【日本代表が決勝T進出!】常人の想像を超える胆力 西野監督 2つのギャンブル

W杯ロシア大会

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薄氷の勝利

薄氷の勝利とはまさにこのこと。

日本代表はグループリーグ最終戦のポーランド戦に0-1と敗れたものの、同時刻に行われていたグループリーグ最終戦に敗れたセネガルをフェアプレーポイント(警告・退場の数によってポイントが決まる)で上回り、辛うじてグループリーグ2位となり、2010年の南アフリカ大会以来のW杯決勝トーナメント進出を決めた。

それにしてもスリリングな90分間だった。

そして、日本代表がこんなにもリスクの高いギャンブルをするとは、思っても見なかった。

 

西野朗監督の胆力

 

日頃からサッカーをよく見ている方々にしてみれば、決勝トーナメント進出という果報を得るために、引き分けや負け試合のままゲームをクロージングさせる光景は見慣れているだろうし、そうした駆け引き自体がリーグ戦の醍醐味でもあるので、後半残り10分以降の日本代表の試合運びに対しても一定の理解をされていただろうし、その意味を理解するからこそ、私のようにチャンネルを「コロンビアVSセネガル」に変えてドキドキされていたことだろう。

あの時点ではコロンビアがセネガルに1-0でリードをしていたものの、セネガルが1点奪って同点にすれば事態は一転、コロンビアもセネガルも決勝トーナメントに進出を決められる状況となるだけに、彼らが「談合」する可能性も否定出来なかったわけで、西野朗監督がポーランドとの戦いを「0-1で良し」と決断した胆力の強さは、我々常人の想像を遥かに超えるものであったのだと理解するほかない。

 

ギャンブルスタートまでの経緯

西野監督のギャンブルがどの時点でスタートしたのか、それを試合の流れに沿って整理すると

 

  • 前半を終えて両ゲーム0-0 (日本は引き分けで決勝T進出を決められるので悪くない状況)
  • 後半14分 ポーランド先制 (コロンビアVSセネガルはこの時点で0-0。このままだと日本はグループリーグ敗退決定)
  • 後半15分 宇佐美に代えて乾投入 (何とか1-1の同点に追いつくための采配)
  • 後半29分 コロンビア先制 (このまま終われば日本は辛うじて決勝T進出を決められるが、ピッチ上の選手にはその情報が十分に伝わっていない)
  • 後半37分 武藤に代えて長谷部投入 (負けている日本が攻撃の意思を見せなくなる。残り約10分間の西野ギャンブルスタート)
  • 日本 VS ポーランド 0-1で終了 コロンビア VS セネガル 1-0で終了 (コロンビアがグループ1位、日本がフェアプレーポイント差でグループ2位に)

 

こう見てみると、西野朗監督がギャンブルを出来たのは、全て後半29分の段階でコロンビアがセネガルに対して先制ゴールを奪ったからである。

あの時点で日本は既に先制ゴールをポーランドに奪われていたわけで、コロンビアの選手たちも当然、日本が0-1とリードされていることは知っていたはずだ。

それでも彼らがセネガルとの「談合」に走らなかったのは、日本がポーランドに追いつく、あるいは逆転してしまう可能性を考えたからであろう。

一方で西野監督は、コロンビアが先制したという情報が入った時点で、それまで真綿で徐々にクビを絞められているように思えていた自らの状況に、太陽のように明るい一筋の光が射してきたように思えたのだろう。

「このまま試合を終わらせろ!」

「コロンビアが同点にされる可能性」「日本が同点に追いつく可能性」この2つの可能性のどちらがより低いのか、それを瞬時に秤にかけ「日本が同点に追いつく可能性」を捨てたのだ。

結果として、このあまりにもリスキーなギャンブルは成功し、大会前に期待をされていないどころか「負けるべき」とすら言われていた日本代表が、見事決勝トーナメントへ滑り込んだ。

西野監督 もう1つの大きなギャンブル

 

そして、この史上最大のギャンブルをする以前に、西野監督がもう1つ大きなギャンブルをしていたことについても今後ことあるごとに語られていくだろう。

「引き分け以上で決勝トーナメント進出」という条件は決して簡単なミッションでは無かったはずなのに、この厳しいグループリーグ最終戦に対して先発メンバーを6人も替えて挑むという「クレイジーな」ギャンブルを遂行。

既に最初の2戦でグループリーグ勝ち抜けを決定づけているチームであれば理解出来ようものの、「ポーランドに負けてはいけない」というどう考えても難しいミッションに対して、今大会初出場どころか、W杯自体が初出場の選手を4人も一斉起用し、怪我によるコンディション不良が大会前から継続的に伝わってきている岡崎慎司までも先発起用。

結果的に1,2戦の主力メンバーを温存することが出来、それと同時に「使えない選手」も分かったはずなので、このクレイジーなギャンブルにも西野監督は勝ったと言えるのかも知れないが、もはやここまで来ると「胆力」ではなく「薬力」なのではないかとすら思えてくる。

いずれにせよ、日本代表はこれで過去最高成績と同じところまで駒を進めることに成功した。

そしてそれを決定づけたのは、西野朗監督の「胆力」に由るところが大きい。

こうなってくると、俄然今後の西野采配が楽しみになってくる。次はどんなギャンブルで見る者の気持ちをグラグラに揺さぶってくれるのか。

いやはや、今大会の日本代表はW杯を実に楽しんでいるように見える。

 

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こちらのブログでは主に、私が最近妙に熱心に応援し始めた「柏レイソル」についての内容を多く記事にしています。

 

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