2018JFL開幕カード発表! JFLは単なる「Jへの登竜門」ではない

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日本フットボールリーグ(JFL)は事実上、J3リーグの「下位リーグ」として位置づけられることが多いが、私はその概念に違和感を感じる。

確かにJリーグに新たなクラブが参入する際には、現状ではJFLを経ない限りそれが出来ない仕組みになっている。

しかしながら、JFLに所属するチームの中には少なからず「Jリーグを目指さない」チームもあり、そうしたチームにとってJFLこそが自らが挑戦出来る日本最高峰のリーグであるのだ。

こうした背景を知って行けば行くほど、JFLを単なるJ3の下位リーグとして捉えてしまうことは、そこに存在する面白みを半減させるものであるとも思う。

「Jへの登竜門」これがJFLに対して多くのサッカーファンが抱くイメージであるのかも知れない、しかしながら、あくまでもJFLは「国内アマチュア最高峰のリーグ」として認知されるべきと私は思っている。

2018シーズンJFL開幕カード発表

そんなJFLの2018シーズン開幕カードと、各チームのホーム開幕戦日程が発表された。

【第1節】
3月11日(日)
13:00 Honda FC×コバルトーレ女川(静岡県内)
13:00 FC大阪×ヴィアティン三重(大阪府内)
13:00 FC今治×ヴェルスパ大分(愛媛県内)
13:00 奈良クラブ×テゲバジャーロ宮崎 (奈良県内)
13:00 ホンダロックSC×FCマルヤス岡崎(宮崎県内)
13:00 流経大ドラゴンズ龍ケ崎×ソニー仙台FC(茨城県内)
13:00 東京武蔵野シティFC×ヴァンラーレ八戸(東京都内)
13:00 MIOびわこ滋賀×ラインメール青森(滋賀県内)

【第2節】
3月17日(土)
13:00 ソニー仙台FC×奈良クラブ (調整中)
13:00 FCマルヤス岡崎×東京武蔵野シティFC(愛知県内)
13:00 MIOびわこ滋賀×コバルトーレ女川(滋賀県内)

3月18日(日)
13:00 ヴァンラーレ八戸×流経大ドラゴンズ龍ケ崎(青森県内)
13:00 ホンダロックSC×ラインメール青森(宮崎県内)
13:00 ヴィアティン三重×FC今治(三重県内)
13:00 ヴェルスパ大分×Honda FC(大分県内)
13:00 テゲバジャーロ宮崎×FC大阪(宮崎県内)

【第4節】
4月1日(日)
13:00 コバルトーレ女川×ラインメール青森(宮城県内)

【第7節】
4月28日(土)
13:00 ラインメール青森×テゲバジャーロ宮崎(青森県内)

東北地方を本拠地とする2チームのホーム開幕戦が、第4節(女川)第7節(青森)で組まれることになったが、他は全て第2節までにホームゲームが開催されることとなった。

2018JFL参戦16チーム

ここで確認の意味も含めて、改めて2018シーズンのJFL参戦チームを整理してみよう。

  • Honda FC(静岡県浜松市)
  • ラインメール青森(青森市)
  • ソニー仙台FC(宮城県仙台市)
  • FC大阪(大阪府)
  • ヴァンラーレ八戸(青森県八戸市を中心とした3市11町2村)
  • FC今治(愛媛県今治市)
  • 奈良クラブ(奈良県全域)
  • ホンダロックSC(宮崎市)
  • FCマルヤス岡崎(愛知県岡崎市)
  • 流経大ドラゴンズ龍ヶ崎(茨城県龍ヶ崎市)
  • 東京武蔵野シティFC(東京都武蔵野市)
  • ヴィアティン三重(桑名市、四日市市を中心とした三重県全域)
  • MIOびわこ滋賀(滋賀県草津市、東近江市)
  • ヴェルスパ大分(大分県由布市、大分市)
  • コバルトーレ女川(宮城県女川市)
  • テゲバジャーロ宮崎(宮崎市)

以上16チームによる戦いとなるわけだが、この中には先に書いたように「Jリーグを目指すチーム」と「目指さないチーム」が混在している。

Jを目指すチーム、目指さないチーム

Jリーグ百年構想クラブ

2018シーズンのJFLにおいて一定の成績条件を満たすことで、J3参入が可能な条件を満たしている「Jリーグ百年構想クラブ」は以下の4チーム

  • ヴァンラーレ八戸
  • FC今治
  • 奈良クラブ
  • 東京武蔵野シティFC

この4チームは、2018シーズンのJFLで「4位以上」「百年構想クラブにおける順位が2位以内」という成績をおさめれば2019シーズンをJ3リーグで戦うことが出来る。(ただし、百年構想クラブが上位4位以内に3チーム以上入った場合は上位2チームのみ)

