「Jリーグ原理主義者に鉄槌を下す!」
この言葉を発信し続けるのはJFLに所属する「Jリーグを目指さないクラブ」ホンダロックサポーターのロック総統だ。
そして彼が唱えるあるべきサポーターの姿勢をあらわした言葉が
「今そこにあるサッカーを愛せ」である。
無い物ねだりをせずに、現実世界を愛し、楽しめといった意味だろうか。
ロック総統が自身のブログの中で書いている「Jリーグ原理主義者」の定義は以下になる。
Jリーグの細かな規定に沿ったから、また、沿おうとして、つぶれていったチームはどれだけいるのか?また、サッカーで使いもしないスタジアムをJリーグの規格に併せたりしたが為に、行政の重荷になっているスタジアムは無いのか?以下が、Jリーグ理念を達成するために、Jリーグが掲げている活動方針なのだが、これが、我が輩から言わせれば現実からかい離したJリーグ理想主義に他ならない。その現実場慣れした理想主義を、さもサッカーの発展の錦の御旗のように振りかざし、Jリーグを目指さなければサッカーにあらず的な風潮に汚染されているチームとそれを支援するサポーターそれを我が輩は、Jリーグ理念原理主義者(通称:原理主義者)と呼ぶ。
「Jリーグ原理主義」の行きつく先
日本サッカー界に蔓延する「Jリーグ原理主義」の行きつく先には実はそれほど明るい未来が待っているわけではない。
クラブ経営面についても、Jリーグに参戦するということだけで、それは地域行政に頼らざる得ないような大規模な財政的リスクを背負うことになるし、チームは身の丈に合わない結果を求められるようになっていく。そしてチームを応援するとともに、サッカーを純粋に楽しんできたサポーター達の間にも「勝利至上主義」が幅を利かせ、スタジアムは殺伐としたムードに包まれていく。
これではその街にJリーグクラブがあることが、地域にとってプラスになるどころか、誰も楽しくない、楽しめない状況にもなりかねない。
もちろん、そのクラブを支える資金面での大きな後ろ盾が存在するケースもあるし、そうした資金力をフル活用しチームの強化を短期間で成功させるクラブもあるだろう。
しかし、現在の日本サッカー界を見回してみても、安定した経営力をもって運営されているのは、ほんの一握りのクラブだけではないか。
J2、J3といった下位カテゴリーには、経営判断の失敗があれば簡単に破綻しかねないクラブの方が多いし、J1にすらそうした危うさを感じさせるクラブは存在する。こうした状況を考えた時に、誰もかれもが「Jリーグを目指す」こと自体に無理があると考える方が自然であり、「Jリーグクラブに非ずばクラブではない」といった風潮も実に現実離れした話でしかないのだ。
いわきFCの画期的な取り組み
【Jのミライ 〜いわきFC篇〜】明日、12/3(日)後10:00から放送!#スカサカ #iwakifc @IwakiFcOfficial
放送スケジュール→https://t.co/5av8B60zbE pic.twitter.com/JLJiF7Hp1c— スカサカ!24時間サッカー専門チャンネル (@sptv_jleague) December 2, 2017
福島県リーグに参戦中のいわきFCは、アンダーアーマーの日本代理店である株式会社ドームが全面支援する地域クラブの中に置いては異色のクラブだ。
選手たちをアンダーアーマーの物流拠点に従事させつつ、最新鋭の肉体改造プログラムを施し「日本選手のフィジカルスタンダードを変える」と豪語している。確かにいわきFCの選手たちは身体にピッタリと張りつくアンダーアーマー社のユニフォームを大宮アルディージャやグルージャ盛岡の選手たちよりもはるかにカッコよく着こなすほどに体格が素晴らしい。
そんな選手強化のプランを標榜しながらも、いわきFCの大倉社長は「我々はJリーグクラブになることだけを目標とはしていない」とも語っている。
これまでも「Jリーグを目指さない」としたクラブは存在してきたが、その気になればすぐにでもJ1を狙えるような資金力を誇りながら「Jリーグだけを目標とはしていない」と堂々と宣言するクラブはかなり特殊な例だと言える。
ある意味ではロック総統の唱える「Jリーグ原理主義者に鉄槌を下す」行動を、彼とは全く違ったスタンスで取り組んでいるクラブだとも言えるだろう。
Jリーグの完全な影響下に置かれていない地域リーグのクラブだからこそ、こうした挑戦的な試みも出来るのかも知れない。
「今そこにあるサッカーを愛せ」
「今そこにあるサッカーを愛せ」
JFLの行われているスタジアムでは、この言葉が強く感じられる光景が見られるようだ。
私は彼らが具体的にどんな風にスタジアムでサッカーを楽しんでいるのか、体感したことがないので分からない。何んとか少しでも理解したいとYoutubeを探し回ったところ、こんな動画を発見した。
これは、2年前のJFL2015シーズン。奈良クラブがホーム鴻池競技場にホンダロックを迎えて行われたゲームのスタンド風景だ。
試合そっちのけで、奈良クラブのサポーター達が「アッコちゃん好き好き」に乗って、対戦相手ホンダロックのサポーター席に乱入しているシーンが収められている。よく見ると、ホンダロックのサポーターの中には他クラブのユニフォームを着たサポーターが混ざっていることにも気づく。
これを見ても、とても真面目に試合を見ているとは思えないし、当然賛否両論あるだろう。
しかし、彼らが心の底からスタジアムで過ごす時間を楽しんでいる様子は十分に伝わってくる。
JFLを楽しむということが、こういうケースだけを指しているのではないと思うが、確かにJリーグのスタジアム風景よりもはるかに牧歌的で、人間的で、平和的であるように感じる。
これが「正しいスタジアムの姿」だと言いたいのではない。
「こういうスタジアムがあること」が日本サッカー界の懐の広さを示しているとは言えないだろうか。
応援するクラブの垣根も越え、まさに今そこで行われているサッカーを愛し楽しむという姿勢。これは誰にでも出来ることではない。自分が応援するクラブの試合以外は観戦すらしたことがないというファンやサポーターは案外多いものだ。
私がこのブログでも根本のテーマとしている「サッカーを楽しむ」という言葉の具体的なケースとして、この動画を見た衝撃は忘れないようにしておきたいし、いずれ近いうちに体感してみたいとも思っている。
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