【地獄の関東リーグ】育ち盛りの「現役組」に苦戦した「OBチーム」TOKYO UNITED FC

コミュサカ
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4月1日に開幕した「地獄の関東」とも称される今季の関東サッカーリーグ。

5つの開幕カードの中で「鳴り物・声出し応援NG」というサッカーチームを応援する者からすれば、両手をもがれるような応援環境が強いられる上に、場内での「飲食禁止」という追加のお達しが、その反感に油を注ぐ形となったTOKYO UNITED FCのホームゲーム「対東京23FC戦」つまり新東京ダービーを見ることに決めた私だったが、そこで体感した素晴らしいサッカーの世界は「怖いもの見たさ」で小石川へ向かった側面も多分にあった私の心をそんな思いが少しでもあったことが恥ずかしく感じるほどに大きく裏切るものであった。

両軍の選手たちが見せた意地のぶつかり合いは勿論、ゲームそのものも手に汗を握る好ゲームで、試合が終わると同時にそこに集まった数百の人々による拍手の波が自然発生し、その余韻を噛みしめるかのように、そこからなかなか立ち去ることの出来ない人も多く見受けられた。

「地獄の関東リーグがついに開幕!小石川での新東京ダービーで何が起きたか?」はこちらから!

 

流通経済大FCとは何者なのか?

TOKYO U.佐々木竜太選手がドリブルで切れ込む。マークする流経大FC4番宮本優太選手は流経大柏の主将だった選手。

 

こんな素晴らしいサッカー体験を「地獄の関東」からプレゼントされた私が、第2節の対戦カードの中で選んだのは「流通経済大FC対TOKYO UNITED FC」の対戦。

スケジュール的にこの試合だけしか会場へ行くことが難しいという理由もあったが、それ以上にひとつ確認しておきたいことがあったのも事実だ。

流通経済大FCとは何者なのか。

その多くが社会人やプロによるクラブチームである関東サッカーリーグにおいて、大学の名前を冠するこのチームの存在は異質で、それだけにその実情を測りかねていた。

流通経済大学サッカー部が数百人の部員を抱える大所帯で、今ではプロサッカー選手を大量に輩出する日本サッカー界にとっても重要な「育成機関」であることは理解出来ていても、では今季関東サッカーリーグに参戦しているこのチームにはどういう選手たちがいて、どんなサッカーをするのか、もっと言えば「地獄の関東」を戦うチームとして彼らが本当に相応しいと言えるチームであるのか。

こうした多くの謎を解くために、私は流通経済大学サッカー部のホームグランドにして活動拠点でもある龍ヶ崎のRKUフットボールフィールドへ向かった。

 

翻弄されるTOKYO UNITED FC

レフリーにファールの基準を確認する岩政大樹選手

 

私は開幕戦でTOKYO UNITED FCの試合を見て、彼らが非常に良く訓練されたしたたかなチームであるという認識をもった。それまでのカップ戦などでの戦いを見る限りではそこに完成されたチームの姿は見られずにいたが、開幕戦での彼らからはリーグ戦開幕にしっかりと標準を合わせてきたであろうプロフェッショナリズムを感じることも出来た。

しかしながら、龍ヶ崎で見たTOKYO UNITED FCの選手達からは僅か1週間前に私が感じ取った印象と大きく違った姿を見ることになる。

端的に言ってしまえば、流通経済大FCの選手たちに翻弄されてしまっているのだ。

個人技術、走力、コンビネーション、そうしたサッカーチームに必要とされる多くの要素において、TOKYO UNITED FCは明らかに「大学生たち」と比べ見劣りした。

そして東京23FCとの新東京ダービーにおいて、あれほど自信に満ちた戦いを見せていた選手たちがどことなく不安気に戦っているのだ。

 

そこに思い浮かぶ「OB対現役」戦

 

