先日西が丘サッカー場で行われた全日本大学女子サッカー選手権を観戦しに行った際に初めて知ったのは、この大会が「入場料」を取らずに運営されていたということだ。
私は1,000円程度の入場料は取られるものだと思っていたので、あの小さいチケットボックスのシャッターが下りているのを見た時には、一瞬「売り切れたのか?」と不安になってしまった。
大会プログラムこそ販売されていたものの、高校選手権の際には出店している飲食ブースもなく、スタジアムから最も近いコンビニには弁当を求める観客や大学女子選手で異常に長い行列が出来てしまっていた。
入場無料の大学女子サッカー

あの日西が丘に集まった観衆は約5,000人。
キャパシティを考えても、この人数がスタンドを埋める西が丘は「盛況」といっていい部類に入るだろう。
なでしこジャパンの様に、名の知れた選手が出場するわけでもないこの試合に、5000人もの観客が集まった理由として「入場無料」だったことは多分に影響していたはずで、多くの小学生、中学生年代の子どもたちが多くスタンドに見られたのにも、そうした背景があったからであろう。しかしながら、私のように入場料を払えと言われれば払ったであろう観客も少なくはなかったはずだ。
しかしながら、なでしこリーグですら1,000円程度の入場料で観戦出来てしまう女子サッカーにおいては、それが例え大学日本一を決める試合であっても、入場無料となるのは自然なことなのかも知れないし、そもそも学校教育の一環でもある大学女子サッカーで入場料を取る必要性もないものと考えられているのだろう。
大会規模に応じた入場料設定

一方で男子の大学日本一を決める全日本大学サッカー選手権については、小中学生や高校生については基本的に入場無料(学生証の提示が必要、高校生は決勝戦のみ一般料金)だが、一般客からはその1回戦から入場料がかかる。とは言っても大学サッカーが「興行」としてみなされているわけではなく、入場料収入はあくまでも大会運営コストを補填する程度のものであって、あくまでもその大会に対する注目度と単純な運営規模によって入場料を取るか取らないかが判断されているように思う。(圧倒的に注目度で勝る高校選手権の入場料は、大学選手権よりもはるかに高い)
アマチュアでも入場料は取るべき
新東京ダービーの関連記事です。
【有料試合、そしてスカパー!】2017年 関東サッカーリーグ 後期2節 東京23FC vs 東京ユナイテッドFC 試合結果まとめhttps://t.co/DsSANVMK9x— nagi@サッカー垢 (@nagi_football23) December 14, 2017
コミュサカに体力がつけば日本サッカー全体のボトムアップに
私は日本のアマチュアサッカーにおいて、それが学校教育であろうと社会人や実業団のものであろうと、適正な入場料は観客から徴収してもいいと考えている。
そして、Jリーグや日本代表チームを下支えする、JFL、地域リーグといった「コミュサカ」の現場において、クラブやリーグが入場料収入を得ることが、日本サッカー界全体の発展に必ず好影響をもたらすはずだと思っている。
コミュサカと言えども関東サッカーリーグともなれば、5000人収容クラスのスタジアムで開催されることもある。こうしたスタジアムの半日の利用料金はおおよそ20万円~30万円程度。入場料を仮に1,000円とすれば、500人の有料入場客でペイすることが出来る。そうなれば、それまで「スタジアム使用料」として使っていた資金を他で運用することが可能だ。選手・スタッフの待遇改善、ファンサービスの充実、広告費の拡大、こうして「コミュサカ」現場が経営体力をつけることで、そのクラブが上位カテゴリーへと昇格していく力に仮に繋がらなったとしても、日本サッカー界全体のボトムアップは間違いなく図られていくはずだ。
関東サッカーリーグで有料試合をするクラブ
関東サッカーリーグでは、ほとんどのクラブが入場無料試合を開催する中で、ジョイフル本田つくばFCのみがホームゲームの全てを有料試合で開催した。(一般当日1,000円 前売700円 学生以下無料)また、東京23FCについても2017シーズンに数試合の有料試合を実施、2018シーズンからは更に有料試合の数を増やしていく方向性を示している。
そしてこうしたクラブに続く形で、2018シーズンで有料試合の実施を表明しているクラブも出てきている。
観客の入るスタンドもないグランドで行われることもある関東サッカーリーグにおいて、全試合を有料試合で開催するのは不可能だとも言えるが、先に挙げたクラブのような取り組みが地域リーグで生まれてきていることを大いに歓迎したい。
「入場料」は「スポンサー料」
「カネ返せ!」
プロスポーツの行われるスタジアムでは、観客からこんなヤジが飛ぶこともある。
しかし私はこう思う。
観客が払う入場料は、そのスポーツの世界を持続、発展させるために支払う「スポンサー料」なのだと。
そして、入場料を受け取る側の人間は、その世界を持続、発展させる事を常に考え、まい進すべきであると思っている。
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