Fリーグに活路を見いだすポイントは「プロレス化」じゃないか?
Fリーグ2017/2018プレーオフ決勝第2戦の行われた駒沢公園屋内球技場のスタンドで初の現地観戦をした私の中でこんな思いつきが脳裏をよぎった。
Fリーグレギュラーシーズンの上位チームによるプレーオフは、年が明けた1月13日に1回戦、14日に準決勝が行われ、リーグ1位の名古屋オーシャンズに対する挑戦権を獲得したのは、リーグ2位ペスカドーレ町田。2日間の連戦で開催される決勝戦の第1戦を2-4で落としている町田にとってこの第2戦はまさに背水の陣。2戦合計のスコアが並んだ場合は、リーグ1位の名古屋にその栄冠がもたらされるレギュレーションの中、町田には3点差以上での勝利が必要だった。
名古屋オーシャンズ優勝!!
王座奪還だっ!! pic.twitter.com/XIiquOyx4D— 名古屋オーシャンズ @7/29(日)F選抜戦! (@oceans_nagoya) January 21, 2018
と、この試合の「概要」を書いてみたが、実際に私がアリーナで感じたものは、こうした「スポーツニュース的」な背景などある種どうでも良くなるような、「Fリーグの活路」をどうやって見いだすべきかという思いの錯綜だった。
熱気あふれる「アリーナ」
会場に生まれる一体感

この日駒沢屋内球技場に集まったの観客は1759人。Jリーグのスタジアムであれば少し寂しい観客の数と言えるが、この球技場にとってはこの人数でも満員御礼だ。試合開始ギリギリで現地に到着した私は空いている席を見つけることが出来ず、結局試合終了まで立見をすることになった。
決してキャパシティが大きいとは言えない駒沢屋内球技場ではあるが、その熱気はアリーナ独特のもので、両軍サポーターの熱い応援もあいまって、会場全体に一体感が生まれていくのを強く感じた。
試合はとにかくゴールが必要な町田を尻目に、終始名古屋ペースで進んだが、スタンドにおいては圧倒的に優勢であった町田が終盤に「意地のゴール」を挙げるたびに、アリーナ全体の興奮度はどんどん高くなっていった。
私は前日に行われた決勝第1戦をAbemaTV.のネット配信で観ていたが、画面を通じてだけでは現場のこの空気感を感じることは出来なかった。試合を通して、そのムードを盛り上げる実況DJがいたことも、現場に行って初めて知ったほどだ。
拭いきれない「物足りなさ」
ただ、そこで行われている競技としてのフットサルについては、配信画面を見ていた時の印象とさほど変わらなかったというのが正直な印象だ。もちろん、選手の汗の匂いすら漂ってきそうな距離感での観戦であるので、それなりに迫力はあるのだが、私のように普段サッカーを観ている人間からすると「狭い局面の連続」を見せられているようで、どうしても物足りなく感じてしまうのだ。
「競技としての魅力を追求するだけではFリーグは勝ち残れない。」
いつしか、私はそんな風に考えはじめていた。

Fリーグをプロレス化せよ!
ゲームを楽しみ「ヤジ」を飛ばす
そんな風に幾分「物足りない」と思いながらこの試合を観戦していた私だったが、ある光景を見続けることで「Fリーグはプロレス化すれば成功するんじゃないか?」という思いに至った。
私が見たある光景とは、最もコートから近いスタンドから大声でヤジを飛ばしている複数のファンの姿である。
フットサルはアウトオブプレーになる度に時計が止まりアリーナ全体が若干トーンダウンする瞬間がある。そのタイミングに合わせているのか、静かになるから聞こえてくるのかは判断出来なかったが、かなり大きな声でヤジを飛ばしているファンが複数いるのだ。言葉の内容までは理解出来なかったが、どうやら外国人もその中に混じっているように見えた。
ただしヤジといっても、選手や審判を非難するような言葉を叫んでいるというよりは、ゲームを心底楽しみながら絶叫しているといった方がニュアンスとしては近いようにも感じられる。何とも楽しげに「ブーイング」したりしているのだ。
実際に体感しないとなかなか伝えるのが難しいのだが、彼らの存在は間違いなくこのゲームを盛り上げる要素のひとつになり得ていた。

Fリーグをプロレス化
「もし、全ての観客があんな風に自由に絶叫し出したら、凄いムードになるだろうな」
私はそんな風に思いつつも、アリーナという閉じられた空間で行われるフットサルには「アリーナライブ」や「プロレス」の様な方向性を模索すべきではないかと思いはじめたのだ。
広大なオープンスペースを必要とするサッカーでは不可能でも、フットサルならば「プロレス」に近いムードを会場全体に生み出すことが出来そう。そんな単純な思いつきが頭をよぎったのである。
そして、駒沢屋内球技場で行われているFリーグ決勝を見ながら、そこに見える風景がどう「プロレス」に変換出来るのか考えはじめた。
実況DJの古館化 選手のレスラー化 スタンドの絶叫化
https://twitter.com/zosanzensekai/status/950185178638381057
まず、Fリーグが「プロレス化」していくとして、実況DJの力量はかなり大きな「魅力」のひとつとなるはずだ。
現状でも要所でゲームを盛り上げる存在にはなっているが、あの程度では全く物足りない。それこそ「プロレスの古館節」に匹敵するようなクオリティは求めていきたいし「このゲームのDJは〇〇さんだから、絶対楽しい試合になるよ」とファンに思わせるレベルにまで昇華出来れば最高だ。
そして、選手たちも個性を前面に押し出すようなプロモーションが必要になるだろう。
新日本プロレスが一時の凋落から見事に復活してみせた理由として、選手を徹底して「キャラクター化」し、その「対立構造」なども含めた「物語」を誰にでも分かるように発信していったことにあると私は思っている。

その為には最低でもそれぞれの選手に「キャッチフレーズ」をつけるべきだ。
「金の雨を降らせる男」オカダカズチカ、「制御不能の男」トランキーロ、内藤哲也のように、その選手の特徴がすぐに理解できるようなキャッチフレーズがあることが、間違いなく観戦する上での楽しみを増幅させるだろう。(Fリーグに所属するクラブの公式サイトを見てみると、フウガドールすみだは、選手にそれぞれキャッチフレーズをつけていた、またそれぞれのTwitterアカウントまで記載されている手回しの良さも感じた)
古館ばりの実況DJ、レスラーばりの選手の個性、スタンドで絶叫するファン、もうこの3つの要素が変わるだけで、Fリーグはきっと「興行」としてやっていけるはず。
敢えてもう1つ加えるとすれば、会場でビールを販売することも必要かも知れない。恐らくあの空間とビールは間違いなく相性がいいはずだし、少しアルコールが入っているくらいが絶叫するのにも丁度いい。
門外漢であってもFリーグが消滅する姿は見たくない
私のような「フットサル門外漢」にとっても、Fリーグの厳しい現状を伝え聞くのは決して気持ちのいいものではない。そして何とかこの先もFリーグがその存在意義を示していく為に、そこに関わる人々の努力は計り知れないものがあるだろう。
「Fリーグをプロレス化」という提言は、自分でも突飛であるとは思う。しかしながら、Fリーグはその基本概念、目指す方向性、そういった根本の部分についても勇気を持った挑戦をしていかない限り、今以上の進化は見られないと私は思う。
門外漢であってもFリーグが消滅する姿は見たくない。
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