未来の日本サッカー界が、より多くの人々にとって幸せなものとして存在していくために。
錦糸町フットボール義勇軍ロック総統が叫ぶ
「今そこにあるサッカーを愛せ」
この哲学がより多くの人たちの心を揺さぶる時は果たして訪れるのだろうか。
これまでに【今そこにあるサッカーを愛せるか】という大テーマについて、第1弾~第3弾まで、主に私の実体験をもとにした記事を書いてきた。

日本のスポーツ界に存在するトップ選手を頂点とした「競技力至上主義」ピラミッドが、将来の愛すべきサッカーファン予備軍を排除する傾向にあるのではないか。
日本社会は、もっと多くのサッカーファン、スポーツファンを生み出す力があるのではないか。
そんな思いのたけをそのままキーボードにぶつけたような文章に、読んでいて辟易された方もいらしたたかも知れない。
ただ、私は何も特定の個人・組織をことさらに批難するつもりは毛頭なく、古く「体育教育」の一環として発展してきた日本のスポーツの世界は、そろそろ「体育」「教育」から卒業するべきではないかと思っているのだ。
5歳の少年は才能がなくてサッカーを辞めた
我々はスポーツで遊べているか
PLAY(プレー)と英語には「遊ぶ」という意味がある。
日本人は、サッカーをスポーツを果たして「ちゃんと」遊べているのだろうか。
競技者として通用する実力をもった選手になれる子どもは一握りしかいないのに、全ての子どもに対して「競技者を育成する教育」を施すことが最良とされてはいないか。
そして「競技者を育成する教育」というレールから外れてしまった子どもであっても、彼らに身体を動かすことの爽快さを感じることの出来る「受け皿」は用意されているのだろうか。
才能がなくてサッカーを辞めた

今年小学生にあがる親戚の少年が、1年前に会った時はサッカーをやっていたと聞いていたのに、今はそれを辞めてしまったという。母親はその理由をこう話した。
「サッカーはね、なんか才能がなくて、、やめちゃったんだよね」
「競技力至上主義」のピラミッドは、5歳の少年であっても容赦なく排除する現実に触れ、それを聞いて愕然とした。勿論、本当の理由なんてきっと些細なことであったに違いない、ボールが怖いとか、砂遊びの方が楽しいとか、弟とおうちで遊びたいとか、、、しかし、少なくとも母親は「5歳の少年が才能がなくてサッカーやめる」という理由が、周囲に受け入れられるのには十分な理由であると認識していることには変わりない。
断言は出来ないが、あの5歳の少年がこれからの長い人生で、サッカーを好きになることはないかも知れない。
いや、スポーツ自体を好きになる可能性も低いと言えよう。
5歳にしてサッカーの才能がないと判断された子どもだ、それが8歳になろうが12歳になろうが、その「才能」が認められるスポーツと出会えるとは思えない。
「才能がなくてサッカーをやめなくてはならない」のがプロのサッカー選手であれば誰もが理解出来る。しかし、そんなプロ選手であっても「才能のなさ」を自認するまで、ずっとサッカーをプレーしてきたのだ。
ピッチを躍動する選手の姿の「身体感覚」が蘇る
私はサッカーファンだ。
今ではすっかり「観る」ことが専門となってしまているし、私の妻のように、ほとんどスポーツの経験が無いながらも、Jリーグの試合を非常に楽しそうにしている様子を見ていると、「観るスポーツ」の素晴らしさも実感することも多い。
しかし、そうではあっても私の根っこにあるのは、自分がボールを蹴り、走り、クタクタになり、時には大きな怪我を負った、かつてのサッカーとの濃厚な生活であり、そうした経験が「身体感覚」としてその残像を残している。
ピッチを躍動する選手たちの姿を見ること、応援することに夢中になり爽快感すら覚えるのは、その「身体感覚」が蘇ってくるからだ。

私はサッカー経験者でなくては最高のサッカーファンになれないとは思っていない。
ただ、半ば病的と言ってもいいほどにサッカーが私を虜にしてしまっている理由については、私自身がサッカー経験者であることが間違いなく起因している。
スポーツは人生に彩りを与えてくれる。
これを実感するようになったのは、ここ数年の話だ。
40代、いやそれ以上の齢になってからスポーツを始める方もあるだろう。ただ、そういう方はかなり意志の強い方でもあるはず。
最も身体が動き、横を向けば共に遊ぶ仲間がいる少年たちに、スポーツの「競技力至上主義」ピラミッドを上ることだけを強い、ドロップアウトした者に対して、さしたる「受け皿」がない現実には、非常に勿体なさを感じてしまうのだ。
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