JFLは地域制にした方がいい?ドイツやイタリアのコミュサカ事情

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先週末行われた全国地域チャンピオンズリーグでは、東北王者のコバルトーレ女川が優勝し、2位となった九州王者テゲバジャーロ宮崎とともに、来季のJFL昇格を決めた。

地域リーグ王者と、全国社会人サッカー選手権上位チームが参加するこの大会は、アマチュア最高峰のJFL昇格を巡っての非常に過酷なレギュレーションであることも話題にあがることが多い。

1次トーナメントは4チームが3グループに分かれ総当たり戦を3日間で行い、各グループの1位チームと、2位チームの中で最も成績が良かった1チームの合わせて4チームが決勝ラウンドで再び総当たり戦を3日間で行う。

アマチュアサッカーならではのレギュレーション

90分間の公式戦を3日連続で戦うというレギュレーションは、プロの世界ではおおよそ考えられない。(FIFAの規定では試合と試合の間隔を原則48時間空けなくてはいけない)

しかし、サッカー以外に職業を持つアマチュア選手たちにとって、それがいくら大きな大会であろうと、サッカー大会に参加するという理由で何日も休暇を取ることが出来る選手ばかりではないであろう。体力的には信じられないような過酷な条件ではあるが、選手たちの置かれた環境に即したレギュレーションであるとも言える。

そんな全国地域チャンピオンズリーグだが、次年度から大会規定が大きく変わる。

その中でも最も注目すべきは「3日で3試合」というこの大会を象徴している実施日程が見直されている点だ。

来季よりこの大会は「5日で3試合」という運営に変わる。試合と試合の間に休息日が設けられることになったのだ。

選手の負担を軽減するという見方では、この実施日程の変更は大いに意味があるだろう。1日でも休息日が取れることで、選手達も疲労回復がはかれ、試合の質も今以上に上がっていくかも知れない。

しかし、開催期間が延びることで選手たちは現在よりも長く仕事を休まざる得ない状況におかれる事になり、加えて滞在費用なども大幅に増加していくことになる。

こうした条件の変更が、場合によっては出場出来る選手の範囲を狭めることにも繋がりかねない。

サッカーだけでは食べていけない選手とクラブ

アマチュア選手たちはサッカーだけを生活の中心にすることは出来ない場合がほとんどだ。

選手だけではない、所属するクラブも活動上、経済的に余裕があるケースの方が少ないであろう。

全国地域チャンピオンズリーグの開催レギュレーションもそうだが、全国を戦いの場としているアマチュア最高峰のJFLに参加しているクラブも、北は青森、南は宮崎にまでチームが存在している状況の中、その遠征費用だけでも大きな経済的負担になっているであろうことは容易に想像できる。

一説にはJ3でプレーする選手たちの平均月収は10万円にも満たないという話もきく。

体面的には「プロ」である彼らでさえ、サッカーだけでは生活を成り立たせることが出来ないこの世界で「経済的理由」によりサッカーを諦める選手やクラブが生まれてきてしまう事は、日本サッカー界にとって大きな損失なのではないだろうか。

欧州トップリーグの「コミュサカ」

欧州のサッカー先進国に目を移してみる。

現在欧州のトップを走る、イングランド、ドイツ、スペイン、イタリアの国内リーグの構造を見てみると、ドイツでは4部リーグ以下、スペイン、イタリアでは3部リーグ以下が地域制リーグで運営されている。

イングランドについては6部以下でやっと地域制リーグが現れるが、流石にサッカーの母国とでも言うべきか、6部リーグであっても電子決済サービス企業「Skrillスクリル」がスポンサーにつきリーグ運営が経済面でバックアップされている環境だ。

こうして見てみると、イングランドを除けば日本のJFL(実質4部リーグ)にあたるリーグは、欧州トップクラスの国々でも全国単位では運営されず、国内を3から4の地域に分け運営されていることが分かる。

選手たちへの報酬条件は差し置いても、彼らが所属するクラブの活動範囲が全国レベルになるのは、ドイツでは3部以上、スペイン、イタリアでは2部以上。

柴崎岳が昨季所属していたリーグはスペインの2部、ジュビロ磐田に今季復帰した山田大記がプレーしていたカールスルーエが今季戦っている舞台はドイツ3部である。彼らはご存知の通り日本代表に選出されるレベルのプレイヤーである。

日本のアマチュア最高峰ではあるが、実質4部リーグに相当するJFLが全国単位で運営されていることに、少し無理があるような気さえしてくる。

アマチュアクラブが継続的に活動できる環境を

JFLに参戦することで、そのクラブが持続的に運営出来ない経営状況に陥いってしまうのは、あまりに虚しい話だ。選手たちがプレーする機会を失うだけでなく、クラブが存在することで活性化させている地域コミュニティをも消滅させてしまうケースもあり得るだろう。

Jリーグという新しいスポーツ文化が日本でスタートして四半世紀。

この間にJリーグクラブは実に50クラブを超える規模にまで拡大してきた。

その一方で、Jリーグ理念でもある「豊かなスポーツ文化の振興及び国民の心身の健全な発達への寄与」に重きをおき、チーム力の強化だけを良しとせず、クラブが存在する地域コミュニティの中で「サッカークラブ」が寄与できる道を模索し続けるクラブが誕生してきていることはサッカー界にとっても歓迎すべき話であるはずだ。

日本全国に存在するそうした「善意ある」サッカークラブが継続的に活動できる環境をリーグ・大会運営の面でも十分に配慮していく必要があるだろう。

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