とうとうイニエスタがやってきた。
久しぶりに日本サッカー界が明るいニュースで包まれた。
ヴィッセル神戸の三木谷オーナーが、J2クラスであればクラブごと買えてしまうほどの大枚を叩き、この正真正銘の世界的スーパースターを日本に迎え入れた意図は計り知れないが、Jリーグの歴史の中においても1,2を争うような大ニュースであるのは間違いなく、数年後にJリーグを振り返った時に、このビッグディールが大転換点と認識されているかも知れない。
イニエスタを大歓迎したい

現段階で私はイニエスタがJリーグにやってきたことについて、大歓迎の意思を持っている。
そこには彼の華麗なプレーを身近で眺めることが出来るかも知れぬというような、単純かつ、純粋な思いがあるのも事実だが、世界でも十指に数えられるような偉大なサッカー選手を迎えるにあたっては、当然ながらそれ以上のことを期待してしまうし、実際に想像以上のことが起きる可能性も高いと思っている。
ポドルスキはヴィッセル神戸加入時のインタビューで「日本サッカーをどう思うか?」という記者の質問に対し
「その質問に答えるには値しない。私はヴィッセル神戸の為にプレーする。」
とコメントしたと言われているが、世界中のサッカーファンが憧れるFCバルセロナで育ち、世界最強チームの中心選手として長く戦ってきたイニエスタからも同じようなコメントが聞かれるとしたら、その価値の高さをほんの一部しか堪能出来ないような「勿体なさ」をも感じてしまう。(もちろん、ヴィッセル神戸の一員としてイニエスタが全力でプレーするのは当然であり、ポドルスキのコメントも含め、それ自体を否定する気持ちはない)
早速動いたJリーグ

三木谷オーナーが伴ってイニエスタが突然来日し、その夕方には都内で記者会見が行われ、楽天イーグルスの試合が行われていた東京ドームに姿を現す。(夜は寿司パーティをしたとの噂も)こんな慌ただしい1日をイニエスタが過している最中に、早速Jリーグが大きな動きを見せ、サッカーファンの間では波紋が広がっている。
その最たるはJリーグが来シーズンからの外国人枠緩和(あるいは撤廃)の実施を検討しているというニュースであろう。
Jリーグ 2019シーズンから外国人出場枠撤廃?!
現在最大で5人まで認められている外国人選手の出場枠(外国人枠3人+アジア枠1人+アジア提携枠1人)が緩和あるいは撤廃されることで起こり得る状況に対してはサッカーファンの間でも賛否が分かれているようだ。
私の考えを述べれば、基本的に外国人出場枠の緩和、撤廃に対してかなり前向きに捉えている。
反対意見の多くを占めているのは
「クラブの資金規模による格差が広がっていく」
「限られたクラブにしか恩恵がない」
といった主張であるように思うが、私は外国人出場枠の緩和、撤廃が決してそうしたネガティブな要素ばかりを生み出すとは考えていない。
外国人出場枠の緩和、撤廃は決してネガティブなものだけを生み出さない
自分自身の頭の中を整理する意味でも、そう考える理由を箇条書きしてみると
Jリーグが外国人出場枠を緩和、撤廃することによってもたらされるポジティブ要素
- 第2、第3のイニエスタがJリーグにやってくる可能性が高まる(ライトなファン層、海外サッカーファンがJリーグの新たなファンとなっていく可能性がある)
- 外国人選手との競争に負けた日本人選手が下位カテゴリーでプレーすることになる(J2、J3に対する注目度が現在のJ1に対するものと同等か、それ以上になるかも知れない)
- それまでJ2、J3でプレーしていた選手たちが、JFLや地域リーグでプレーすることになる(これぞトリクルダウン)
- J1がプレミア化し、リーグ自体の価値が著しく向上する(投資の対象としての魅力が高まる)
- J1から地域リーグまで、日本サッカーにある風景が大きく変わる(それぞれのカテゴリーがどこもそれ相応に「盛況」となるかも)
もちろん異論反論あるだろうし、自分でも少々都合良く考え過ぎであることも認識している。プレミアリーグが導入している「ホームグロウン制度※」などの検討も必要だろう。(※イングランドまたはウェールズのクラブに21歳以下の段階で3年間以上所属した選手を優遇する制度)
ただ1つだけ言えるのは、Jリーグの外国人出場枠緩和、撤廃の動きについて、それを1クラブのファン、サポーター視点で考えてしまえば、そこに生じる「有利不利」を無視できず、現状のJリーグの在り方が変質してしまうことに対して脅威を覚えてしまう人もいるのだろうが、それをJリーグ全体、あるいは日本サッカー全体の問題として捉えれば、この「変質」がもたらすポジティブな面も見えてくるはずだ。
シーズン中の背番号変更を認めたJリーグの判断

イニエスタがヴィッセル神戸でつける背番号は8番。
この背番号はベガルタ仙台から今シーズン加入してきた三田啓貴選手のつけていた背番号で、Jリーグはシーズン中の背番号変更を認めていない。
今回そうした規則を特例で乗り越えイニエスタが背番号8番をつけることに批判的な意見を持っている人もいる。
しかし、そもそもJリーグが選手の固定背番号制を導入した大きな理由には商業的な性質が強く、今回の件についても、イニエスタがFCバルセロナ時代と同じ背番号をつけることに意味があるのだ。故に特例を速やかに認めたJリーグの判断は妥当であろう。
「例え世界的スター選手であっても規則は守るべき」「三田啓貴のレプリカユニフォームを購入したファンは補填されるのか?」
これらの反応を実に無粋に感じてしまうが、こうした意見が出てしまうところを見ると、まだまだイニエスタでは「弱い」のかも知れない。(とは言っても、メッシとCR7以外誰が来ようと「弱い」のかも知れぬが)
しかし時代は動いているし、動いていかなくてはならない。
Jリーグがこの先の25年も日本のサッカー界に存在し続ける為には、既存ファンの力だけでは難しいのだ。
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