進まぬ広島新スタジアム建設問題 クラブにとって一番大事なものは?

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サンフレッチェ広島の新たなホームスタジアム建設をめぐる問題は、遅々として進行していく様子を見せないまま、一番初めの「スタジアム推進プロジェクト」設置からおよそ15年、広島県と広島市の行政を巻き込んだ「サッカースタジアム検討協議会」設置からも既に5年が経過しようとしている。

混迷極まる広島の新スタジアム問題

サンフレッチェのホームスタジアム、エディオンスタジアム広島(広島ビッグアーチ)は陸上競技場であり構造的な課題を抱えているのに加え、老朽化も進み、そのアクセス面においても改善の目途が立っておらず、プロ野球広島カープの本拠地移転を機に、その跡地(広島市民球場跡地)を利用したサッカースタジアム建設をひとつのゴールイメージとしながら、県サッカー協会、クラブが新スタジアム建設の要望を行政や商工会に出し続けているものの、ほとんど前に進むことの出来ない状況が長年続いてしまっている。

かなり端折って議論構造をまとめると、行政・商工会がスタジアム建設地として推す「広島みなと公園案」とサンフレッチェ側が求める「旧市民球場跡地案」との間では、互いに全く妥協する姿勢は見せておらず、2013年の段階で検討委員会において一旦は候補地から外れた「中央公園自由広場・芝生広場案」が新たに浮上しながらも、2月に入ってから中央公園近隣の基町地区住民が、同候補地を建設候補地から外すことを求める要望書と署名を行政と商工会に対して提出するなど、その時を追うごとに混迷を極めているかのように見える。

こうして長くこの状況が続いていることが、サンフレッチェサポーターはもちろん、多くのサッカーファンの多くが、政令指定都市広島であっても、たかだか2万~3万収容規模のサッカー専用スタジアム建設への理解を得ることが難しいことであるのか、時には絶望感を以て、またある時には怒りの感情を伴って受け取られているのではないだろうか。

広島市民球場誕生の時も

私自身は、この問題の渦中にある人間ではないし、率直に言えば原爆ドームと道を挟んだ向かいにサンフレッチェの新しいサッカースタジアムが出来ようと出来まいと、そこにそれほどの関心は持っていない。

もちろん、広島の平和の象徴として多くの人々を集めている平和記念公園から広島城へとつながるあの地域の中に新しいサッカースタジアムが誕生すれば、間違いなく大きな文化拠点の核となっていくであろう想像はつくし、かつての市民球場がそうであったように、スタンド越しに原爆ドームの姿を望めるロケーションが、日本サッカーにとって大きな価値の創出につながっていくであろうイメージも持つことは出来る。

しかし、少なくともそれらの計画を県サッカー協会、サンフレッチェの力だけでは達成させることが出来ないからこうした事態になっているのであって、それに協力姿勢を見せない行政そして地域住民に対して怒りの矛先を向けるのは、見当違いなのではないかと思ってしまうのだ。

広島に初めてナイターで試合の出来るプロ野球スタジアム「広島市民球場」が誕生したのは1957年。原爆によって建物も人も全て亡きものとされてしまったあの地域に、市民にとって最大のエンターテイメントであった広島カープのホームスタジアムを建設する時であっても、それが決して平坦な道ではなかったと様々な資料に記されている。

当時の広島市長が球場建設を公約に掲げた人間であっても、その道は順風満帆ではなかったのだ。

スタジアム建設の先にどこを見つめられるのかが大事

もちろん、当時と今とではその対立構造も全く違うし、過去を殊更に美化するつもりも毛頭ない。

ただし、これは広島だけに限らず、素晴らしいスタジアム、今より優れた条件のスタジアムの存在こそがサッカークラブにとっての生命線では決してない。場合によってはリーグや大会のレギュレーションに適合出来ないこともあるかも知れないし、それによってチームの活動を制限せざる得ないケースも生まれてくるかも知れない。

しかし、例えそうであったとしても、クラブさえ、チームさえ存続してくれていれば、サッカーを楽しむ日常は奪われずに済むのだ。

クラブが長くその地域で息づいていく為に必要な要素は様々あるだろう。

「スタジアム建設」だけを目的化してはいけない。その先にあるものは、スタジアムが新しく出来なくては叶わないことなのだろうか。

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