サッカーチームとクラブグッズの関係性 関東サッカーリーグの場合

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例えば我が家の場合

例えば我が家の場合、無意識のうちに「黄色いもの」が家の中に増えていく。

これはJリーグサポーターに限った話ではないと思うが、応援する対象(スポーツチームは勿論、アイドルやアーティスト、アニメなどもそうかも知れない)にまつわるアイテムを手元に置いておきたい気持ちになるのは、あって当然のファン心理なのだろう。

私の周辺を見回してみると、特にそうした傾向は女性により顕著に現れているような気がする。(私の妻は日立台に行くたびに、レイソルグッズの新商品をチェックしている)

一度もトリノへ行ったことがなくても

ホームゲームでクラブグッズを販売する東京23FCの選手たち

そして、そうしたアイテムを手元に置くことで、ファンはさらにその「応援する対象」への気持ちを深めていくように思う。

Jリーグの場合で考えてみると、初めて試合観戦に行った日に「タオマフ」を手に入れ、次に来た時には「Tシャツ」を そして3回目ともなればいよいよ高額な「レプリカユニフォーム」を購入する決心をし、その関門を越えれば、後は湯水のごとくクラブグッズに手を出していく。

また、そこまでの思い入れはなくとも、ユベントスの2018シーズンユニフォームがカッコいいと思えば、一度もトリノへ行ったことがない人であっても、オンラインでそれを簡単に手に入れることは出来るし、そのユベントスのカッコいいユニフォームを身につけてしまえば、今度はあの「前衛的」なクラブロゴがあしらわれたステッカーをパソコンに貼りたくなり、はたまた新車購入に際しては、JEEPがその有力候補に躍り出てしまうかも知れない。こうなってしまえば、彼も立派なユベンティーノ。仮に彼が死ぬまでユベントスの試合をスタジアムで観戦することがなかったとしても、彼のことをユベントスファンと呼べない理由はないだろう。

こう考えると、サッカーチームのグッズには、既存のファンを更に固定化していく作用と、そうではない(スタジアムで熱心に応援をするファンとは異なる)新たなファン層を獲得する作用との二面性があることに気づく。

関東サッカーリーグのグッズ展開一覧

栃木ウーヴァのグッズアイテム数は規格外 レオジーニョが被っているブルーのアフロヘアも売り物

今季の関東サッカーリーグは、その群雄割拠な様と個性的な顔ぶれから「地獄の関東リーグ」と称されているが、ここまでに書いてきたチームグッズに対する取り組みについても、実に様々だ。

クラブの公式サイト経由においての情報に限定するが「オンラインショップの有無」「展開グッズ内容」「購入時の決済方法」についてまとめてみると、以下の表の通りとなる。

栃木ウーヴァのようにJクラブと遜色のないレベルでグッズ展開しているクラブもあれば、全くそういったグッズを展開していないクラブもある。

大学クラブである流経大FCや、社会人サッカーの星とも言える横浜猛蹴で一切のグッズ展開をしていないのは合点がいくにしても、昨シーズンまでJFLに所属していたブリオベッカ浦安がグッズ展開を全くしていないのには少々驚いたが、この表の中で「オンラインショップ無し」となっているクラブの中にも、ヴェルフェたかはら那須のように会員限定でTシャツやタオルなどグッズを特典として用意しているクラブもあった。

ジョイフル本田つくばFCはアウェイ戦でもグッズ販売ブースを設置していることが多い

また、東京23FCについては、公式サイト上ではレプリカユニフォームの販売についてだけしか案内されていないが、江戸川区陸上競技場でのホームゲームではグッズ販売ブースを設置し、Tシャツやタオマフなどかなり充実したラインナップが用意され、選手たちが売り子になって頑張っていた。(私も思わずTシャツを購入してしまった!)

また、オンライン購入の際の決済方法についても、クレジット決済が出来るのは栃木ウーヴァ、ジョイフル本田つくばFC、TOKYO UNITED FCの3クラブだけで、他は基本的に銀行振込が中心。誰しも経験のある「思わずポチっと」が起きにくい環境下でのグッズ展開では、少なからず販売実績にも影響を及ぼしていることだろう。

「F.C.Real Bristol」ばりのサッカーチーム

 

ファッションの世界では「F.C.Real Bristol」のように、実体のないサッカークラブのグッズ(主にアパレル)が高額でありながらも、人気ブランドとしての地位をすっかり確立している(若くお洒落なJリーガーの御用達?)

ある意味でチームの強さや知名度、所属するカテゴリーなどに囚われずとも、サッカーアパレルが持つ潜在的なポテンシャルの高さをこのF.C.Real Bristolが示していると言うことも出来る。

グッズを幅広く展開することは、つまりそれだけのリスクを背負うこととなってしまっているのは、デザイン自体に問題があるのかも知れないし、もしかしたらクレジット決済出来ないからであるのかも知れない。

VONDS市原のグッズ販売コーナー ゼットエー・オリプリスタジアムにて

これはJクラブにも同様のことが言えるが、販売する側がグッズの想定購入者を決めつけてしまってはいないだろうか。

ファンやサポーターであっても、決して「恩情」でグッズ購入をしているのではなく、率直に「欲しい」「手元に置いておきたい」と思うから購入しているのだ。

そして、購入者がファンやサポーターでなければ尚のこと、そのグッズ自体の商品的魅力や、決済などの手軽さが大きなカギとなってくるはず。

数多ある日本のサッカーチームの中から、グッズ販売だけで経営が成立してしまうようなチームが出現してくれば、そのチームがどんなカテゴリーに所属していようとも、潜在ファン・サポーターの最も多い、日本一のサッカーチームと呼ぶことだって出来るかも知れない。

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