極論で言えば、彼らの目標は「優勝」することではない。

あくまでもJ3参入条件に見合う成績を今季のJFLで残すことが最も重要なミッションだ。

他のJリーグ参入を目指すチーム

そして、この「百年構想クラブ」の他に、将来的なJリーグ参入を目標としているチームが以下の6チーム。

  • ラインメール青森
  • FC大阪
  • ヴィアティン三重
  • MIOびわこ滋賀
  • コバルトーレ女川
  • テゲバジャーロ宮崎

この6チームの中でヴィアティン三重は「Jリーグ百年構想クラブ」への申請を過去に行ったことが明らかになっている。

彼らは2018シーズンのJFLで仮に優勝したとしても、来シーズンをJ3で戦うことは出来ない。しかし、将来的なJリーグ参入を果たすために必要な条件を段階的にクリアしていこうとはするだろう。彼らがまず越えなくてはいけない壁は「観客動員力」だ。Jリーグ百年構想クラブとして認定される為には、1試合平均2,000人の観客を集める必要がある。この数字はJFLのこれまでの実勢を見ても、かなり高い壁である。

過去のJFL観客動員数ランキングを見ると、そのトップは現在J2に所属する松本山雅が2011年に記録した7,461人。この記録はJFLの歴史の中でも飛びぬけた数字であり、今季J1に昇格したV.ファーレン長崎でもすらFLでの最高観客動員数は3,656人である。既に百年構想クラブの認可を受け、岡田武史氏が代表を務めメディアに取り上げられることも多いFC今治に至っては2,182人が最高記録となっていることからも、現状においてその本拠地にあっても知名度が浸透しきっていないチームなどにとっては、1試合平均2,000人という観客数は高くそびえ立つ壁であるのだ。

Jを目指さないチーム

では最後に、そうした「高い壁」を超える必要のない「Jリーグを目指さない」チームを挙げていこう。

  • Honda FC
  • ソニー仙台FC
  • ホンダロックSC
  • FCマルヤス岡崎
  • 流経大ドラゴンズ龍ヶ崎
  • ヴェルスパ大分

この中でも昨年のJFL覇者Honda FCがどういったチームであるのか簡単に説明してみよう。Honda FCは前身の本田技研サッカー部時代から日本リーグの強豪チームであり、地元浜松市に4000人収容のサッカー専用スタジアムを自前で持ち、トップチームを頂点に下部に育成組織まで有している。

Jリーグ創設以来、その動向について揺れた時期はあったものの、1998年頃から「完全なるアマチュアチーム」としての道を歩み始めた。

そんな彼らのJFLにおけるその存在感は抜群で、常に上位争いをする実力を持った彼らを称して「Jへの門番」という異名でも呼ばれている。

Jリーグ参入を実現させる上で、チームの強化における側面では、その「壁」がHonda FCであるのだ。

目指さないチームに共通した哲学

「Jを目指さない」それぞれのチームにおけるJFLに対してのスタンスの違いはあれど、彼らに共通している要素は「身の丈にあったクラブ運営をしている」という点だ。

JFLは全国規模のリーグであり、1チームの年間運営予算はおよそ5,000万円(選手の人件費は勿論含まない)とも言われる。Jリーグ参入を目指すチームの多くが、資金面での大きな後ろ盾のない状況で戦っている一方で、Jリーグを目指さないチームの中には、選手・スタッフをその地域の平均的な月収以上の条件で正社員雇用している実態が存在しているのだ。

これまでの歴史の中で、Jを目指しながらもそれが叶わず、クラブ体力の限界からチームの解散を余儀なくされたケースも散見されてきた。そんな光景を横目に、Honda FCやソニー仙台は常に安定した運営を続け、安定した戦いぶりをJFLで見せてきたのだ。

目指さないチームにこそ「答え」があるのかも知れない

私がここで言いたいのは、「目指すチーム」「目指さないチーム」のどちらが正しいといった話ではない。

ただ、日本サッカー界において、ひとつのクラブがいかに永続的な活動を続けることが出来るかは非常に重要な要素でもある。そうした見方をした時、それは間違いなくJを目指しながら解散していったチームよりも、Jを目指さずに活動を継続してきたチームにこそ大きな存在価値があるとも言えないか。

JFLが単なる「J3への登竜門」として認識され続ければ、こうしたもうひとつの「存在価値」を持ったチームの重要性が語られる機会は失われる。

もちろん、J3昇格をかけた「百年構想クラブ」の熾烈な戦いが2018シーズンのJFLにおいても依然大きな見どころであることは間違いない。

しかし、そこに存在する「Jを目指さないチーム」が、どういった哲学を以て「アマチュア最高峰のリーグ」へ挑み戦っているのか、そうした部分にこそ案外、日本サッカー界が今後永続的に活気をもった世界であり続けるための答えがあるのかも知れない。

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