Jリーグ 新たなファンの心に刺さるのは「どういう選手」ではなく「どういう人」

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こうして非常に熱心にサッカーと向き合う生活を再開させた私であっても、毎年Jリーグ開幕前に各社が発売する選手名鑑については、ほとんど毎年のように購入してきた。

サラリーマン時代の私の生活サイクルは週末も平日も関係なく流れていく毎日で、そういう生活を25年間も続けてきたことが、私を徐々にスタジアムから遠ざけていったわけだが、それでも毎年手にするJリーグ選手名鑑を暇を見つけては眺めるのが、ひとつの楽しみにもなっていた。

 

エルゴラの選手名鑑を読み込む妻

 

今季の選手名鑑については、スタジアムにも手軽に持っていけるという狙いで、エルゴラッソのハンディ版を購入してみたのだが、その情報量の多さに比例し文字の大きさがかなり小さく、40代半ばの私にとっては老眼鏡をかけないことには、ほとんど読み取ることが叶わず、仕方がないので通常版の買いなおしを検討しているところだ。

そんな私には不要となってしまいつつあるエルゴラッソ「Jリーグ選手名鑑」ハンディ版を柏レイソルを一緒に応援している妻が非常に熱心に読み込んでいる。

彼女はサッカーの経験がないどころか、これまで自分ではほとんどスポーツをしてこなかったような人で、スポーツ観戦についても私のお供として着いてくることはあっても、自分から積極的にスタジアムへ足を運ぼうとするようなタイプの人間ではなかった。

しかし、私と日立台へ通い続ける中で、柏レイソルのことはもちろん、対戦するJ1クラブにも少し興味が湧いてきているようだ。

 

妻にとってキム・ボギョンは「女の赤ちゃんがいる新米パパ」

https://twitter.com/J_League/status/958572220971978752

 

彼女にしてみれば、その選手が「サイドバックが本職」というようなことを言われても、そのポジションがどういう役割を担うのか、どうやらそれすらも怪しいらしい(内田篤人はサイドバックだと言われ、レイソルで言えば誰と同じポジションなの?と聞いていた)。

ポジションの役割や意味すら危ういくらいだから「ハイプレス」だとか「コンパクトに保って」とか、そういう戦術的な概念については、かなり丁寧に説明したとしても伝わらないと思ったほうがいいし、そもそもそんなことを理解出来ていなくても、日立台のスタンドであれだけ楽しそうにレイソルの試合を観ているのだから、無理をして説明する必要もないのだろう。

ただ、そんな妻であっても私が驚くような、選手に関する情報を口にすることがある。

「中川選手は小麦アレルギーだから、食べられるものが少なくて大変だ」

「キム・ボギョン選手のうちに生まれた赤ちゃんは女の子だ」

私にしてみれば「どこでそんな情報を知り得たのか」と思うようなことを、彼女は頻繁に披露してみせる。

私にとって中川寛斗が「小柄ながら無尽蔵な運動量でレイソルのハイプレス戦術に欠かせない選手」であっても、妻にとっては「小麦アレルギーを奥さんと一緒に乗り越えている選手」であり、キム・ボギョンは「女の赤ちゃんがいる新米パパ」なのだ。

 

Twitterタイムラインに見つけた指摘「選手のことを知ろうと思っても情報がない」

 

Twitterのタイムライン上で、こんな意見を最近目にすることがあった。

「選手のことを知ろうと思っても情報がない」

これは、Jリーグのファンになるかも知れないような女性ファンがJリーグのスタジアムで感じた感想だ。この女性はJリーグスタジアムには「ムラ社会」があるように感じてしまっていて、その具体的理由のひとつとして、この「選手のことを知ろうと思っても情報がない」を挙げていた。

他に挙げていた2つの理由は、サッカーというスポーツ自体に対する見方、楽しみ方が分からないということであったり、応援が独特で一緒に盛り上がれないといったもので、これらについては、私もある程度理解出来たのだが「選手のことを知ろうと思っても情報がない」という理由については、全く想像していなかったことでもあり、これから興味・関心を持とうとしているファン層に向けた情報発信がまだまだ一義的で、あらゆるニーズに対するきめ細かなサービスが十分でないことを痛感させられた。

 

新規ファンの心を掴む「フック」を仕込め

 

あるサッカー選手についての情報を発信するときに、背番号、ポジション、年齢、身長・体重といったプレイヤーとしてのスペックだけが伝えられることは多い。最近では各クラブが趣向を凝らして選手のプライベートに迫るような質問項目を設定し、クラブの公式サイトなどを使って公開されているケースもほとんどだが、そうした情報も言って見れば投げっぱなしで、熱心なファンであれば、同じ情報を1年中見せられているようなもの。

例えば、その日スタメン出場する選手だけでも「前の晩、何を食べたか?」とか「この1週間で最も衝撃を受けたニュースは?」のような、その時にしか聞けないような質問に応えさせてみても面白いだろうし、そうした質問への選手達の応えの中にこそ、新規ファンの心を掴むような「フック」が隠れているのではないかと、私は真剣に思ってしまう。

つまり、新たにファンになろうとしている人たちの心に刺さるのは「どういう選手なのか?」よりも「どういう人なのか?」なのではないだろうか。

これは何も女性ファンに限ったことではなく、人間が興味・関心を抱く対象はやはり人間であると思うし、人が人を好きになるきっかけが、その人間性に触れたことであったりするのは、往々にしてあり得ることでもある。

こういうことを書いていると「スポーツの本質はそこではない!」と指摘されてしまうことも多いが、サッカー界が現状に満足しているどころか、大きく成長していかない限り、このまま存続していくことすら危ういと認識しているのは事実で、その為にはスタジアムへの集客はもちろん、世間一般の関心をもっと集めていかなくてはならない。

それを実現させるためには、これまでサッカーが関心の対象でなかったファン層を取り込むことは不可欠で、そうしたファン層はこれまでと同じ手法のプロモーション、情報発信手法では絶対に獲得出来ないだろう。

「選手のことを知ろうと思っても情報がない」

この指摘に対して「それはあなたが情報を取ろうとしていないからだ」で済ませていては、何も前に進まない。

 

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2017年9月から、私が開設しているブログがあります。

ブログタイトルは「ラーテル46.net」

こちらのブログでは主に、私が最近妙に熱心に応援し始めた「柏レイソル」についての内容を多く記事にしています。

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