「最もカオスなリーグ」東京都1部で暴れまわる!?南葛SCとホドリゴ・カベッサ!

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いよいよ「最もカオスなリーグ」が開幕した。

と言っても、今季のコミュサカ界隈で話題の中心となりつつある関東サッカーリーグの話ではない。

その関東サッカーリーグへと続くいばらの道をひた走る「東京都社会人サッカーリーグ1部」が3月25日に開幕したのだ。

 

7部に相当する東京都1部リーグ

前年優勝のCERVEZAの開幕戦の相手は警視庁。1-1のドローに終わる。

 

J1を頂点とするピラミッドで考えると、東京都1部リーグは7部に相当する。こういう呼ばれ方はしていないが「J7リーグ」と表現することも出来る。

言葉的に少々矛盾するかも知れないが「J7リーグ」ともなると「Jリーグを目指していないチーム」の方が多い。目指さないというよりも目指せないと言った方が正確か。そうであるからこそその顔触れが非常に刺激的に感じてしまうのかも知れない。

まずは2018年シーズンの東京都社会人サッカーリーグ1部を戦う16のチームを紹介してみようと思う。

  • FC KOREA(前年関東2部から降格)
  • CERVEZA FC 東京(前年優勝)
  • TOKYO UNITED +Plus
  • 東京海上フットボールクラブ
  • アストラ倶楽部
  • 三菱UFJ銀行
  • FC.OSSA
  • Criacao Shinjyuku
  • 東京蹴球団
  • T.F.S.C.
  • 三菱養和サッカークラブ
  • 三菱商事サッカー同好会
  • 八王子フットボールクラブ
  • 南葛SC(今季昇格)
  • 警視庁サッカー部(今季昇格)
  • アローレ八王子(今季昇格)

以上の16チームによる総当たり1回戦でリーグ戦は行われ、上位4チームが関東サッカーリーグ昇格をかけた「関東社会人サッカー大会」への参加資格を得る。

こう並べても、どこにその「カオスなリーグ」たる所以が存在するのか、いまいちピンと来ない方もいらっしゃるはず。それも当然だろう、何しろほとんど名前を聞くのも初めてといったチームばかり並んでいるはずだ。

しかしそれぞれのチームを少しだけ深掘りしてみただけで、これほどまでに多様なチームがひとつのリーグで戦っているという事実に私は本当に驚かされた。

 

あまりに多様なその顔触れ

 

クラブ創立が1917年。既にその歴史が100年を超えている東京蹴球団。そしてその1年後の1918年に暁星高校OBチームが母体となって結成されたアストラ倶楽部。この2つのチームは天皇杯優勝という輝かしい実績を持つ名門クラブでもある。

前年優勝チーム、CERVEZA FC 東京は「東京で一番強い社会人チーム」になることを目指す純然たる「アマチュア道」を突き進むチーム。選手たちの多くは大学サッカーで活躍した経験の持ち主で、それぞれが都内の企業に勤務するエリートサラリーマンの集まりだ。

法政大学サッカー部OBが中心となって創設されたFC.OSSAは基本的に週末にしか活動をしていないチーム。それでも激戦東京1部を戦うこと7年目。法大のOBならずとも思わず応援したくなってしまうチームである。

関東2部から降格してきたFC KOREAも忘れてはならない。そのルーツは日本最強と言われた「在日朝鮮蹴球団(チュックダン)」在日コリアンが脈々と受け継いできた伝統にここ数年は日本人選手も加わり新たなフェーズへと歩み出している。

東京海上、三菱東京UFJ銀行、三菱商事、東芝府中(T.F.S.C.)など、Jリーグのスポンサーかな?と思ってしまうような大企業のサッカー部やサッカー同好会も「実業団チーム」として存在し、国家権力である警視庁のサッカー部まで今季の東京1部に上がってきている。

他にもそれぞれが本当に個性的なチームばかり。中には既にコアサポーターが存在するチームまである。

 

Jを目指す「南葛SC」の際立つ存在感

南葛SC 東京都1部開幕戦のスターティングメンバー

 

