「信州松本Football」NACK5でアルウィンを疑似体験しようとした話

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アルウィンへ帰りたい

J1リーグが中断期間にあった6月に、松本山雅のホームスタジアム「アルウィン」で感じた「サッカーの愛されている空間」。

松本の中心からアルウィンへと続く長閑な道中で、緑色のレプリカユニフォームを身につけた山雅サポーターが、子どもから老人に至るまで自転車を必死に漕いでいる姿。

アルウィンのある松本平広域公園へ到着すれば、そこはまさに「緑の祭り」の様相を呈し、キックオフ1時間前にもなればゴール裏は大勢の熱心なサポーターで立錐の余地がないほどに埋まる。

そしてそこから響いてくる数々のチャントが、彼らが松本山雅というサッカーチーム対して、もっとに言えば「フットボール」というこのスポーツに対しての「愛の賛歌」であることを強く感じた。

初めてアルウィンへ行った次の日には「アルウィンへ帰りたい」となった理由

そうだ山雅の関東遠征試合を観戦しに行こう

しかしながら、あのアルウィンでの体験を再び感じようにも、松本は決して近くはない。そこで思いついたのが松本山雅の関東遠征試合を観戦しに行くことだった。

その時点で直近の関東遠征は7月25日の大宮アルディージャ戦と、8月4日のジェフ千葉戦の2試合。それぞれの試合のチケット販売が開始されると、私は迷わず「ビジター席」のチケットを購入。

ただ、初回のアルディージャ戦については、まだゴール裏に入り込む気持ちまでは作ることが出来ず、バックスタンドの指定ビジター席で松本山雅を堪能することにした。

チャントとレプリカユニフォーム

この日に向けて私が準備したのは、松本山雅サポーターによるチャントを覚えることと、チームのレプリカユニフォームを入手すること。(タオルマフラーはアルウィンに行った時に購入して既に持っている)

サポーターチャントについては、Youtubeにも沢山アップロードされていて、私自身そうした動画を視聴するのは好きだったが、今回は歌詞を覚えるという目標を持ってそこに挑んだので、元になる動画もなるべく最近のものを探してみることに。すると、私が6月に観戦したアルウィンでの対栃木SC戦のゴール裏チャント集が歌詞字幕付きでアップロードされているのを見つけ、しばらくの間は私の作業用BGMは山雅チャントとなっていた。

こうして改めて歌詞を確認しながらチャントを聞いていると、自分が聞き違えで覚えてしまっていた個所なども多く、人間の思い込みの激しさを改めて実感したのだが、それにしても松本山雅のチャントは魅力的な曲が多い。

中でも私が好きなのは「信州松本Football」と「信濃の国」の2つで、「信濃の国」についてはホームゲームでしか歌われていないのかアウェイのNACK5で聞くことは出来なかったが、「信州松本Football」については、ゲーム中も含めて何度も聞き歌うことが出来た。

このチャントの好きなところはその歌詞だ。

「今日もひとつになって 追い求めろ俺らと 信州松本のFootballを 行け山雅」

「信州松本のFootballを追い求める」この底知れぬ探求心が感じられる歌詞と、山雅の反町監督のキャラクターが私の中で非常にフィットしているし、松本という「学都」のイメージにもこのチャントが与える印象はしっくりくる。また、前奏部分の軽快なドラムリズムが鳴り始めると、ゴール裏サポーターのワクワクが感じられる点も好きなところだ。

歌っていて楽しい気分になれるチャントの代表曲に推したいくらいに、私の心をこのチャントはガッチリと掴んでしまった。

他にも素晴らしいチャントは沢山あり、そのどれもが非常にメロディアスで歌詞もどこか洒落ている。これは完全に推測だが、松本山雅サポーターの中に相当音楽的才能の高い人材がいるのではないだろうか。

そんな素晴らしいチャントを聞きに行くだけでも、松本山雅の試合を観戦しに行く価値は十分にあると私は思っているし、実際彼らの歌声はかなり多くのサポーターをスタジアムへと呼び込んでいるはずだ。

2016シーズンのレプリカユニフォーム購入

チャントを覚えることと共に、私がこの試合に向けて準備したのは松本山雅のレプリカユニフォーム。

もうこうなってくると、完全に山雅サポーターになりかけていると言われても文句は言えないが、それであっても私は最新の山雅ユニフォーム(2018シーズン)に手を出すことは止めた。

良く言われていることだが、Jリーグのレプリカユニフォームは決して安くない。

ヨーロッパの強豪クラブのレプリカユニフォームが10,000円代で購入出来るのに対して、Jリーグのレプリカユニフォームは14,000円ほど。背番号や選手のネームなどを入れればすぐに18,000円くらいにはなってしまう。

さすがに「松本山雅を体感したい」だけで18,000円の出費は痛い。

ヤフオクやメルカリにそれらしいものの出品がされていないか、何度か確認してみたが、子供用だったり、異常に大きなサイズだったり、いくらなんでもというレベルで「劣化」が推測出来るものだったりで、なかなかコレと言うものは見つからない。

そこで結局は、型落ちのレプリカユニフォームを購入することにした。

2016シーズンのものはまだサイズも結構残っているし、値段も9,000円以下まで落ちている。これなら許容範囲だろうと自分を納得させ、松本にある取扱店に注文したものの、動き出しが遅くなってしまったため、残念ながら7月25日の大宮戦には間に合わせることが出来なかった。

ただ、8月4日のジェフ戦には確実に間に合うし、NACK5の山雅サポーターはバックスタンドのビジター席であっても、8割くらいの人がレプリカユニフォームを着用していたので、今度こそは緑色のユニフォームを身につけてスタジアムへ行くつもりだ。

ゴール裏とチームが一体になって闘う姿

チャントを聞き歌うだけでも、もう十分に松本山雅を堪能出来ていた私だったが、この日の松本山雅は、シーズンに1度あるかないかくらいの劇的な逆転勝利を集まった者たちにプレゼントしてくれた。

前半に退場者を1人出し、その直後に失点、防戦一方になりがちな試合展開の中で、後半にPKとカウンターで2点を獲り見事試合をひっくり返し、試合終了間際まで続いた大宮の猛攻を耐え、混沌とするJ2リーグの首位をしっかりとキープ。

何しろこの日の山雅イレブンは自信に満ち溢れていた。10人で戦う時間帯が長く、終始押し込まれる展開でありながら、選手ひとりひとりがひたむきに役割に徹しつつも「俺たちが負けるわけがない」と言わんばかりに堂々とプレーしていた。

選手たちの気持ちはゴール裏サポーターにも十分伝わっていたし、ゴール裏に少しでも弱気が感じられれば、むしろ選手の方から両手を大きく降るジェスチャーでハッパをかけてくる。

ゴール裏とチームとが一体になって闘う姿。

試合を終えた選手たちは、まるで共に戦った戦友を労うかのような表情で、ゴール裏へ歩み寄った。その「戦友」の中には涙を流して選手たちを見つめているサポーターまでいる。

猛暑の中休みとも言うべき少し涼しい満月の夜に、「アルウィンを疑似体感」しようと思っていた私は、またしても松本山雅というチームにサッカーの素晴らしい姿を見せつけられてしまった。

次に行くときはフクアリのゴール裏。

「歌い飛び跳ね」なくては。

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