いよいよ決勝トーナメント
W杯ロシア大会もグループステージ全試合の日程が終了し、いよいよここからはノックダウン方式の決勝トーナメントに突入する。
2大会ぶり3度目の決勝トーナメント進出を決めた日本代表については「肉を斬らせて骨を断つ」戦法を取った。
決勝トーナメント進出にこだわったその戦い方に様々な意見が飛び交っているが、この先も日本代表のロシアでの戦いは続いていくのであって、その道中にある時点で、彼らの取った決断に最終評価を下してしまわない方が賢明だろう。

何しろ、このロシア大会はグループステージの段階から既に様々なドラマを生み出し、見る人を驚愕させ、歓喜させ、時には哀しみの淵へと沈ませてきたのだ。
大会開幕前、日本代表に対して「応援しない」「勝つべきではない」と言っていた人たちも、コロンビアに勝利し、セネガルと激闘の末引き分けたあたりから、一気に変節していったように感じる。
「勝負は試合終了まで分からない」「勝負は時の運」
まさにこうした言葉はスポーツの真理をつくものであって、結果が見える予定調和なW杯であれば、何も面白いことはないのだ。
と、眉間にシワを寄せながら、煙ったいことを書くのはこれくらいにして、今回はグループステージを終えた段階で特に印象に残っているW杯トピックスを5つ挙げていきたい。
もちろん、完全に私の独断だけでピックアップしているので、あまり深く考えずに読んでいただけるとありがたい。
W杯ロシア大会 中間トピックス(グループステージ終了時点)

1 NHKスマホアプリ「NHK FIFA ワールドカップ」の衝撃
これについては、このブログの中でも一本の記事にして触れたが、大会開幕と同時にその全貌が明らかになったこのスマホアプリの備えるコンテンツが革新的だと大きく話題にもなった。
特に試合の中継映像の視野をユーザーが自由に切り替えることが出来る「マルチアングル」については、画面を通してのサッカー観戦の価値を著しく向上させるものであったと言っていいだろう。
2 開催国ロシアが躍動
今大会参加国の中で最もFIFAランクの低かった開催国ロシアが、開幕戦でサウジアラビアを5-0で粉砕したあとも、勢いそのままに順調な戦いを見せ、見事決勝トーナメントに駒を進めた。
決勝トーナメント1回戦で対戦するスペインも、波に乗る開催国との戦いで間違いなく難しい試合を強いられるだろう。
3 VARの導入で試合は面白くなった?
W杯では初めてVAR(ビデオ・アシスタント・レフリー)が導入されたことで、今大会は史上最もPK判定の多い大会となっている。
VARで判定出来る範囲は(ゴール判定、PK判定、一発退場、選手への処分)の4項目に限定され、主審とVARとのコミュニケーションもスムーズに行われているので、当初想像していたようなストレスはほとんど感じない。
むしろこれまでは「誤審」となっていたような微妙なジャッジがほぼ一掃されたので、ゲーム後にレフリーのジャッジに対する是非がメイントピックスになってしまうような事態も回避できている。
4 前回優勝国ドイツのグループリーグ敗退
FIFAランク1位。前回のブラジル大会で圧倒的な強さを見せつけて優勝した絶対王者が、まさかのグループリーグ敗退という憂き目に合ったことは、世界中のサッカーファンも大いに驚かせた。
ブラジルやアルゼンチンについても非常に厳しいグループステージでの戦いを強いられたことからも、優勝候補チームたりとも1試合として気の抜けない大会であることを痛感させられた。
5 アジア勢の奮闘
結果的にベスト16に残ることが出来たのは日本代表だけになってしまったものの、グループステージにおけるアジア勢の奮闘には目を見張るものがあった。
オーストラリア以外のチーム(日本、韓国、サウジ、イラン)は勝利を挙げることに成功し、前回ブラジル大会で1勝も挙げられなかったアジア勢の面目を完全に躍如したと言える。
試合結果のみならずその試合内容についても、アジア勢が欧州や南米のチームにとって必ずしも「イージー」な相手ではないことを証明するに十分なものであった。
グループステージが波乱含みになっていった大要因として、このアジア勢の奮闘は無視できない要素だろう。
番外 妙な安心感 岡野雅行の解説
W杯ならではとでも言おうか、日頃Jリーグ中継などでは解説をしていないサッカー関係者が多く解説者として起用されているが、その中で特筆して安心感を覚えてしまったのが、あの「野人」岡野雅行による解説だ。
野人は難しいサッカー専門用語も使わないし、高度な戦術について触れることもしない。しかしその言葉の端々から妙な安心感を覚えてしまう。何というか「人間愛」のようなものを感じるのだ。
これがJリーグ中継であれば多少の苛立ちも覚えてしまいそうだが、W杯だとむしろ心地よくすら思えてきてしまう。
是非そのままロシアに残って決勝トーナメントでもバンバン解説をして頂きたい。
きっとこの先にもっと大きなトピックスが待っている
以上、番外を含めて6つのトピックスを挙げてみたが、これはあくまでもこれから始まる激闘を前にした段階でのトピックスである。
きっとここに挙げたトピックスを凌駕するような出来事が、この先の決勝トーナメントにも待っていると思う。
そして、それを当事国という立場で堪能できる幸せを思い切り満喫していきたい。
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