「なんなんだ?この美少女たちが描かれたゲーフラは・・・?」
最初にこう思ったのはいつだったろう。
日本のサッカースタジアムの平和さが世界に誇るべきものであったとしても、そこで熾烈な「闘い」が行われていることは間違いがない。
熱狂的サポーターの中にも多くの女性や子どもたちが一緒になっているとはいえ、その場のムードは「粗野」と言ってもいい。少なくとも私のホームスタジアム「日立台」では、それがどんな試合であっても、必ず何度かは「殺伐」とした瞬間が訪れる。
言わば私が認識しているサッカースタジアムのゴール裏には、ユニフォーム姿のアニメ美少女たちの笑顔は存在しえないものだと感じたのだと思う。
「アニ×サカ」企画の存在
https://twitter.com/komagava_/status/919062151867678720
しかしながら、こうしてJリーグに深くクビを突っ込んでいけばいくほど、スタジアムで掲げられているアニメ美少女の笑顔を目にする機会が確実に増えている気がする。
少し前に私の管理しているブログ「ラーテル.net」でも、「Jリーグとアニメ」の親和性が高いのか?というテーマで記事を書いた。私はその時に、いくつかのJリーグクラブが「アニ×サカ」というコラボ企画をしてきたことを知った。
東京ヴェルディと『甘城ブリリアントパーク』、FC岐阜と『のうりん』、水戸ホーリーホックと『ガールズ&パンツァー』・・・
その企画の内容としては、オリジナルグッズの販売などの「物販」やアニメ声優によるスタジアムDJイベント、水戸ホーリーホックのホームスタジアムにはアニメの象徴として「戦車席」というあまりに突飛な企画まで実施された。
そして、各クラブ最大の狙い「集客増」に少なからず好影響を与えていることもその時に知った。
スタジアムにアニメは必要なのか?
https://twitter.com/shingenceni/status/937185177708642304
Jリーグの観客動員が増加していくことは、多くのJクラブファン・サポーターが歓迎するところであろう。
しかし、中には昨今の「アニ×サカ」ブームに批判的な考えを持つ人々がJクラブサポーターの中に一定数存在するようだ。これは私が初めて「アニ×サカ」に触れた際に違和感を覚えたことからも十分に理解できる。
確かにそのゲーフラや大旗に描かれている美少女たちはチームのユニフォームをまとっている。全体のカラーリングもチームカラーでまとめられてはいる。でもこれが本当にチームを選手たちを応援する気持ちで作られたものなんだろうか?選手たちは美少女たちの描かれた旗を見て奮起する気になるのだろうか?
旗だけではない。
チームによっては、ゴール裏にアニメグッズのぬいぐるみ等が大量に持ち込まれ、それらがサポーター集団の一部であるかのように並べられている。
一体ここは、何を目的とする空間なんだろう?
「ラブライブ!サンシャイン!!」の街 沼津
みんな、本当にありがとう。
これからもずっと一緒に、前を向いて進んでいきましょう。
また、来シーズン仲間に会いに沼津へ。スタジアムへ。
応援しよう。一緒に。
僕はみんなと叫ぶ。歌う。
だから、サッカーが好き。
アスルクラロ沼津が好き。
沼津が好き。
本当にありがとう。 pic.twitter.com/LVqZoh4ZV9— アスルマスクJr (@azulmask_jr) December 3, 2017
J3最終節を観戦しに行ったアスルクラロ沼津も「アニ×サカ」ではお馴染みのチームだ。
沼津を舞台としたアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」は、街のあらゆる場所で目にすることが出来るし、それは山のすそ野まで登った愛鷹にあっても同じだ。
ただ、私が行った試合が8,600人という沼津のホームゲームとしては極端に多くの観衆を集めたからなのか、沼津に行く前に私が想像していた「アニメ美少女たち」に溢れたスタジアムの様相はほとんど感じられなかった。
確かに沼津ゴール裏には遠目からも「それ」と分かる大旗が数本降られてはいた。しかし、彼らから感じる熱気は「サッカーサポーター」そのものであり、スタジアム全体を包む空気も「Jリーグスタジアム」のそれであった。
スタジアムから発信され続けるアニメ美少女たち
2,000人~3,000人規模の観衆であれば、もしかしたら「アニメ美少女」たちはもっと目立っていたのかも知れないし、ケーズデンキスタジアムで生観戦すれば、戦車の存在感に圧倒されてしまうかも知れない。
しかし、私がここで思ったのは「アニ×サカ」などをきっかけにスタジアムへ集まってきたファン・サポーター達の優れた発信力である。
彼らは自分たちが思いを込めた旗や、苦労して運び込んだぬいぐるみの姿を惜しげもなく写真に撮り、TwitterなどのSNSを使って積極的に情報発信している。
アニメは「ビジュアル性」の高いメディアだからであろう、こうした情報の拡散速度は非常に速い。ほとんどサッカーにしか興味がない私のような人間の元へも彼らが発信した画像付きの情報がどんどん届けられている。
こうした情報は、サッカーには興味がないがアニメには興味がある人々にも相当流されているはずだ。
体感商品Jリーグの魅力をどう伝えるか
私はJリーグを「体感商品」だと考えてきた。
サッカーが面白いスポーツであるのは勿論だが、スタジアムで観戦・応援する楽しさを人に伝えるのは実は結構難しい。「感動する」とか「とにかく凄い」とか、どうしても主観的な魅力でしか伝えることが出来ないからだ。
「一度、スタジアムへ来れば分かるよ」とは言っても、その「一度」を乗り越えさせるのに苦労された方も多いのではないだろうか。
一方、アニメを通じたゴール裏の画像情報には、かなりの説得力があるように思う。
少なくとも「ゴール裏で絶叫する少し怖そうなサポーターの姿」や「名前も知らない選手のシュートシーン」画像よりも、「アニメ美少女が描かれたゲーフラが乱立している」画像の方が訴求力があるのかも知れない。
私はそのきっかけがどうあれ、日本のサッカースタジアムに多くの人が集まってくれることは大歓迎したい。確かに埼玉スタジアムのゴール裏にはぬいぐるみを沢山並べることは出来ないかも知れない。しかし、沼津のゴール裏がそうであったように、サッカースタジアムにさえ来てしまえば、そこで行われる「闘い」以上に魅力のあるものは存在しない。
日本サッカー界における最大の課題でもある「スタジアムへの集客」を進めていく上で、アニメを通じてJリーグに興味を持ってくれた人たちによる「輪」の広げ方については、大いに参考にしていくべき点があるのではないだろうか。
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