私たちはサッカーに何を求めているのか。
最高のスキル、最高の戦術、はたまた素晴らしいゴール、勝利、そして試合結果。人によってはボールが蹴られるあの音に魅力を感じているケースもあるだろうし、芝や土から薫るグランドの匂いがたまらなく好きだという人もいるかも知れない。
欧州に比べてJはレベルが低い!?
Jリーグのサッカーを指してこんなことを言う人もいる
「欧州のトップリーグを見てしまうと、Jリーグはレベルが低くてとても見ていられない」
私からすれば「何とも勿体ないことを言うな」と思ってしまうのだが、そう思えるようになったのも自分がJリーグを熱心に見るようになってからのこと。
それまでの私は強烈とは言わないものの、いわゆる「海外志向」も強く、主に日本人選手がプレーする欧州サッカーを見ることが圧倒的に多く、国内サッカーといえばそれはもっぱら日本代表戦であった。
実際に日本のサッカーファンの中には過去の私と同じような感覚を持っている人が少なからずいるはずだし、それ故サッカーコンテンツの中で欧州サッカーのニーズは依然として高いのだとも言えるだろう。
しかしながら、Jリーグを熱心に見るようになってそうした過去の私のサッカー志向は完全にどこかへ行ってしまった。
もちろん、未だに週末の深夜になるとDAZNで「ケルンの火事場の底力」を堪能したりもしている訳だが、直接スタジアムで観戦することが出来るJリーグ、もっと言えばJFLや地域リーグから感じる魅力は、画面でしか見ることの叶わない欧州サッカーのそれを大きく上回ってしまっているし、所詮DAZNで見る欧州サッカーは国内サッカーの「代用」といった感覚になってきている。
サッカーはそのシチュエーションを楽しむもの

ここで言いたいのは、何も「海外サッカーファン批判」ではない。
サッカーの面白みをどこに感じるのか、それについて私たちは本当にそこから「選手・チームの技量」「リーグ全体のレベル」だけを魅力としては受け取っていないのではないかということを言いたいのだ。
先日の「関東リーグ開幕PRイベント」にゲスト出演した錦糸町フットボール義勇軍、オットナー参謀長が非常に興味深い話をされていた。
「サッカーはそのシチュエーションを楽しむもの」
この言葉に続けて、参謀長はJ1から数えて5部にあたる関東サッカーリーグであっても、そこで見ることの出来る戦いは熾烈なものであって、そうしたシチュエーションがあるだけで十分楽しむに値すると話した。
つまり、そのサッカーがどのカテゴリーであろうと、同じレベルにあるもの同士のぶつかり合いには魅力があるし、それぞれのチーム状況、選手を含めた背景まで理解していれば、更にその楽しさを深めることが出来るということなのだろうと思う。
確かに、幼稚園の運動会でもそこで子どもたちの「かけっこ」を見守る保護者たちは、おおよそそれが幼児たちのそれではないかのような熱狂のさまを見せている。
1年生の「団子サッカー」であっても、周りで見ているお母さんたちは、Jリーグのサポーター顔負けの興奮ぶりで大きな声をあげて子どもたちを応援している。
こうした光景も、その子どもがどんな子どもで、これまでにどんな生活を送ってきて、この運動会に向けてどんな思いを持っているのか、そうした様々な状況や背景を知っているからこそ、そのシチュエーションを楽しむことが出来ている、その表れなのだろう。
今そこにあるサッカーを愛せ
Jを目指すからチームだから夢があって応援する人は、Jを目指さないチームなので夢が無いから応援しない人と言うことになる。それは『Jを目指す』プロセスを応援しているであって、純粋にサッカーチームを応援してるわけでは無い。目指そうが目指さなかろうが『今そこにあるサッカーを愛せ!』
— ロック総統(フランスやるねえ~) (@locksoutou) February 18, 2018
錦糸町フットボール義勇軍、ロック総統は「今そこにあるサッカーを愛せ」という言葉を自身の活動における最も大切な哲学として訴えている。
この言葉の持つ意味は「カテゴリーを気にするな、それを受け入れろ」という風に伝わってしまう節があるが、私はそれは正確ではないと考える。
今そこにあるサッカー、そのシチュエーションは今その瞬間にしか存在しない。
今そこにいる子どもたちの姿は今でなくては見ることも応援することも出来ない、だからこそ今を大切に、今を思い切り楽しもう。
こういうことをロック総統は言いたいのではないだろうか。
そうであるからこそ、カテゴリー昇格のみを追求するクラブやサポーターの姿を「Jリーグ至上主義者」として糾弾し、そこに存在しにくい「今を楽しむ」感性をしっかりもとう。そう叫んでいるのだ。
私は錦糸町フットボール義勇軍のおふたりから得た言葉
「サッカーはシチュエーションを楽しむもの」
「今そこにあるサッカーを愛せ」
この二つの言葉が意味する世界こそが、現在の日本サッカー界にとって最も大切な哲学であるような気がしてならない。
でなければ、ブラジルやドイツの3部リーグに何万人もの観客が集まっていることの説明がつかないのではないだろうか。
関東リーグ、東京23FCのホームゲームに毎試合5,000人の観客が集まり、J1のチケットを獲るのが困難になるような日本サッカーの姿を私は見てみたい。
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2017年9月から、私が開設しているブログがあります。
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こちらのブログでは主に、私が最近妙に熱心に応援し始めた「柏レイソル」についての内容を多く記事にしています。