【関東2部第7節】エスペランサSC「応援」は選手たちを「闘う男」にする

コミュサカ
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「絶対できる!」

 

bien!(いいぞ!)

vamos!(行け! 頑張れ!)

Tranquilo!(落ち着け! 最近は「あっせんなよ!」とも)

絶対出来る!

 

関東サッカーリーグ2部、エスペランサSCと神奈川教員SCの試合が行われた横浜のかもめパークでは、90分間を通して選手たちにこうした声が掛けられ続けた。

アルゼンチン代表歴もあるクラブのカリスマ、オルテガ監督の存在感は圧倒的で、僅かながらピッチ脇に集まったサポーターと下部組織の少年たちによる応援チャントをかき消すほどの声量で、オルテガファミリーのコーチ、ホルヘ・グスタポさんや、出場停止だった主将のレオナルド・アグスティン選手、そこから離れた場所で立ったまま試合を見ている監督の奥さん…彼らはほとんど切れ目なく冒頭の言葉を絶叫していた。

bien!vamos!Tranquilo!と並べた「絶対できる」という言葉は、エスペランサSCのクラブスローガンだ。

 

ロシアの日本代表を「応援しない」というサッカーファン

 

話は飛んで、W杯ロシア大会での日本代表チームへと移す。

恐らく歴代の代表チームで、これほどまで期待をされていないチームはなかったし、期待されないどころか「勝つべきではない」「応援しない」という声さえファンの間で囁かれてしまった日本代表チームはなかっただろう。

大会直前の不可解な監督解任に端を発し、そこで生まれ出た「負のエネルギー」は、解任の判断をした日本サッカー協会と田嶋幸三会長に対する批判的な世情へと発展していき、後任の西野朗監督、彼の選んだ23名の選手達に対してまでもその矛先が向くようになっていった。

そうした流れの中で「勝利こそが全て」であるとされていた日本代表のW杯への挑戦が、いつのまにか「勝つべきではない」大会になってしまい、代表を「応援しない」と断言するサッカーファンまでが多く生まれていく不可思議な事態。

もちろんそれが例えW杯であろうと、日本代表を無条件に応援しなくてはいけない等とは毛頭思わない。

日本代表が勝利することで「不利益」が生じてしまう人もいるだろうし、不義への「怒り」のパワーがあまりにも激しくて、純粋に「応援する」という気持ちになれない人の心情も理解出来なくはない。

ただ絶対に忘れてはいけないのは、周りの環境がどうであれ、ピッチ上の選手たちは死力を尽くして「闘わなくてはならない」のだ。

スポーツを応援するということは、この「闘わなくてはならない」選手たちが最大限の力を発揮できるように「励まし鼓舞する」ことなのではないか。

 

サッカーは「ルールのある闘いの場」

私は週末のかもめパークでエスペランサSCのリーグ戦を見ていて、ピッチの側から選手たちを鼓舞し続けているオルテガファミリーの方々の姿を見て、サッカーチームを応援することの本質を感じることが出来た。

エスペランサSCの選手たちのプレーは時として「ラフ」「汚い」と評価されてしまうことも多いようだ。

確かに彼らは相手選手がキープするボールに反則覚悟で体当たりし、ファールを呼び込むような駆け引きもプレーの中で頻繁に行っている。2週続けてエスペランサの試合を見た私から見ても、彼らは決して華麗な試合運びをするチームでは無いし、いわゆる「巧い」サッカーをするチームでも無い。

ただ、ひとつだけ言えるのは、彼らの試合からは常に「闘争心」を感じたし、選手ひとりひとりが勇気を奮い立たせて試合に挑んでいる様子が伝わってきた事だ。

相手選手とのぶつかり合うのにも、最後の最期に身を挺してボールにアタックするのにも、相当の恐怖心を乗り越えないことにはトライ出来ないことであるし、精神的に相手を追い詰めるためには、その相手よりも強い心臓を持っていなくてはならない。

エスペランサの選手たちにしてみれば、サッカーとはルールのある「闘い」の場であるのだ。

いや、サッカーが「ルールのある闘いの場」であるのは、何もエスペランサの選手たちだけに与えられた哲学ではない。

試合は「最先端の戦術を披露する場」でもなければ「曲芸を見せる場」でもなく、22人の選手たちが繰り広げる「ルールのある闘いの場」であるのが常なのだ。

だから、その闘いに挑む選手たちを オルテガファミリーの強力なサポーターの方々は必死になって励まし勇気づけ、闘争心を鼓舞し続けているのではないか。

勇気ある挑戦に対しては、それが例え失敗したとしても「〇〇!bien!bien!」と称え、相手チームの勢いに押されるムードがあれば「vamos!エスペラーノ!!絶対できる!」と闘う気持ちにスイッチを入れ続ける。

彼らは決して自分たちの選手を批難するような声を上げないし(相手のファールやレフリーのミスジャッジには猛烈な批難の声を上げてはいたが)何か難しい戦術的指示をそこでするわけでもない。

とにかく90分を通して、ピッチ上の選手たちの闘争心に火をつけることだけに執着しているように私には見えていた。

ピッチ上の選手たちを「闘う男」にするのがサポーターの役割

この日の神奈川教員SC戦は0-0のスコアレスドローに終わったものの、試合終盤にエスペランサSCが見せた猛攻は凄まじかった。

給水タイムが設けられるほどの炎天下の中、試合が終わりに近づくにつれて疲労とダメージがボディブローのように身体に効いていたはずだ。それでもアディショナルタイムに至るまで「絶対にゴールを奪ってやる」「絶対に勝ってやる」「絶対できる!」と選手たちを本気にさせていたのは、ピッチの側から全力で勇気づけられていたからではなかったか。

試合の結果を受けて、あるいはそこに至るまでの過程を見て、チームに失望したり、怒りがこみ上げてきたり、そういう心情が「応援しない」「勝つべきではない」という本末転倒とも言える心理へと発展し、実際にJ3カターレ富山のゴール裏や、ガンバ大阪のゴール裏では「応援拒否」という意思表示をしてみせたサポーターもいた。

しかしそこに至る前に立ち止まって欲しい。

試合が始れば選手たちはピッチ上で再び闘うのだ。

自らを奮い立たせ、弱気な気持ちに鞭を打って、対戦相手に闘争心を持ち続けなくてはいけなくなるのだ。

そうした選手たちにサポーターは何が出来るのか。

エスペランサSCのオルテガファミリーの人々ならどうするのか。

これを体感するという意味だけでも、エスペランサのゲームを観戦しに行く価値は十分にある。

 

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首都圏、関東圏を中心にJリーグから都県リーグまでの試合日程を記したカレンダーを作成しました。是非とも現地観戦のご参考に!

2017年9月から、私が開設しているブログがあります。

ブログタイトルは「ラーテル46.net」

こちらのブログでは主に、私が最近妙に熱心に応援し始めた「柏レイソル」についての内容を多く記事にしています。

 

 

 

 

 

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