「Jリーグサポーターは真剣過ぎる」
もちろん、何かに熱中するということは、時に人を真剣にするものでもある。
応援するチームが試合に向けて日々トレーニングを真剣に取り組むのと同じように、私たちファン・サポーターもチームと目標を同じくして、大事な試合前などには、心のどこかに緊張が宿り「ベストな状態」でスタジアムへ行けるように細かな努力やゲン担ぎをしたりする。
万全の準備をして臨んだ試合にチームが勝利すれば、完全に我が事として喜び、それであっても負けてしまった時などには、うっかり忘れていたゲン担ぎのひとつを思い出して後悔したり、まだまだ努力が足りていなかったと自己反省したりするものだ。
そんな風に喜んだり後悔したり反省したりしながらサッカーチームを応援する生活を送ることこそが、ファン・サポーターの特権でもあると思うし、そうであるからこそフットボールの世界がこれだけ多くの人々の人生に彩りを与え、時には破滅へと追いやるのかも知れない。
「真剣」であることが心の余裕を削ぎ落す
しかしながら、物ごとに対して「真剣」であることは、しばしば心の余裕を削いでいくこともある。
私などはまさにそのタイプで、このブログでも以前に書いてことがあるが、サッカー部の試合前に軽口を叩くチームメイトに対し怒りを剥き出しにする少年だった。
「今日の相手は俺らより強いから、どうせ勝てないだろ」
正直、今でもこういうことを平気で口にする人間の感覚を理解することは出来ていないが、当時の私は彼のこうした言葉によって、チームの闘争心が奪われるような気がして、無性に腹が立っていた。
裏を返せば、その程度で揺らぐような闘争心など、そもそも無いのも同然とも言えるのだが、こうした「余裕のない」心理を私だけが特別に強く抱いていたとは思っていない。
それを「怒り」の感情を持って外に発散するかしないかの違いはあっても、恐らくはチームの半数以上の仲間も同じような気持ちになっていたはずで、いつも彼の軽口に同調するムードが生まれなかったことからも、私の推測はそう見当違いではないはずだ。
Jサポーター同士の罵り合いは炎上しがち。
真剣に、熱心に何かへ取り組むことが心の余裕をなくす。
これを如実に表しているのが、Twitter上で見られる異なるチームのサポーター同士の罵り合いだ。
あるチームのサポーターが他チームのことについて嘲笑めいたことを書けば、途端に嘲笑された側のサポーターが反応する。そしてそのまま激しい罵り合い(中には人格を否定するようなものまで)に発展し、大炎上を起こしているケースもある。
文字によるやり取りが、こうした罵り合いを助長している側面はあるにしても、その大元のツイートを見てみると、どうしてここまで激しく言い合いになってしまったのか、と思えるような些細なものであることも多い。
私自身も若干その気があるので、「やりあって」しまった経験がゼロとは言わないが、ひとつだけ意識していることがある。
プロレスに見る「演出」された「罵り合い」
【深読み】内藤哲也、全方位に向けて煽る姿勢・・・頭が下がります|新日本プロレス – 起業反逆者のプロレス論ブログ https://t.co/HsAIOkJySj #はてなブログ #njpw
— プロオタ (@funabasi777) February 17, 2018
プロレスの世界ではリング上、場外を問わず「マイクパフォーマンス」が試合を盛り上げる上での大きな要素となっている。基本的には対戦相手やライバル選手間での罵り合戦ではあるのだが、そこには少なからず「演出的要素」が加えられている。お決まりのセリフを持っている選手もいれば、芸人顔負けの笑いを巻き起こす選手もいる。
こうしたマイクパフォーマンスは、プロレスというエンターテイメントには欠かせないものになっており、これを目当てに会場へ行くファンもいるほどだ。
このマイクパフォーマンスは芝居で言えば「狂言回し」の役割も果たしているので、それぞれの対戦の意味や、これまでの流れ、そうしたものを理解する上でも非常に大きな意味を持っている。
そして、これが一番大事なのだが、プロレスファンはこのマイクパフォーマンスが「演出」であることを理解している。
だから、新日のヒール内藤哲也が「この新日本プロレスの主役は俺だ!」とふてぶてしく叫んだところで、本当は内藤が「いい人」でファンサービスが丁寧なのをファンは皆知っているし、棚橋とも本当は仲がいいはずだと思っている。
つまりプロレスの世界には選手たちの「罵り合戦」をショーとして、エンターテイメントとして楽しむ土壌があるのだ。
Jサポーターもプロレス的な「罵り合い」を楽しもう
この「プロレス的」な「罵り合戦」をJリーグサポーターが出来るようになれば、日本サッカーに対する魅力がさらに大きくなっていくだろうと私は感じているのだが、実際にはなかなか理解を得られてはいない。
なので、こうした記事を書くこと自体が批難されることもあるだろうし、「Jリーグにはそんなものが無くても十分魅力はある」とした考えを持つ方も多いだろう。
本来であればJサポーターが、プロレスラーたちのように面と向かって「罵り合戦」を出来れば最高に面白いのだが、これを下手に進めれば暴力沙汰になる危険もあるし、そもそもサポーターはプロレスラーの様にエンタメのプロではないので、私もそこまでのリスクを取る必要は考えていない。
そうすると、最適なのはTwitterだ。ほとんどのユーザーが仮名で参加し、その言葉のやり取りにリアリティを感じにくい環境にあるし、何といってもそのやり取りをアカの他人が簡単に見ることが出来る。そこで傍観するもよし、加勢してみるもよし。
ただし、あくまでも自分たちで楽しまなくてはいけないし、見る人たちを「楽しませなくてはいけない」という意識は常に肝に銘じて「罵り合う」のだ。
何ごとも真剣になり過ぎると心の余裕をなくしがち。私も楽しく「罵り合戦」が出来るような心の余裕は持っておきたい。
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2017年9月から、私が開設しているブログがあります。
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こちらのブログでは主に、私が最近妙に熱心に応援し始めた「柏レイソル」についての内容を多く記事にしています。