「勝利すべきではない」日本代表がコロンビア戦で歴史的勝利!田嶋幸三は賭けに勝ったのか?

W杯ロシア大会
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「日本代表は勝利すべきではない」

ヴァヒド・ハリルホジッチはフランス・リールの自宅で、日本代表のこの快挙をどんな気持ちで見ていただろう。

4月9日に日本サッカー協会が緊急会見でハリル解任を発表して以来、W杯へ挑む日本代表チームに対する視線は厳しいものとなり、解任を決断した日本サッカー協会(JFA)に至っては怨念に近い感情を抱くサッカーファンも多く生み出した。

後任の西野朗監督が代表監督の人事権を握るJFA強化部長であったことも、この騒動を余計に混乱へと招く要因となったことは間違いないが、彼が指揮を執る日本代表の動向ひとつひとつに過剰なまでにアレルギー反応を示すファン層が、その恨みと怒りの矛先を田嶋幸三JFA会長に向けることについては幾分かの理解も出来た私だったが、彼らのフラストレーションから生まれ出る様々な言葉の中に「このロシア大会においては日本代表が勝利すべきではない」というものが現れたのを見て、彼ら自身も自らの恨みや怒りの感情がどうして沸き起こってくるのか、それをしっかりとは理解出来ていない(あるいは理解するつもりもない)のではないか、と思うに至った。

 

そもそもハリルホジッチはファンの信頼を勝ち得た指揮官だったのか?

 

そもそも私が思うのは、ハリルホジッチ監督がそれほどまでにファンの信頼を勝ち得る存在であったのか?ということだ。

私が現地で全試合観戦した昨年12月のE-1選手権(東アジアサッカー選手権)では、近年稀に見る大差で韓国に大敗した日本代表に対して、もっと言えばその指揮官であるハリルホジッチ監督に対して、彼に理解を示すような論調が無かったとは言わないが、それはW杯ロシア大会本番まで半年しか残っていない状況で、代表監督が交代することに対するリスクが強く感じられていたことが多分に影響していたと言えるだろう。

残された半年間、事前の準備試合の数も数試合、チームとしてトレーニング出来る期間も大会直前を除いては親善試合の前の数日しかない。

こんな段階にまで来てしまっているのに、どんな素晴らしい指揮官がハリルホジッチに代わって登場しようとも、4年に1度の大舞台に挑む日本代表が「付け焼刃」で戦うことになってしまう。

こうした危惧がある中で、ハリルホジッチを解任すべきといった論調を発すること自体が「あるまじき」ことであるとサッカーファンの多くも思っていたはずだ。

 

僅かな準備期間で最大の番狂わせを起こした日本代表

 

ただ、誤解を防ぐために言っておきたいのは、私自身は誰が監督であろうと日本代表はそれ以上でもそれ以下でもないとずっと思ってきたし、日本代表に求めるものは「W杯で過去最高の成績(ベスト8以上)を勝ち獲る」こと以外にはないと思ってきたので、代表がどんな状況にあろうとも心情的な変化は起きようがない。

強いて言えば「W杯で過去最高に成績を勝ち獲る」ことを求めている理由が、日本サッカーが日本社会全体で注目され、日本のサッカーカルチャーを深化させていく上で、これほど影響力のある事象はないと考えたからであって、日本代表のW杯挑戦に「冷や水を浴びせる」ような論調に対してだけはただただ残念に思うし、そうした論調が何を目的として語られているのかについては冷静に考察していく必要があると思っている。

ともあれ、W杯本大会まで2カ月足らずの準備期間しか無かったのにも関わらず、日本代表は強敵コロンビアに勝利した。

西野朗監督や田嶋幸三JFA会長が発する言葉のほとんど全てに対して批判や反論が生まれ、選ばれた選手は勿論、チームスタッフの人事についてそれが「正当」なものであったのかが常にネガティブな形で論じられ、ついには「日本代表は勝利すべきではない」という言葉さえも語られるようになっていった。

未だにこのコロンビア戦での勝利を受けて「日本サッカーの進歩には繋がっていない」とする論調もあるほどだが、こういう言葉が生まれでてくる根本に「日本サッカー界がW杯に対して過度な幻想を見てしまっている」ことがあるような気がしてならない。

 

サッカーとは常にそういうものでは無かったか

 

私はW杯の結果が日本サッカー界の進歩に大きく影響すると考えるのは幻想だと思っている。

大体、大した準備期間も与えられなかった日本代表が、日本のサッカー史上最大の番狂わせをサランスクで演じたのだから、ほとんどその発想は崩壊していると言っていい。

相手が早い時間帯に退場者を出し、コンディションの良くない相手エースが途中から出場してきたこと、こうした「非常事態」が日本代表の勝利を呼び込んだ側面はあるし、あの最初のチャンスで大迫勇也のシュートが枠を大きく外れていたとしたら、日本代表は大敗していた可能性もある。

ただ少し考えて欲しい。

サッカーとは常にそういうものでは無かったか。

もちろん、チームが「運」だけでこの試合に勝利したとは言わないし、そうであるはずもない。

この4年間どころか、長きに渡る日本のサッカーカルチャーの中で育まれたあらゆる要素が、この大舞台でコロンビアに勝利するチャンスをしっかりと掴んだと考えるべきだろう。

西野朗が指揮を執ろうとも、ハリルホジッチが指揮を執ろうとも、大局的に見ればそこに大差など存在しないと私は思うのだ。

 

「W杯で日本がコロンビアに勝利した」これだけが真実

「コロンビアに勝利した日本代表チームは称えるが田嶋幸三はクビだ!」

こんなコメントが出てくるに至ってはもう笑うしかないが、結局のところ「ハリル解任」を受けて以来続く一連の騒動を煽っていたのは「ネットリンチをしたくてウズウズしていた人々」であると私は思うようになった。

コロンビアに勝利した日本代表の監督交代を決断したのは田嶋幸三JFA会長だ。ただし、それ以上でもそれ以下でもない。彼の判断が勝利を引き寄せたかも知れないし、そうでないかも知れない。

つまり、そんなことはいくら考えたところで答えなど得られるはずもないのだ。

ただ、彼は「賭け」には勝ったと当然ながら思っているだろう。

ロシアでハリルホジッチが指揮する日本代表の姿を見たかったというサッカーファンも多いようだ。そしてそう思う人の中にはコロンビア戦での勝利はどう映っているのだろう。

突然にして日本代表を外側から見つめることになったヴァヒド・ハリルホジッチの眼には、この日の日本代表の戦いぶりはどう映ったのだろうか。

ただし、そうした人たちの心の中の思いがどんなものであろうとも、W杯ロシア大会に挑む日本代表は、ほとんど勝つことは不可能と言われていた強豪チームに歴史的勝利をして見せた。

そして、これだけが疑いようのない真実なのだ。

 

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