Jリーグ開幕25周年を迎えて 「東京人の半数は地方出身者」ビジターエリアで県人会のすゝめ

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人口流動の激しい東京にあっては、その正確な実態について捉えるのがほとんど不可能と言えるかも知れないが、「東京圏」に暮らす人の約半数程度が地方出身者だとするデータもあるそうだ。

江戸っ子の定義として「三代続いて東京に住んでいる」ことが良く挙げられるが、これを当てはめてしまえば、もはや生粋の東京人など希少人種だとも言えるだろう。

私の話をすれば、父方の祖父は湘南生まれの湘南育ちで、東京に居を構えたのは戦後満州から戻ってきて以降であり、父も東京育ちではあるものの厳密に言えば満州生まれなので、生まれも育ちも東京である私であっても自分を「江戸っ子」と称することは出来ないのだ。(「山王権現・神田明神の氏子であること」「芝口から筋違御門までの範囲で生まれたこと」「親子三代が下町に住んだこと」この3点を江戸っ子の定義とする説もあって、これに当てはめると港区出身の私は少しだけ惜しい!)

つまり何が言いたいのかといえば、東京圏で暮らしている人たちのほとんどが、どこかしらの地方に縁がある、あるいはその出身者と考えてもあながち間違ってはいないという事だ。

そしてこうした出身地にちなむ話題は、Jリーグとも非常に相性が好いようにも感じている。

 

「わんこそば・宮沢賢治・グルージャ」

 

故郷の話をする時に、これまでは「わんこそば」や「宮沢賢治」の話をするのが常だった盛岡出身者にとっても、グルージャ盛岡の誕生が新たな話題のひとつとなっているかも知れないし、ブラウブリッツ秋田やベガルタ仙台の存在が、これまで彼が抱いていた秋田、仙台という街に対する印象を大きく変えているかも知れない。

Jリーグが3部構成のリーグへと発展し、全国に54ものクラブが誕生してきたことで、東京圏に暮らす地方出身者の間でも、故郷とサッカーとを結びつけて考える機会がこの四半世紀の時の流れの中で間違いなく増えてきているはずだし、これは12球団の全てが大都市を本拠地としているプロ野球には生まれにくい風情であるとも言える。(高校野球がその役割を担っている面が大きいと言えるかも)

 

「県人会」「県人寮」というコミュニティ

 

当然ながら、自らのルーツという変えようのない宿命が、時としてそれを共有する者同士の絆も深くしていく。

東京にはいわゆる「県人会」の支部が数えきれないほど存在すると言われている。

私自身が東京出身でもあり、そこに在るムードや存在意義について実感する機会はほとんど皆無なのだが、その多くは集団就職で上京してきた若者の生活支援を目的として1970年代頃に発足したようだ。

新卒から約3年ほどの間、私が配属していた部署で雇っていた学生アルバイトは、4年生になって就職活動が忙しくなると、自分の代わりとして新1年生を紹介してくれていたが、彼らは同じ大学に通っている訳ではなく「佐賀県人会」で繋がっている学生同士だった。

団塊ジュニアにあたる我々世代が学生だった頃と、今現在の学生事情が同じとは思わないが、それでも依然として「学生県人会」は沢山存在するし、出身地を限定した「県人寮」も東京には多く存在している。

こうした「地方出身者」のコミュニティを新たなJリーグファンへと繋げていく事も出来るのではないか。

 

Jリーグ観戦県人会

 

すぐに思いつくのは、関東圏をホームタウンとするチームのビジターエリアを「Jリーグ観戦+県人懇親会」の場としてしまうこと。

味の素スタジアムがホームのFC東京と東京ヴェルディはJ1とJ2に所属しているので、これだけで30以上の「県人会」がビジターエリアで成立してもおかしくはない。

三ツ沢であれば、J1~J3まで全てのカテゴリーに所属する対戦相手がやってくる可能性すらある。

東京圏というエリアであれば、ジェフのフクダ電子アリーナや、レッズの埼玉スタジアム、大宮のNACK5あたりも十分に圏内であろう。

仮にその日初めてJのスタジアムに来た人であっても、その周囲に故郷を同じくする人が集まっていれば、そこで懐かしい故郷のムードや風に触れることが出来るかも知れない。東京から遠ければ遠いほどアウェイサポーターのスタジアム参戦者も少なく、スタンドのビジターエリアには結構余裕があるはずだし、味スタあたりであれば実にゆったりと故郷のサッカーチームを応援することが出来るはずだ。

 

Jが獲得すべきは「コアファン」<「ライトファン」

 

Jリーグが今後獲得していくべきファン層は、毎試合スタジアムへ来るような「コアファン」ではなく(不要という意味ではなく、既に飽和状態であると理解して欲しい)シーズン中に1~2回スタジアム観戦をする「ライト層」であるはず。

そうしたライトなファン層をどれだけ獲得出来るか。それこそがJリーグの次のフェーズに不可欠な条件であると私は感じている。

そして「ライトなファン層」であるからこそ、彼らをスタジアムに呼び込む為には、どれだけ多くの「フック」を仕掛けることが出来るかが非常に重要になってくるだろう。

Jのスタジアムといえば、その多くはホームタウンで暮らすファンをどれだけ集めるかに執心している傾向が見られるが、ビジターエリアをいかに埋めるかについての施策については、決して「万策尽きたる」という状況にはないと思う。

「Jリーグのスタジアムで故郷の風を感じて見ませんか?」

悪くないコピーだと思うのだが、いかがだろう。

 

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2017年9月から、私が開設しているブログがあります。

ブログタイトルは「ラーテル46.net」

こちらのブログでは主に、私が最近妙に熱心に応援し始めた「柏レイソル」についての内容を多く記事にしています。

 

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