こんな顔触れの中で、Jリーグ昇格を明確な目標として掲げているチームは今季昇格組の南葛SCとアローレ八王子。

ともにホームタウンにおいては、NPO法人としてジュニアの育成組織も運営しているクラブチームだが、特にマンガ「キャプテン翼」の作者、高橋陽一さんが後援会長を務めている南葛SCについてはその選手補強なども含めて「東京1部ではあり得ない!」という際立つ存在感を放っている。

南葛SCの東京1部昇格初戦となった開幕戦の相手はTOKYO UNITED+Plus。「地獄の関東リーグ」を戦う東京ユナイテッドのセカンドチームだ。とは言っても前年度2位の実力を持ち、その目標は「東京1部優勝と関東リーグ昇格」としている強豪。

しかし、そんな強豪相手の開幕戦で南葛SCは堂々たる戦いぶりを見せてくれた。

 

注目度ナンバーワン!ホドリゴ・カベッサ

これがカベッサだ!

 

今季の南葛SCは10名以上の選手を新たに補強し、チームの潜在能力が数段上がっているというのは長くこのチームを見つめ応援されてきたサポーターの方々の共通した意見だが、中でも2人の元Jリーガーがその話題の中心になっている。

ひとりは昨年までJ2愛媛FCの背番号10を背負っていた安田晃大選手。安田選手の南葛SC加入の報せは一般のサッカーニュースでも取り上げられるほど大きな衝撃を以て伝えられたが、彼の存在感とはまた別の意味で異彩を放っているのが、J3カターレ富山から加入したブラジル人ストライカー、ホドリゴ・カベッサ選手。

カベッサはポルトガル語で「頭」という意味だったと記憶しているので、ヘディングの強い選手であろうことが想像できるサッカーネームだが、彼のビジュアルを見るともう「カベッサ」以外の何者でもないような気もしてきてしまう。

美しいモヒカン。そしてとにかく顔も身体が大きい。身長は公式で179㎝となっているが、横もあるのでラグビーの選手のよう。それもフランカーとかナンバーエイトの選手のような体格をしている。

そんな選手が今季の東京1部ではエリートサラリーマンや警察官に「頭(カベッサ)」から突進していく。

こう書くだけでかなりワクワクしてきてしまうが、開幕戦でのカベッサは非常に技巧的なブラジル人選手らしいループシュートで南葛SCの開幕ファーストゴールを決めて見せ、試合終盤には泣き出しそうな顔をしながら相手DFに必死にプレスをかけていた。

25歳には見えない風格を持ちながらも、何とも憎めないキャラクラーなのだ。

 

今季の東京1部はカオス!

これが本当に「7部」「J7」の光景なのか!?

 

試合は3-2というサッカー好きにはたまらないスコアで終わり見事南葛SCは開幕戦勝利を遂げて見せたのだが、そこには東京1部の強豪を破った充実感というよりも無事に勝利することが出来た安ど感を選手やスタッフの方々から感じた。

会場からの去り際に、南葛SCの監督にして東京の高校サッカー界のレジェンド、向笠実「先生」は「今日は勝てたことが重要なんだよ」と言っておられた。

カベッサを筆頭に、レオジーニョ、ディビッドソンという個性の際立つブラジル人選手が縦横無尽にピッチを駆け、安田晃大のような実績のある元Jリーガーが試合を引き締め、脇を固める他の日本人選手達も実に活き活きと楽しそうにプレーしている。

私は東京都1部の試合を見るのは今シーズンが初めての体験ではあるが、このキャラクターの際立つ南葛SCというチームが間違いなく今季の東京1部を面白くしていくはずだと確信している。

関東サッカーリーグ以上に「カオス感」で溢れている東京都1部リーグ。

あらたにチェックしなくてはいけないリーグが増えてしまったことが、ちょっと嬉しい。

 

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2017年9月から、私が開設しているブログがあります。

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こちらのブログでは主に、私が最近妙に熱心に応援し始めた「柏レイソル」についての内容を多く記事にしています。

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