私はこの対戦を見ていてある光景を思い浮かべる。

「OB対現役」

私が学生の頃もこの対戦は年に一度恒例行事として行われていたが、まさにあの時の空気感がそこにあるような気がしたのだ。

経験のある方は理解していただけるかも知れないが、「OB対現役」という試合が行われるとき、そこに集まるOBは大抵が現役時代にチームの中心だった言わば「スター選手」たち。現役である我々は彼らと共にプレーしたことはなくても、その伝説を先輩方から日頃嫌というほど聞かされている。

言って見れば、岩政大樹選手や保坂一成選手がそうした「伝説のスター選手」に相当する存在だ。

対する現役チームは「伝説のスター」を相手に、敬意を払いつつも手抜きは一切しない。そして最後に勝利するのはいつも現役チームだった。それも当然だろう、何しろ毎日のように同じメンバーで練習出来ているのだから。

今回の対戦における両チームが、どういう練習環境でどれくらいの練習頻度をこなしているのかは分からないが、TOKYO UNITED FCにしても現状では純然たるプロチームではないし、その活動においても少なからず障害があって当然だろう。一方の流通経済大FCは全員が学生で毎日恵まれた環境でサッカーに打ち込む生活を送っているはずだ。

 

「崩していないのに勝利」したTOKYO UNITED FC

開幕戦で鮮烈なミドルシュートを決めた能登正人選手もこの日は沈黙

 

試合は流通経済大FCが素晴らしいコンビネーションから先制点を奪ったところから動き始めた。何としても負けるわけにはいかない「伝説のスター」たちがその状況を挽回しようと必死になればなるほど、大学生の術中にはまっていく様子が感じられた。

岩政大樹選手が最後尾から「急ぐな!」と前線の選手たちを怒鳴り散らす。その声に委縮こそしないものの、TOKYO UNITED FCには攻め手がほとんど無いようにも見えた。

それでもラッキーだったのは、前半のうちにセットプレーから同点に追いつけたこと。決して「伝説のスター」に相応しいような美しいゴールではなかったものの、このゴールがあったことで、後半の逆転が生まれたと言っていいだろう。

その逆転ゴールも相手GKの完全なミスで、半ばオウンゴールと言えるようなもの。TOKYO UNITED FCは岩政大樹選手自身が著書「PITCH LEVEL」でも書いていた「崩していないのに勝利」することに成功した。

 

まさに伸び盛り「選手権決勝」を戦った才能ある選手達

 

それにしてもTOKYO UNITED FCを相手に、あれだけゲームをコントロールする力を持つ流通経済大FCとはなんというチームなのか。

この試合に出場したGKの薄井覇斗選手は、今年の正月に行われた高校選手権で準優勝した流経大柏の正GK、他にも彼と一緒に高校選手権を戦った選手がこのチームの中心となっている。つまり彼らは今年大学1年生。つい一か月ほど前に高校を卒業したばかりの選手達なのだ。

この正月に行われた高校選手権決勝の前橋育英との質の高い好ゲームをご覧になった方の中では記憶に新しいだろうが、あの試合を戦った技術力の高い選手達であれば「伝説のスター」を相手に翻弄するゲームが出来ても何ら不思議ではないかも知れない。

そう考えると、彼らが開幕戦でVONDS市原を相手に0-5という大敗を喫した事実にも目を向けたくはなるが、サッカー選手としてまさに伸び盛りの時期にある彼らとの対戦が、後になればなるほど全てのチームが苦戦する可能性も高い。

流通経済大FCは必ずしも「地獄の関東」を勝ち抜くことを目標としていないチームであるのかも知れない。しかしながら、彼らがこの地獄の中において大きなカギを握っているチームであることは確認出来た。

この試合のあと西が丘で観戦した関東大学リーグを戦う流通経済大の姿を見た時に、流通経済大FCの1年生選手たちが間違いなくそこを第1の目標としているであろうことも認識できた。

私の中で毎週のように「地獄の関東」を描く上で必要なピースが少しづつ足されていく。

 

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