そもそもハリルホジッチを監督にしたのは我々だ。
E-1選手権において、日本代表が韓国代表に対して1-4という歴史的な惨敗を喫したのを機に、その指揮官ハリルホジッチへの風当たりが強くなっている。
前任のアギーレが、リーガエスパニョーラでの八百長事件に関与している疑いが浮上したことで解任され、まさに「火中の栗を拾う」形で日本代表監督に就任したハリルホジッチ。
1998年に日本代表が初めてW杯に出場して以来、日本代表監督に与えられるミッションは「W杯での成功」だけであると言っていい。
セルジオ越後氏、ハリルホジッチ監督の弱気発言に苦言「解任するしか」 #セルジオ越後 https://t.co/0RcnXaGMun
— matome-newsfeed (@matome_newsfeed) December 16, 2017
「W杯至上主義」「日本代表至上主義」
こうした背景のもと、それがW杯予選であっても、アジアカップであっても、キリンカップなどの親善試合であっても、日本代表チームは常に「W杯で成功できる基準に達しているか」というテーマでのみ評価され、代表監督も「W杯で成功をもたらすことが出来る人物かどうか」だけが評価基準となっていることに異論はないだろう。
そしてこの哲学は、日本サッカー界に存在するピラミッド体系の中で、その末端である少年育成年代に至るまで「信じるべき唯一の価値観」として、何の疑いもなく浸透させられている。
「プロサッカー選手であれば日本代表を目指すのは当たり前」
これは、51歳にして依然現役のキングこと三浦知良の言葉であるが、私はこの言葉が無条件に受け入れられている日本サッカー界に「盲進する者たちの恐怖」を感じる。
カズの言葉を例に出せば、プロサッカー選手であるからと言って、必ずしも日本代表を目指すことだけが目標ではない選手がいる方は断然健康的だ。
「日本人サッカー選手としての最高峰」という意味で「日本代表」という言葉をあえて使っているのであれば多少の理解は出来るが、プロサッカー選手が目指すべき目標が「日本代表」しかあり得ないといった発想は非常に陳腐だ。
日本代表を頂点とした「ピラミッド」
サッカー選手には、日本代表になる以外にも「目標」や「理想像」とすべき選手人生はいくらでもあるし、そうでなくてはサッカー界はいつまで経っても「狭いムラ社会」という枠を飛び出すことは出来ない。
これは何も選手だけに限った話ではない。
Jリーグは日本代表強化の為に存在し、JFLはそのJリーグを下支えし、地域リーグはJFLを下支えする。勿論、仕組みとしてそれを批難するつもりはないが、いわば「日本サッカー界は日本代表の為に全てを捧げる組織」であるという実態にはどうしても違和感を感じずにはいられない。(今日サッカーを始めた6歳の少年であっても、試合に出場するための選手登録には安くない協会登録費用が必要なのだ。これを上納金と考えるのは穿った見方だろうか)
こうした組織の中からでは、どうしてもその「枠」を飛び越えるような発想やアイディアは生まれてきにくい。
そもそもハリルホジッチを監督にしたのは我々だ
https://twitter.com/GoalJP_Official/status/942032753691734022
冒頭で「そもそもハリルホジッチを監督にしたのは我々だ。」と書いたのには、こうした意味がある。
現在に至るまで、日本サッカー協会の幹部たちは、こうした「日本代表至上主義」ピラミッドの中で順調な出世を遂げてきた人たちだ。彼らは日本サッカー界の中長期方針を決め、代表監督の人選についてもその責務の中で行っている。
ハリルホジッチについても、最終的に白羽の矢を立てたのは、他でもない日本サッカー協会なのだ。
そして、我々サッカーファン、サポーターと呼ばれる人たちも、このピラミッドの立派な構成員であり「日本代表至上主義」を意識的にあるいは無意識的に推進させる大きな原動力となってきたのである。
私は、毎回のように繰り返される「日本代表がW杯で成果を出せないかも知れない」といった煽りにもう辟易している。
日本代表選手ではない、あるいはJリーガーではない、そうした愛すべき選手たちやチームが目の前にあるにもかかわらず、何故彼らの価値、評価にまで「日本代表至上主義」という哲学が持ち込まれるのか。
日本サッカー界を支えているのは「日本代表」では決してない。
日本サッカー界を支えているのは私たちの近くにいる名もない選手たちなのに。
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