横浜の人はスポーツ観戦に慣れている?Bリーグ横浜ビー・コルセアーズ観戦記

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二週間前に船橋アリーナで千葉ジェッツの試合観戦をしてBリーグに対する衝撃を受けて以来、自身でも驚くペースでBリーグの会場へ行ってしまっている。

ジェッツを見た翌週には立川でアルバルク東京をそして今回は横浜国際プールで行われた横浜ビー・コルセアーズの試合を観戦してきた。

自分の中で、Bリーグで今起きていること、行われていること、そしてその世界がどれほどの人たちの笑顔を作れているのか、それが私の「居場所」であるサッカーの世界にも活かすことが出来るのではないか。

根本にはそんな思いを持っているので「成功」していると言われる船橋アリーナの実情だけでなく、なるべく違うチーム、違う試合会場でBリーグを体感したいと思っている訳だが、ここまで僅か3試合ながら、それぞれの会場で感じたBリーグがそれぞれ違った印象を私に与えてくれている。

 

立川で見たアルバルク東京

アルバルク東京の本拠地 立川立飛アリーナ

 

アルバルク東京は渋谷をホームタウンとするチームだが、それまでホームゲームで使用してきた代々木第二体育館が東京五輪に向け耐震工事に入った今季からは、立川に新しく出来た立川立飛アリーナをホームアリーナの中心に据え活動している。

立川駅からモノレールに乗って数分で到着する立飛駅は、いかにも「あたらしく出来た街」の風情を感じるまだまだ開発途上にある地域にあるが、アリーナはモノレールの駅を降りると目の前に現れる。

ともすれば「巨大な簡易プレハブ」のように見える外観に一瞬戸惑ったものの、会場の中に入ってしまえばそんなことはほとんど気にならないほど綺麗なアリーナだった。

ただ、これはJリーグでも同様のことが言えるかも知れないが、チーム名に「東京」という地名が使われていることも影響してか、船橋アリーナで感じたような「ローカル」なムードはあまり感じられない。そもそも渋谷が彼らの居場所だからかも知れないし、この立飛というエリアがまだ人々の生活が存在する地域となり得ていないからかも知れない。

いずれにしても、船橋で感じたたような熱気はそこで感じられず、会場のスタッフそれぞれもどこか淡々と業務にあたっているかのような「ドライ」な印象も受けた。

「やはり千葉ジェッツだけが飛びぬけた存在であるのか」と半ば思いかけていたが、今回横浜ビー・コルセアーズのホームゲームを観戦したことで、その思いが見当違いであったことを思い知った。

 

横浜ビー・コルセアーズのホーム横浜国際プール

 

横浜ビー・コルセアーズがホームゲーム会場の中心にしている横浜国際プールは、日吉から横浜市営地下鉄に乗って数駅、北山田駅から徒歩で行くことが出来る。

我々が一般的に思い浮かべる「横浜」はみなとみらいであって中華街である。

そうしたエリア「港町横浜」からはやや離れた内陸にあるこのホームアリーナでも、もしかしたら立飛アリーナで感じたのと同じような印象を受けるかも知れない。私は当初そんな風に思っていた。

しかし、実際は違った。

船橋アリーナで千葉ジェッツを応援する「ブースター」のそれをはるかにしのぐ程の観客の熱狂ぶりがそこにはあった。

横浜 スポーツ観戦に慣れた人たち

 

 

それはビー・コルセアーズに対する声援の声はもちろん、この日の対戦相手、三遠ネオフェニックスに対しての轟音のようなブーイングにも現れている。

三遠のフリースローの場面になると、会場中の観客が「ブー」と叫びながら応援グッズの「ハリセン」を叩き、床を足で激しく踏み鳴らす。このムードは私がこれまで見たBリーグの試合では感じられない激しいもので、隣に座っている人の声が聞き取れないほどの「騒音」だった。

おそらく施設の事情であろう、横浜国際プールは他のBリーグ会場で多用される暗転からのスポットライトといった光の演出がされない。その為会場内の照明は試合前も試合中も全く変わらない中行われていく。こうした「主催側」が演出面でやや不利な条件を強いられていながらも、それを補って余りある程、会場に集まった「ブースター」の熱狂ぶりが感じられる。

もしかしたら、横浜の人たちはこうしたスポーツ観戦に非常に慣れているのかも知れない。

そんな思いをもったのは、スタンドのあちらこちらにプロ野球DeNAや横浜F・マリノスの青いユニフォームを着た観客の姿を確認出来たからだ。ビー・コルセアーズのチームカラーがネイビーで、同系色である青いシャツが応援するのに違和感を生みにくいことも手伝っているのかも知れないが、間違いなく彼らは横浜スタジアムや日産スタジアム、三ツ沢などにも日頃通っているはずだ。また「スポーツ観戦慣れ」した観客が多いと思った理由として他に、これまでのBリーグ会場と比較し男性比率が格段に多い印象を受けたことも付け加えておく。

こうした「スポーツ観戦が日常化」している人たちにとって、新参で今季の成績がイマイチなビー・コルセアーズであっても、それが横浜のチームであれば十分に応援すべき存在として認知され、そうしたチームを応援する術も持っている。そんな風に思えた。

 

盛り上がるブースターと気持ちが冷めて行く私

 

