【VONDS市原 天皇杯出場決定】天皇杯の意義は「コミュサカとJクラブとの交流」にある

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柏レイソルの試合を中心にJリーグの試合会場に通うのが「当たり前」の行動様式になっている私であっても、それと同時に地域リーグやJFLといった「下位カテゴリー」のサッカーと触れていくうちに、Jリーグが既に持ち合わせている様々な要素に対する「ありがたさ」を感じるようになった。

手入れの行き届いた天然芝の美しいピッチ、大勢の観客を迎える立派なスタンド、スタグルやクラブマスコットの存在、etc. Jリーグであればこうした要素が備わっていることが「参加条件」でもあるし、初めてスタジアムに立ち入った人でもない限りは、それらを「享受」していると感じ続けられる人の方が少ないだろう。

下位カテゴリーを戦うチームにとって「ありがたい」こと

関東サッカーリーグが「地獄の関東」と称され、ホームゲームに有料入場者1,000人以上を集めるチームが存在するのも事実だが、関東リーグにはJリーグが定めているような「スタジアム規定」や「観客動員基準」などは存在しない。それゆえにスタンドが一切ない小石川運動場が注目のダービーマッチの試合会場になったり、毎試合人工芝ピッチでホームゲームを行っているチームもある。

スタグルやクラブマスコットが存在すれば、それはむしろ「ありがたいこと」であって、決して「当たり前」なことではない。これが地域リーグにある光景であり、仮に存在したとしても、それらをJリーグの試合会場の常識と比べるのはナンセンスであるとも言える。

そう思うのは、地域リーグには地域リーグの、JFLにはJFLの、なでしこにはなでしこの「楽しみ方」がしっかりと育まれているからに他ならないし、既にそうした世界に楽しみを感じてしまっている人たちにとっては、スタグルやマスコットが不可欠なモノとはなっていないように私には見える。

天皇杯がもたらせる意義

コミュサカの世界に触れることで、改めて私がその存在の「ありがたさ」を再認識したのは、何もスタグルやマスコットだけではない。

「天皇杯」

下位カテゴリーで日々戦っているチームが唯一、Jクラブと真剣勝負を出来るこのトーナメント大会の「ありがたさ」

Jリーグという日本サッカーにおける最高峰のリーグを戦うチームが、本気になって下位カテゴリーのチームに向かってきてくれるというこの大会が、単に「日本一を決める大会」として存在意義を持っているのではなく、下位カテゴリーのチームが「夢を感じる大会」としての意義を持つことを感じている自分に気がついたのだ。

「天皇杯千葉県代表権」を巡る素晴らしい戦い

この日フクダ電子アリーナで対戦したブリオベッカ浦安とVONDS市原FCはともに「地獄の関東リーグ」を戦う者同士。

その選手たちが、千葉県代表として天皇杯本戦への出場権を獲得することに大きな意味とやりがいを感じているのは当然として、それを応援するファン、サポーターにとっても、この試合は「おらがチーム」とJリーグクラブによる真剣勝負を見られるか見られないかの大勝負でもあるのだ。

両者の決戦は素晴らしい試合となった。

羽中田昌監督率いるブリオベッカ浦安が自陣から上質なパス交換とコンビネーションでチャンスを伺おうとするも、VONDS市原はそれをさせまいと3枚の攻撃的選手が徹底したハイプレスで応戦する。

ブリオベッカ浦安がそれを受け、VONDS市原のやや高めの最終ラインの背後を狙えば、伊藤竜司選手を核とした強靭なVONDSディフェンダー陣がこれでもかとばかりに頭で大きく跳ね返す。

跳ね返されたボールをブリオベッカが拾い、今度はドリブルで局面を打開しようとチャンレンジすると、VONDS攻撃陣の執拗なプレスバックによってボールを奪取され一転ショートカウンターを喰らいかける。しかしそこはしっかりと帰陣して守備ブロックを形成し大事には至らないような対処を施す。

こうした一進一退の攻防をスタンドから眺めていると「この空間にいられることの幸福感」が溢れ出てきてしまう。

私の低レベルな戦況分析など要らずとも、両チームの選手やサポーター、スタンドに集まった全ての人々が作り出していたスタジアムのムードが「夢に向かっている人間たちの魅力」を雄弁に語っていたとも言える。

勝利した「おらがチーム」VONDS市原はJクラブへ挑む

この試合に勝利したVONDS市原FCは、天皇杯本戦の1回戦でJ3のブラウブリッツ秋田と対戦することとなった。そしてもしこの試合にも勝利することが出来た時には、J1の柏レイソルと日立台で対戦することになる。

Jリーグ参入を目標とし、その視線の先には常にJの舞台が意識づけられているVONDS市原と言えども、現在の居場所に存在するのは「人工芝ピッチ」であり「スタンドのないサッカー場」でもある。

横断幕の張りどころにさえ苦労するような試合会場であっても、VONDS市原と過ごす週末に大きな楽しさを見いだしている人々が、Jクラブの懐に入って真剣勝負を見せる「おらがチーム」にひと時の夢を見る。

ある人は「おらがチームがJクラブ相手にどれだけやれるのか」に注目するかも知れない、またある人はそこに「チームの未来」を見るのかも知れない。「VONDS市原が全国のサッカーファンにインパクトを与える」べく快進撃を期待している人もきっといるだろう。

こうした視点は「Jクラブ側」に立っていると案外見えてこないことだ。

それは昨年のこの時期に行われた天皇杯2回戦で、ブリオベッカ浦安を日立台に迎えた時に私自身が抱いた思いが物語ってもいる。

何しろ当時の私にとってブリオベッカ浦安は「どのカテゴリーでやっているのかも知らないチーム」でしか無かったのだから。

しかし、あの試合こそが私にとって「下位カテゴリー」のサッカーに触れた最初の機会でもあり、柏レイソルに対し果敢に挑戦する「よく知らないチーム」のゴール裏から響いてくる子どもの声が混じったチャントに衝撃を受けた日でもあったのだ。

今年もまた天皇杯が始まる。

言って見ればこの大会は、Jクラブと下位カテゴリーのチームが真剣な「交流」をする1年に1度の機会でもある。

派手なジャイアントキリングだけに話題が集まるのではなく、多くの試合会場でなされる真剣な「交流」についての意義についても、もっと語られていいのではないだろうか。

そのメリットはむしろJクラブ側にあると私は思っている。

こちらのブログもやってます!

2017年9月から、私が開設しているブログがあります。

ブログタイトルは「ラーテル46.net」

こちらのブログでは主に、私が最近妙に熱心に応援し始めた「柏レイソル」についての内容を多く記事にしています。

よろしければ、「ラーテル46.net」も併せてお楽しみください。

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