得ることになる。

削ぎ落された「J参入への登竜門」としての側面

東京23FCを破って出場するエスペランサSCは関東2部所属 仮に全社で優勝しても地域CLへの出場権は得られない

ただし、ここまではあくまでも前回大会までの条件に則った考え方で、実は今大会ではこの条件に加えて以下のような条件が新たに設けられた。

但し、上記の成績でチャンピオンズリーグ出場権を得る事の出来るチームは、各地域サッカー最上位リーグの成績が2位、3位のチームで、且つJFLへ入会を希望するチームに限るものとする。

これは厳密に言うと、地域CLの参加チーム条件の変更に伴った条件追加である。

そして、この条件変更によって、全社の「Jリーグ参入への登竜門」という側面は、かなり削ぎ落された印象を覚える。

と言うと、いわゆる「飛び級昇格」が不可能になったことに注目がいきがちだが、私はそもそもこの条件が「飛び級昇格」を阻止する為に策定されたものだと感じている。

「飛び級昇格阻止」そのこころ

関東リーグを3位以内でフィニッシュすれば、TOKYO UNITEDにも地域CL出場の可能性が…

私は日本サッカー協会がこう言っているように思う。

『JFL昇格、Jリーグ参入を目標とするチームであれば、全社や地域CLといった過酷な大会であっても、涼しい顔で勝ち上がるだけの「チーム力」「クラブ力」を持っていて欲しい』

極端な言い方をすれば、例え5日連続で戦うのであっても、チームに50人の優れた選手がいれば日替わりで戦うことも可能であって(全社はチームに登録された選手であれば原則的に出場可能)それだけの選手を抱える為には当然ながら資金力や運営能力も必要となってくる。

つまり、「一時の「勢い」や「運」だけではJFLやJリーグという舞台に立つことは出来ませんよ」と日本サッカー協会がその方針を示しているのだと私には思えてしまうのだ。

勿論、こうした考え方を「つまらない現実主義」と思う自分もいるし、下位リーグ所属のチームによる痛快な「飛び級昇格」が見られないのには、若干の物足りなさも感じてしまうが、日本のサッカー界全体のことを思えば、「一瞬の快感」よりも「継続的な平穏」が望ましいのは当然のことでもあろう。

全社の魅力を言語化する必要性

ただ、私はこの「飛び級昇格阻止」によって、全社の魅力が決して色あせることは無いようにも思う。

ただ、単に「飛び級昇格」以外の魅力が、まだ十分には「言語化」されていないようには思う。

私自身、こうして言葉によってサッカーの魅力を伝えていく場を開いている以上、今大会の全社を通して、そこにある数々の魅力をどれだけ言葉にして伝えていくことが出来るか、伝えるべき出来事に遭遇出来るのか、今から非常に楽しみにしている。

 

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首都圏、関東圏を中心にJリーグから都県リーグまでの試合日程を記したカレンダーを作成しました。是非とも現地観戦のご参考に!

2017年9月から、私が開設しているブログがあります。

ブログタイトルは「ラーテル46.net」

こちらのブログでは主に、私が最近妙に熱心に応援し始めた「柏レイソル」についての内容を多く記事にしています。

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