私はサッカーが好きだし、Jリーグもその下位リーグである地域リーグやJFLも、今以上に人々の生活の中に浸透していって欲しいと思っている。そしてそうなって欲しいからこそこうやって日々様々なサッカーの現場に赴きブログでその思いを整理(出来ていないかも知れないが)し発信させても頂いている。

だから、こうして「既にその盛り上がりが完成形に近づいている状況」を見てしまうと、「素晴らしい」と思うのと同時に探していた答えの一端を見つけてしまい急に気持ちが冷めてくる感覚に陥るという矛盾したジレンマにさいなまれることがある。

この日横浜国際プールで感じた思いはまさにそれで、「横浜」という首都圏の中でも際立つ生活圏の中にあるスポーツ文化が、ある意味で成熟しきってしまっていることに自分のつけ入る隙を見いだせないような心情を覚えてしまうのかも知れない。

ただし、横浜国際プールでのBリーグ観戦について全てにおいて素晴らしかったかと言えばそうではない。

 

「初めての観客」に少々冷たい横浜の印象

 

まず、横浜市営地下鉄北山田駅から会場までの導線案内があまりに不親切だ。私は地理感覚には比較的自信があって、初めて行くところでも大抵は難なく辿り着いてしまうのだが、今回についてはやや難儀だった。何しろ駅構内にも駅を出たところにも横浜国際プールへの案内表示がひとつも見つけられないのだ。これは船橋アリーナへ行った時に北習志野駅で受けた印象と大きくかけ離れている。(アリーナへ向かう人の波といったものが感じられないのもBリーグの特徴のひとつか)

横浜国際プールは、駅のある場所から見上げるほどの小高い丘の上に建っているので、かなり長い急階段を上っていく必要もある。小さな子供やお年寄りが同行者であればかなりの負担になるだろうし、そうした地理環境に対する配慮はあってもいいような気もした。(しかも街灯の光も弱く夜間は特に危険)

また、喫煙者の私にとっては施設の内外に喫煙所が設置されていない(あったとしても明確に案内はされていなかった)のも少し辛かった。時世的にどんどん喫煙者の居所は無くなって行っているが「スポーツと喫煙」が非常に相性のいいものである側面も是非とも留意してもらいたいのが正直なところだ(これは当然ながら賛否あるでしょうが)

 

私が確認出来た「駅~会場」の道中で見つけた案内はこれだけ ただし、これも実際は照明もあたっておらず暗く危うく見落としそうだった。

 

そして最後に、ビー・コルセアーズのブースターが熱狂的であることはこれまでに繰り返して書いてきたが、それが故に少々「お行儀の悪い」人たちの姿も見受けられた。

船橋アリーナと比較しても横浜国際プールは空間自体がかなり大きく、この日も3,000人以上の観客を集めながら席には比較的余裕があった。それだけに個々の観客のスペースがやや広めであることも影響しているのかも知れないが、総じてグループで来場している人たちの「お行儀」が悪い。

ビー・コルセアーズがシュートを決めると興奮して席を立ってしまうブースターがいるのは理解できるにしても、私の席から数メーター斜め先にいた男性は、試合中のほとんどの時間を立って応援していて、私は後半のビー・コルセアーズの攻撃場面がほとんど見えなかった。(私は1Fアリーナ「ポートサイド」席で観戦していた)

私が今回の試合を観戦したアリーナポートサイド席は5列くらいのひな壇になってはいるものの、段差がそれぞれ15㎝程度しかないので、前の席の人が立ってしまうと後ろの席の人はほとんどコート内で起きていることを見ることが出来ない。前述の「ずっと立っている男性」の真後ろにいた方は、おそらく私以上に試合の様子を見ることが出来なかったはず。私も一眼でゴールを巡る攻防を狙っていたのだが、前の席の人が興奮するとすぐに立ち上がってしまうので、そのチャンスをことごとく逃すことになった。もちろん、これはあくまでも私が取った席種がカメラ撮影に適していなかったとも言えるのだが。

これらの課題は運営側の問題ではあるが、観客に対して何らかの案内をしてもいいだろう。

また、男性が多いせいもあるのだろうが、試合が進んで行くにつれ「強めに」酔ってしまう方も散見された。彼らはやたらに席を移動したり、導線にモノを置きっぱなしにしたり、周囲に過剰に絡んでいったりするので、周りの観客に気を使わせているようにも見えた。酔っぱらいが会場を盛り上げる要素は私も認めるところだが、あまりに度が過ぎる人を看過してしまうと、客が離れて行く要因にもなりかねないと感じた。

 

Jリーグは「初めての観客」に丁寧な視点を持てているか

10連敗中だったビー・コルセアーズが横浜国際プールでの今季最終戦に見事勝利したことで、ブースターのテンションも最高潮だったのかも知れない。ただし、駅からの案内や観戦マナーについてなど、初めてそこを訪れた私のような人間にとっては、少々イラつかせられる状況も存在したのは確かだ。

ただ、こうした感情は、もしかしたらJリーグに初めて足を運んだ観客もあらゆるスタジアムで感じていることかも知れない。「排他的」とまでは言えないが「初めてそこに来る観客」に対して丁寧な視点を常に持ち続けること。これもプロスポーツクラブの興行には極めて重要なポイントといえるのではないか。そんな風に感じた横浜でのBリーグ観戦であった。

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こちらのブログでは主に、私が最近妙に熱心に応援し始めた「柏レイソル」についての内容を多く記事にしています。

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