アスルクラロ沼津「優勝してもJ2には昇格出来ない」クラブが魅せる夢

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「J2クラブライセンスを持っていないのに何でJ3優勝を目指すの?」

今季のJ3リーグでは「仮に優勝してもJ2には昇格出来ない」2つのクラブ、ブラウブリッツ秋田とアスルクラロ沼津が、最終節を前にした段階でも依然優勝争いのメインキャストとして躍動している。

彼らにしてみれば「J2クラブライセンスを持っていないのに何でJ3優勝を目指すの?」という疑問は愚問である。

これは、クラブや選手だけではなく、それを支えるファン・サポーターにとっても同じ思いであろう。

プロスポーツ選手は「実力の世界」

勿論、Jリーグはプロの舞台であり、その評価軸は「実力主義」であるべきだ。しかし、それはあくまでも選手個々を評価する際においての基準である。

恐らく、今季の飛躍的な活躍により秋田、沼津両チームの主力選手の中には、活躍の場をJ2に移す選手も出てくるだろう。

目下、得点王ランキング2位、シーズンを通じて安定した得点力を発揮した沼津のストライカー薗田卓馬には、多くのオファーが集まっているはずだ。

薗田卓馬だけの話ではないが、J3でプレーする選手たちの多くは「プロサッカー選手」としての収入だけで生計を成り立たせることが出来ていない。

実際に薗田卓馬もチームでの活動とは別に市内で他の仕事にも従事している。

彼らは所属するチームの為に最大限の努力をする一方で、自らの選手としての評価を高め、より高レベル・好待遇のプレー環境を選び進んで然るべきで、これこそがプロスポーツの道義でもある。

ではJリーグクラブにあるべき道義とは何であろうか。

 

Jリーグクラブは地域に生き甲斐を生む

大きな壁 スタジアム問題

ブラウリッツ秋田やアスルクラロ沼津にJ2クラブライセンスが交付されていない最も大きな理由はそれぞれのホームスタジアムがJ2規格を満たしていないことが起因している。

現在、アスルクラロ沼津がホームゲームで使用している愛鷹広域公園多目的競技場は芝生席を含めても10,000人しか収容することが出来ない。これをJ2規格にする為には改修費用だけで8億円もの資金が必要だと言われている。

スタジアムは公共の施設であり、改修するためには行政へ働きかけていくしかない。

クラブはこのスタジアム問題を解決していく大きな旗印としてチームのJ3リーグ優勝を掲げ、クラブの今以上の発展のために、選手・スタッフが一丸となっていった。

 

Jリーグクラブは地域とともに

私はJリーグクラブにあるべき道義とは、そのクラブは存在する地域コミュニティに「生き甲斐」や「夢」を提供していくことに尽きると考えている。

沼津港を中心にした人口20万足らずの街で、スタジアム改修・新設へを願い4万もの人々が署名しているという事実は驚くべきことだ。

約10年の間に地域リーグからJ3リーグへと徐々に階段を上り、開幕当初は全く無名だった選手たちが躍動する姿は、地域に暮らす多くの人々にとって輝かしい存在であったはずである。

そんな輝かしく、誇らしくもあるクラブが、更に高いステージへと戦いを挑んでいる。

愛鷹が改装出来れば、沼津には今よりも強力なチームが遠征にやってくる。新しいスタジアムの建設が進めば、今度は沼津を舞台にして「日本一」を決めるような試合が行われるかも知れない。

そう考えていくと、もう既にアスルクラロ沼津は、Jリーグクラブとしてあるべき姿を十分に見せているとも言えるのではないだろうか。

しかし、こうした姿は足を止めた途端にその魅力が消えていってしまう使命も持っている。

恐らくクラブにとっても、選手たち、ファン・サポーターにとっても、今季のJ3リーグを制するという大目標が、ライバル達が持ちえないモチベーションで繋がっているのだろう。

J3最終節、ホーム愛鷹で行われる、栃木SCとの一騎打ち。

沼津の人々はこの一戦をきっと長く語り継ぐだろう。

 

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日頃あまり人の目に触れることの多くない下位カテゴリーの試合画像を中心に、私が試合会場などで撮影した画像をまとめたPHOTO GALLERYです。

 

私が撮影したJ.LEAGUEのフォトギャラリーです。基本的にJ2リーグ、J3リーグのみをまとめてあります。

 

首都圏、関東圏を中心にJリーグから都県リーグまでの試合日程を記したカレンダーを作成しました。是非とも現地観戦のご参考に!

2017年9月から、私が開設しているブログがあります。

ブログタイトルは「ラーテル46.net」

こちらのブログでは主に、私が最近妙に熱心に応援し始めた「柏レイソル」についての内容を多く記事にしています。

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