試合中継はDAZNの独り勝ち。ならばJリーグよ著作権を振りかざすのはやめよ!

Jリーグ

関連リンク

 

Pocket
このエントリーをはてなブックマークに追加

いまや、地上波テレビ、新聞、雑誌といった既存メディアが辛うじてその存在意義を果たしていると言ってもいい時代になってきている。

今から約15年前、プロ野球読売ジャイアンツの試合は、リーグ開幕前のオープン戦の段階から、ほぼ全試合が地上波でゴールデンタイムに全国へ生中継されていた。(一部の地域では午後9:00から〇〇〇をお送り致します。という断りが入り最終回まで視聴出来なかった方もいらっしゃったかも知れないが)

それが2017年のペナントリーグにおいては、ジャイアンツの試合が地上波で生中継された回数は僅か16試合程度。最盛期130試合以上の地上波中継がされていたことを考えると、この15年という時間の中で、盟主ジャイアンツの置かれている環境が激変したことを物語っている。

 

地上波放送の減少はニーズ変化のあらわれ

こうした話をすると「プロ野球やジャイアンツの人気凋落のあらわれ」と捉えられがちだが、実際のところ、セ・パ両リーグともその観客動員数は年々上昇傾向にある。2005年~2016年の観客動員数統計を見ると、セ・リーグで119%の伸率、パ・リーグに至っては134%の伸率となっており、少なくともそのスタジアムにおいては、プロ野球人気は凋落するどころかむしろ成長しているのだ。

そして、ジャイアンツの試合の生中継についても、地上波放送こそ激減しているものの、CSやBS、WEB配信などの手段がそれに代わる形で、生中継放送の役割を担っている。

かつてテレビこそがメディアの王様であった。

しかし、あらゆる情報が15年前とは比べものにならないほどのスピード感を以てやりとりされているこの時代にあっては、テレビというメディアが「新鮮な情報発信元」として成立しにくい環境になっている。

こうした時代の流れに沿って、プロ野球そしてジャイアンツに対するニーズもより「速く」「深い」ものへと変わり、旧態依然とした地上波中継ではファンの満足度が得られない実情もあるのかも知れない。

 

DAZNによってWEB配信スタイルへと大変革したJリーグ

https://twitter.com/GoalJP_Official/status/961412338619437056

Jリーグは、その創設当初こそ地上波テレビ放送の頻度も高かったが、Jリーグブームの終焉と共に、その放送手段としてはBS(NHK-BS)、CS(スカパーなど)放送を中心としたものへと変化していったが、「黒船」DAZNの出現により2017シーズン以降、その情報発信手段は完全にWEB配信を中心としたスタイルに変革していっている。

WEB配信自体がSNSと親和性が高いどころか、ほぼ同義であるも同然なので、Twitterのタイムライン上にも、DAZNが発信元となっているJリーグに関する情報が毎日切れ目なく届いてる。こうして情報を習慣に近い形で目にしていれば、当然ながらJリーグへの関心も高まっていく。SNSが「同好の士」で固まる傾向のあるメディアであることを差し引いたとしても、こうしたDAZNの戦略が2017シーズンの観客動員増に繋がっていると見る向きもある。

いまや、TwitterをはじめとしたSNSが、多くの人々の情報源として大きな役割を果たしているという事実は疑いようのないものである。

それまでテレビや新聞、雑誌といった既存メディア、そこから少し時計を進めたとしても、インターネットを使った情報検索サイトなどを使って得ていた情報が、それをはるかに凌ぐスピードとボリュームを以てSNSが発信するという構図は、今後も更に強くなっていくのだろう。

 

Jリーグが振りかざす「著作権」

https://twitter.com/J_League/status/958309500947120129

 

こうした情報発信についての大変革の波に、Jリーグは果たして乗りきれているのだろうか。

DAZNが惜しげもなくその映像素材を情報発信のコンテンツとして使い尽くしている一方で、Jリーグは文書・画像・映像等コンテンツなどに対して厳格に著作権を振りかざしている。

著作権について

公益社団法人 日本プロサッカーリーグが運営するJリーグ公式ウェブサイト(以下「本サイト」と称します。)上の文書・画像・映像等コンテンツの著作権は、公益社団法人 日本プロサッカーリーグ、株式会社Jリーグメディアプロモーション、Jリーグフォト株式会社、株式会社Jリーグエンタープライズ、Jリーグデータセンターおよびその関連団体に帰属します。本サイト利用者は、各著作権所有組織の了解・許諾があった場合を除き、営利・非営利の目的にかかわらず本サイト上の文書・画像・映像等コンテンツを複製することはできません。

また本サイト上のコンテンツは著作権法により保護されています。サイト利用者が著作権者の権利を侵害した場合には、著作権法により罰せられますのでご注意ください。

なおJリーグでは、「Jリーグのロゴ・エンブレム・フラッグ・キャラクター(マスコット)等に関する商標権・著作権」、「Jリーグの公式試合・公式イベントにおける映像(動画)・静止画像等に関する著作権・著作隣接権」および「公式試合・公式イベントに関する選手・監督・コーチ等の肖像権」を管理し、保護・有効活用する目的で『Jリーグ肖像権・著作権・商標権等の利用規程』を定めています。こちらの方もあわせてご覧ください。

2012年4月1日 公益社団法人 日本プロサッカーリーグ

Jリーグ公式サイトより引用

2012年4月に設けられ、それ以降内容の見直しがされていないところに、そもそもの時代錯誤感を覚えてしまうが、この傾向はJリーグクラブにおいても共通している。

ほぼ全てのクラブが試合を撮影した動画、画像のインターネットを通じての使用を禁止している。みなさんがYoutubeなどでよく見かけるサポーター達がアップロードしている試合の動画も、それが例え営利を目的としたものでなかったとしても、厳密に言えば禁止されている行為なのだ。

Jリーグを強く世間に訴求していくべきJリーグやJクラブが、その一助となっているかも知れない情報発信を禁じている。

もちろん、著作権は知的財産権の一部として法で定められた大切な権利であり、概念だ。

しかし、それも時代の変化に合わせて適用を変えていかなければ、折角の財産を何の価値もないものにしてしまいかねない。

財産は活用されてこそ価値が認められる。

https://twitter.com/J_League/status/960097686862012416

スタジアムへ行ったファン・サポーターが撮影した動画や画像の情報発信は当然ながら、現在「J.LEAGUE PHOTO LIBRARY」でがっちりプロテクトされている画像素材についても、著作権を振りかざすのではなく、多くの人々がそれを目にする機会を増やす方法に目を向けるべきではないだろうか。

今後Jリーグがその市場規模を格段に大きなものとしていこうと思うのであれば、まずは自らの持つ財産の有効活用から考えるべきであり、まさにそれこそが時代の潮流に即しているとは言えないだろうか。

 

よろしければこちらも!

日頃あまり人の目に触れることの多くない下位カテゴリーの試合画像を中心に、私が試合会場などで撮影した画像をまとめたPHOTO GALLERYです。

 

私が撮影したJ.LEAGUEのフォトギャラリーです。基本的にJ2リーグ、J3リーグのみをまとめてあります。

 

首都圏、関東圏を中心にJリーグから都県リーグまでの試合日程を記したカレンダーを作成しました。是非とも現地観戦のご参考に!

2017年9月から、私が開設しているブログがあります。

ブログタイトルは「ラーテル46.net」

こちらのブログでは主に、私が最近妙に熱心に応援し始めた「柏レイソル」についての内容を多く記事にしています。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で