Jリーグクラブ「東京」で成功するためにクラブ名から「東京」を外せ

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東京をホームタウンとするJリーグクラブは現在2チーム、それを追随しJリーグ入りを明確な目標としているクラブがJFLに1チーム、関東リーグにも2チームが存在する。

厳密に言えば、関東リーグの下位リーグである東京都社会人サッカーリーグの中にも南葛SCのような「Jリーグクラブ志向」の強いチームはいくつかあるのだが、カテゴリーで見た時にその頂点にあるFC東京の現状を顧みると、東京をホームタウンとするプロサッカークラブの在り方がいかに難しいものであるのかそれを感じざるを得ない。

 

その街の人口と観客動員数

 

東京で暮らす人の数は1300万人以上。そう考えると味の素スタジアムがFC東京の試合で3万人の観衆を集めたとして、0.3%の都民を集客出来ていると言うことも出来る。0.2%、400人の都民がいればそのうちの1人は味スタに行く。こうして見ると「案外よくやってる」という印象を持ってもいいかも知れない。

しかし、これを地方Jクラブの実情と並べてみると、そこにはかなり大きな感覚の差がある。

J2のファジアーノ岡山がシーズン開幕以来非常に好調だ。もともと観客動員力のあるクラブだとは言え、今季のホーム開幕戦となった3月4日の栃木SC戦では9,291人の観客を集めた。2017シーズンでは10,000人以上の観客を集めたホームゲーム数は7。最も少ない時でも6,000人は超えているので(ちなみにその試合の対戦相手はツエーゲン金沢。土曜日のナイターだった)ファジアーノがホームゲームに9,000人の観客を集めるのは至って普通の光景だと言える。

ホームスタジアムである「シティライトスタジアム」はJR岡山駅からも徒歩圏内で、立地的に非常に恵まれているスタジアムのひとつでもあるので、それも10,000人前後の観客を毎試合集めることが出来ている大きな理由ではあるが、岡山県の人口自体は200万人足らず。政令指定都市岡山市の人口も約72万人であるので、先に述べたFC東京の観客動員を例にした試算を当てはめると、岡山県全域とすれば200人に1人、岡山市に限れば72人に1人という高い「スタジアム集客率」が存在することに気がつく。

つまり、Jリーグには本来それくらいの「集客ポテンシャル」があるはずなのだ。

100人に1人くらいの割合で地元クラブのホームゲームを観に行く人がいるとすれば、FC東京の試合には13万人の観客が集まることになる。もちろん、これはやや乱暴な想定であるので「だから東京のプロクラブは10万人を観客動員の目標とすべき」などと言いたいわけではない。

 

「東京」そこは強力なライバルに溢れる街

 

私は東京の中心で生まれ育ち、つい2年ほど前に現在暮らしている千葉県へ移転してきたのだが、千葉が都市圏であるとしても、東京で暮らしていた時に比べて格段に生活がシンプルになっていっていることを実感する。

買い物をする場合でも、その行先はほとんど限定されている。東京で暮らしていた時はその時々の気分で新宿だ、銀座だ、表参道だ、と行先を変えていたのだから、今にして思えば「つくづく疲れる生活を送っていたな」と感じることもある。

東京はあらゆる刺激に満ちている。これはそこを離れて初めて実感出来るようになった。

千葉に暮らしていると、サッカーであれば柏レイソル、ジェフ千葉、バスケットなら船橋のジェッツ、野球はマリーンズ。こんな風にそれぞれのプロスポーツチームの存在感が際立っている。私自身、スポーツ以外のエンタメに疎いこともあるかも知れないから余計にそう思ってしまう部分はあるのだろうが、こうしたプロスポーツが共通言語として通用している風土を感じることが多いのは事実だ。

それが東京であるとなかなか難しい。強力なライバルが多すぎて「エンタメ」の1ジャンルとして「サッカー」が前に出ていける余地が圧倒的に狭い。それでも国立競技場がサッカーの聖地と称されていた時代は、Jリーグや日本代表の試合がトピックスになり得ていたのかも知れないが、現状では味の素スタジアムは調布の飛田給にあり、その時点で「東京」のイメージからも既に乖離(かいり)しているし、JFLの武蔵野シティのホームタウンも多くの東京人がイメージする「東京」とはギャップがある。

これでは「100人に1人」をスタジアムへ呼び込むことなど全く叶わない夢物語だ。今季関東リーグでしのぎを削りあう東京23FCと東京ユナイテッドにしても「23区」というあまりにも大きなパイをホームタウンとするクラブである時点で、果たしてどれほどの「23区民」の懐に入り込むことが出来るのか、私はかなり難しいのではないかとも感じている。

 

東京の中の「地方」を探せ

 

東京23FCがホームゲームを頻繁に行っている江戸川区、その人口は約68万人で岡山市と規模としては近い。もし東京23FCが「江戸川区」という地域をホームタウンとして宣言すれば、江戸川陸上競技場を15,000人~20,000人程度収容出来るスタジアムへ改装しても、毎試合満員に近い観客を集めることは可能かも知れない。

私が思うに、現在のJリーグのビジネスモデルは「地方都市」でこそ成功しやすいものではないかと感じている。それならば「東京」とか「23区」といったメガシティを対象にした商売をするのではなく、東京の中にも「地方都市」を見つけるべきだし、そうしないことには複数のクラブが永続的に共存していくのは難しいだろう。

東京ユナイテッドは人口が20万人程度しかいない文京区をホームタウンの中心として据えているので少し心配だ。あの地域は隣接する区の人口も軒並み少ないし、何より何代にも渡って住み続けることが非常に困難な「地元意識」が生まれにくい地域でもある。

こんな風に考えてみると、葛飾区をホームタウンとし今季から東京都1部に昇格した南葛SCや、同じく東京都1部に昇格してきたアローレ八王子のような「東京の中の地方」を本拠地とするクラブの方に将来的な可能性をどうしても感じてしまう。

あと10年、いやあと5年経てば、東京のサッカー勢力図は大きく変化しているだろう。

「アド街ック天国」のような番組で、その街の第1位にプロサッカーチームがなっているような時代がやって来た時、Jリーグが東京でも成功したと初めて言えるのかも知れない。

 

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私が撮影したJ.LEAGUEのフォトギャラリーです。基本的にJ2リーグ、J3リーグのみをまとめてあります。

 

首都圏、関東圏を中心にJリーグから都県リーグまでの試合日程を記したカレンダーを作成しました。是非とも現地観戦のご参考に!

2017年9月から、私が開設しているブログがあります。

ブログタイトルは「ラーテル46.net」

こちらのブログでは主に、私が最近妙に熱心に応援し始めた「柏レイソル」についての内容を多く記事にしています。

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