【今そこにあるサッカーを愛せるか】②サッカー文化=新たな価値を見つけること

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未来の日本サッカー界が、より多くの人々にとって幸せなものとして存在していくために。

錦糸町フットボール義勇軍ロック総統が叫ぶ

「今そこにあるサッカーを愛せ」

この哲学がより多くの人たちの心を揺さぶる時は果たして訪れるのだろうか。

前回は【今そこにあるサッカーを愛せるのか】を語る第1弾として「下手くそサッカー少年が何故サッカーを愛せたのか」というテーマで、私の実体験をもとにしながら「下手くそサッカー少年」の重要性について書いた。

「サッカー界を支えていくのは、選手ではなくファン」この考えについてもそこで触れている。

今回は、この「サッカー界を支えていくのは、選手ではなくファン」という考えに関連して、スポーツ界に存在する「競技力至上主義」が、日本社会におけるスポーツ文化の発展を阻害してているかについて考えるとともに、新たなサッカー文化を作っていくカギについて考察していきたい。

 

スポーツ界に存在する「競技力至上主義」

 

日本のあらゆるスポーツ界には漫然と「競技力至上主義」が存在する。

ここで私が使う「競技力至上主義」という言葉を簡単に定義すると、こういうことになる。

「競技力が最も高い者にこそ、最も高い価値がある」

この思考傾向はマイナースポーツであろうと、メジャースポーツであろうと、必ず存在すると言っていい。

日本サッカー界についても、当然ながら「競技力至上主義」は存在するし、更に質(たち)が悪いのは、こうした「競技力至上主義」思想を持つ人たちの多くが、その自覚を持っていないことだ。

日本の様々なスポーツの協会や連盟の顔触れを見てみれば分かるが、そのほとんどが「優秀な元選手」で構成されている。全くの門外漢が要職やトップに就いているケースはかなり少ないと言えるだろう。

もちろん、日本サッカー界もその例にもれない。

歴代の会長の名前を並べてみても、最近に近くなればなるほど「元日本代表」という経歴の持ち主で埋まっていく。(近年では、サッカー選手でなかったのは小倉純二会長くらいだ)

私はサッカー協会の会長が元サッカー選手であってはならない、と言いたいのではない。

日本のあらゆるスポーツ界がこうした「競技力至上主義」色に染められていても、ほとんどの人々がそうした状況に疑問を覚えないどころか、そういうものだ、と思い込んでしまっている。

こうした実情こそが、日本のスポーツ文化の発展を阻害する要因となっていると私は思っている。

 

「競技力至上主義」≠「勝利至上主義」

「競技力至上主義」がスポーツ文化発展を阻害する最も大きな要因は、この思想が「勝利至上主義」と非常に親和性が高いことが挙げられる。

スポーツを見る上での最大の関心事はその「勝敗」であり、オリンピックが始まればこれが「メダルの数」にかわる。

彼らにとって「勝者」こそがスポーツ選手であり絶対だ。

しかし、このように現代の世の中が「勝敗」でしかスポーツを感じ取ることが出来ない世界になってしまっているのは、日本のスポーツ界がその有史以来「競技力至上主義」「勝利至上主義」にだけ大きな価値を見いだし続けてきたからに他ならない。

「Jリーグはつまらないから見ない」というサッカーファン

サッカーファンであるけれど、その関心が欧州のトップリーグなどに向いている人たちが、Jリーグを「レベルが低いから面白くない」と言って全く楽しむことが出来ないのも「競技力至上主義」「勝利至上主義」の影響が強くあらわれている。

彼らはJリーグを「レベルが低く面白くない」から見ないのではなくて、本当は「世界最強リーグを見ることにしか面白さを感じられない」のだ。

メッシやクリスティアーノ・ロナウドが世界最高の選手として評価されているから「面白い」と感じているだけで、サッカーそのものが楽しめているわけではない。

「競技力至上主義」「勝利至上主義」が彼らの心の中に植え付けられてしまったばかりに、彼らは日本から遥か彼方で行われているサッカーにしか「面白さ」を感じることが出来なくなってしまったのだ。

 

「そこ」に存在する新しい価値を見つけよう

スポーツの世界に存在する「競技力至上主義」はもちろん完全に排除することは出来ない。

何故なら、スポーツの世界には必ずそこで戦い、挑戦する選手たちが存在するからだ。

しかし、それを見て楽しむ我々まで「競技力至上主義」「勝利至上主義」にしか価値を見いだせないのは、あまりに勿体ない話である。

「サッカーを愛す、サッカーを楽しむ」ということを敢えて定義するとすれば、それは「サッカーに対して、どれだけ多くの価値を見い出せるか」であると私は思う。

勝敗やメダルの数だけではなく、そこに存在する「競技力至上主義」「勝利至上主義」とは違った価値を見つければ見つけるほど、サッカーの世界は広がっていく。

そして、同じような感性を持った人とその「価値」が共有できれば、それは新たなサッカー文化として発展していく可能性が生まれる。

今後、日本のサッカー界がさらに大きく発展していく為には、こうして誕生する新たな「サッカー文化」こそが重要ではないだろうか。

日本サッカーの進むべくベクトルの方向を「W杯における日本代表チームの活躍」だけに向けるのは止めよう。

スポーツ文化とは本来「強者」だけを求めるものでは無かったはずだ。

 

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