賞金支給なし! それでもやってきた北朝鮮代表サッカーチーム

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12月7日、EAFF E-1サッカー選手権に出場する北朝鮮代表チームに対して、今大会で規定されている賞金の一切を支払わないことを、東アジアサッカー連盟(EAFF)田嶋幸三会長が明言した。

現在の東アジアにおける政治的情勢や、北朝鮮が国連安保理事から制裁を受けている現状を踏まえれば、この判断は避けられないものであったのかも知れないが、スポーツの現場に政治的な意向が否応なしに介入している事実を改めて突き付けられている様な気もして、あまりいい気はしない。

ただ、ここでEAFFがこうした政治情勢とスポーツでの国際交流とを完全に切り離し、北朝鮮へも他の出場国と同様に賞金を授与するという判断をしていたとすれば、恐らくは相当の批判を浴びていたのは間違いないであろうし、特にこの問題についてナイーブな世論感情が存在する日本においてはサッカー界の今後にも大きな悪影響を及ぼしかねない事態になっていた可能性もある。

今回のEAFFの判断は、こうした混乱を招くことは避けることが出来たかもしれないが、同時に東アジアサッカー界が国際情勢に「忖度」した印象は残ってしまったように思う。

予選から勝ち上がってきた北朝鮮

今大会に出場する北朝鮮代表チーム(男子)は、11月に台湾で開催された同大会予選ラウンドで香港、グアム、台湾を破り出場権を獲得した。

東アジアにおけるサッカー界の力関係(世界ランク)で、日本、中国、韓国の3か国は第1回大会から予選免除で本大会に出場しているので、あまり浸透していないかも知れないが、E-1サッカー選手権に出場するための予選が存在している。

過去に、香港やオーストラリア(特例で東アジア連盟以外から1度だけ参加)が先の3か国に続く4か国目として本大会に出場したこともある。

だからと言って「予選を勝ち上がって出場してきたチームに賞金を支払わないのはおかしい」などと、短絡的な話をしたいのではない。

北朝鮮にはこの大会に「出場しない」という選択肢も多分にあったこと。そして賞金支給がされなくても、チームを東京に派遣した事は、事実として理解しておいた方がいいと思うのだ。(女子代表については、東アジアナンバーワンの実力があるので多少ニュアンスは変わってくるが)

EAFF設立の目的に立ち返るべき

東アジアサッカー連盟設立の目的は

「東アジア内の積極的な交流を図り、結束を深めることにより、地域内のサッカーを発展させるとともに、サッカーを通じた平和への貢献」

とされている。

勿論、その先には世界のサッカー勢力図の中で、東アジア地域の発言力をより強くしていきたいという狙いがあるわけだが、現場レベルにおいては連盟設立の目的とされているような、「交流」「結束」「発展」「平和貢献」といった精神を強く持っているはずだ。

サッカーでしかあり得ない北朝鮮とのスポーツ交流

今回のようにナショナルチーム同士によるコンペティションともなれば、より「競技性」に重きを置いた大会となるのは当然であるが、東アジア情勢が政治的にどれほどの緊張状態であろうと、東京と千葉において「韓国対北朝鮮」「日本対北朝鮮」といったゲームが行われること自体に大きな国際交流の意義が存在し、それが数あるスポーツの中で恐らくはサッカーでしか実現しえないということを我々はもっと誇りに思ってもいいのではないだろうか。

今回出場する北朝鮮代表チームにも、Jリーグでプレーする在日コリアンの選手が選出されている。しかし他の多くの選手たちやチームスタッフは(監督はノルウェー人)、このような大会でもない限りは日本に来ることもあり得ない、我々がスタジアムで直接見ることも出来ないような状況にある人たちだ。

北朝鮮の選手たちが、どんな体格をしていて、どんな顔つきで、どんなプレーを見せるのか。例え、彼らが何らかの政治的意図を持って東京の地を踏んでいたとしても、ピッチを走る選手たちこそが「現実」なのだ。

そして、こんな些細なことであっても、直接的に触れるチャンスがあることは「国際交流」という側面からも非常に大きな「体験」につながるだろう。

彼らが仮にこの大会で優勝し賞金の2800万円を獲得したとしても、それが必ずしも北朝鮮のサッカー界に還元される形で使われず、ことによっては核兵器開発に回されてしまうかも知れない。そんな危惧はEAFFの判断で避けることが出来た。

ならば、同じ東アジアのサッカーファミリーの一員として彼らを歓迎し、選手同士、チーム同士にとどまらない、草の根の「国際交流」を楽しもう。

味スタにもフクアリにも、多くの在日コリアンが北朝鮮代表チームを応援にくるはずだ。

彼らが我々と何ら変わりない隣人であることを実感するのに、願ってもないチャンスでもある。

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