ロック総統の「Jリーグ原理主義」とは?この言葉の先に日本サッカーの未来が?

コラム
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「Jリーグ原理主義」

みなさんはこの言葉をご存知だろうか。

私は最近になってこの言葉を知り、日本代表、Jリーグを「頂点」とすると言われている日本サッカー界を包む空気感に対して「ノリきれていない」自分の思いが、この「Jリーグ原理主義」という言葉をもって概念化されていた事実に驚き、日本サッカーの奥深さを改めて実感することが出来た。

 

ロック総統 Jリーグ原理主義に鉄槌を!

 

「Jリーグ原理主義」という言葉を声高に叫んでいるのは、JFLホンダロックのサポーターで、「KFG蹴球文化論」の著者でもあるロック総統。

かの有名なお笑いパフォーマンスグループ、電撃ネットワークのメンバーでもあった人物だ。

彼はアントラーズのサポーターグループ「IN.FIGHT」出身だが、電撃ネットワークの英国公演の際にイングランド下部リーグのGMから「昇格を目指すことを目標としない」という理念を聞いたことでその思想に興味を抱き、出身地宮崎を本拠とする「Jリーグを目指さないJFLクラブ」であるホンダロックのサポーターとなった。

以降はホンダロックサポーターでありながら、「Jリーグ原理主義者に鉄槌を下す」ための活動を積極的に行い、トークライブやネットを使った動画配信、ポッドキャストでの音声配信などを続けているサッカー界にあっては超異色な存在だ。

 

Jリーグ原理主義とはなにか?

 

ではロック総統が唱えている「Jリーグ原理主義」とは一体どういったものであるのか。

端的にいえば

「Jリーグを目指すことだけがサッカーの発展の道と信じて疑わないクラブの体質」

とでも言えようか。そして、そうしたクラブがJリーグから突き付けられた様々な規制や基準に対して「無理に背伸びを続けさせられる、背伸びをし続ける」風潮を憂い「鉄槌を下す」というのがロック総統の叫ぶ主張の骨格になっているように思う。

学生運動の闘士を思わせるようなビジュアル。ある意味「過激」とも取れる彼の言葉などから、万人に受け入れられるようなキャラクターではないが(本人もそれをわざと演出しているだろう。何しろ「あの」電撃ネットワークメンバーだったのだから)私はロック総統が配信しているポッドキャスト「錦糸町フットボール義勇軍」で聞こえてくるその声からは、日本のサッカー界を本気で「より楽しいもの」にしていこうとしている思いを感じ取ることが出来た。

 

ロック総統とURAWA BOYSの対談

ロック総統と「錦糸町フットボール義勇軍」は、毎週のように30~40分の配信を行っており、先に書いた著作「KFG蹴球文化論」も既に3冊も出版されている。そのため、彼の発言のほんの一部しか私は聞けていない現状ではあるが、その中に興味深いエピソードがあった。

サッカーノンフィクションライター宇都宮徹壱が主催するメルマガ企画で、ロック総統は浦和レッズのコアサポーターグループ「URAWA BOYS」(2014年に解散)の元メンバーと対談をすることになる。

かたやJリーグを代表するクラブのサポーター、かたやJリーグを「目指さない」クラブのサポーターによる対談は、一見すると「同じサッカー好きなサポーター同士」と取られるかもしれないが、その実「ベクトルの方向が違い過ぎて全くかみ合わない」ものになったそうだ。

もちろんロック総統もアントラーズのサポーターであった時期もあり、Jリーグ黎明期の話題などではノスタルジーを共有できる部分もあったようだが、そもそも自分が応援するクラブに対して求めるものが違いすぎるため、互いが共感できる部分が少なかったのであろう。

ロック総統はこの時の様子を「六本木ヒルズの住人と段ボールの住人との価値観の違い」と例えていた。

私はこれを聞いて、頭の中にあった混沌とした思いが少しだけ整理されたような気がした。

 

極論で言えば「趣味・志向の違い」

 

アジア王者であり、この12月にはもしかしたらクラブワールドカップでレアルマドリードと対戦するかもしれないJリーグ屈指の強豪・人気クラブを応援する人たちと、Jリーグは目指さずアマチュアリーグこそが自らの居場所であるとしているクラブを応援する人たちとでは、同じサッカークラブを応援するという共通点はあっても、スタジアムで日常的に見ている景色からして全く違う。

ここで思い違いしてしまいがちなのは、応援するクラブの「格」をその戦績、成績、J1を頂点とする序列だけで判断してしまうことだ。

J1の強豪クラブのサポーターたちが、J2、J3といった下部リーグ、JFL、地域リーグに所属するクラブのサポーターを見下しているように感じることが良くある。

私はこうした風潮を非常に不愉快に感じていた。

この不愉快でモヤモヤする感覚がロック総統と浦和サポーターとの対談エピソードを聞いたことで、こう思えるようになった。

「浦和レッズが好きな人はホンダロックでは楽しめないし、ホンダロックが好きな人は浦和レッズでは楽しめない」

単純なことだが、この気づきは私の中で新鮮だった。

6万人の観衆で埋まったスタジアムが「We are Reds!」の大合唱で響き渡る。そしてクラブもJリーグの強豪やアジアの強豪を相手に戦う。浦和サポーター達はサッカーにそうした要素を求めている。

極論かもしれないが、趣味嗜好の違いなのだ。

そもそも、現在の日本において「サッカー」というスポーツを興味の対象にしている時点で、実は少数派だ。だからといってサッカーが「取るに足らないつまらない趣味」だとは浦和サポーターもホンダロックサポーターも思わないであろう。

ロック総統と錦糸町フットボール義勇軍による「Jリーグ原理主義者に鉄槌を下す」活動については、引き続き注視していきたいと思っている。

日本サッカー界を更に楽しいものとしていくヒントが見つけられるかも知れない。

 

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