「サッカーと差別は相性が良い」だからこそ必要な反差別の意識

コラム
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サッカーの世界に人種や民族、肌の色による差別が存在してきたことは紛れもない事実であり、今現在もそうした差別行動や差別発言が、サッカーのあらゆる場面で時には無自覚に、時には何らかの意図を持って声高に叫ばれている。

誤解を承知で言ってしまえば、サッカーと差別は非常に相性が良い。

身体と身体をぶつけあいながらボールを奪い合い、相手の大切なエリア(ゴール)を陥れるこの競技が持つ根本的な構図が、時に対戦相手に対する敵対心を昂らせ、観ている者の心をも熱狂させる。

「サッカーがきっかけになって戦争が起きた」

サッカーがいかに熱狂の対象となっているかを説明する際によく聞く話だ。

我々にとって「戦争」とは遠い過去に起きた、いわば「現実見」を感じにくい「社会の極限状態」として捉えられている傾向も強い。

そんな「非現的」な「戦争」のきっかけにすらなってしまうサッカーの影響力の大きさ、社会への浸透ぶり、そうしたことを伝えたくてこうした表現を使うのであろう。

 

サッカーが戦争のきっかけに利用される

確かに、実際にサッカーが戦争のきっかけになったケースは世界中に限りなく存在する。時によっては、サッカーが戦争を起こすきっかけとして利用されたこともあるのだ。

我々が知っている、愛しているサッカーが、人間と人間との殺し合いに使われた事実は、あまりに悲しい。しかし、サッカーがそうした負の性質ももっているという事実に目をつむってはならないだろう。

僕はモンテネグロ人だ。でもそれをいちいち声高に叫ぶことはないだろう?なのに、そういうのが流行になって、あいつはセルビア人だ、モンテネグロ人だ、クロアチア人だと言いだして戦争になった。

デヤン・サビチェビッチ/映画「引き裂かれたイレブン~オシムの涙~」より引用

サッカーが戦争に利用される最大のきっかけは、人種や民族による差別であると断言してもいい。

1990年W杯イタリア大会で、そのサッカーの魅力を最大に発揮したイビチャ・オシム率いるユーゴスラビアは、『七つの国境、六つの共和国、五つの民族、四つの言語、三つの宗教、二つの文字、一つの国家』と形容される多民族国家だった。

彼らは異なる民族や宗教といったそれぞれの背景がありながらも、オシムの言葉を借りれば「コスモポリタン」であった。

しかし、極めて政治的な世界情勢の流れの中で、隣人同士、友人同士が殺し合う悲劇を生み出した。その過程の中でサッカーが直接的に争いの場にもなり、スタジアムで生まれる人種や民族への差別行為は、「戦争」をする為に不可欠な要素であった。

 

サッカー界における差別問題の本質は?

 

世界のサッカー界で現在強く叫ばれている「差別反対」の声やアクションは、こうした差別が引き起こす悲しい結果を強く感じているからに他ならない。

日本サッカー界でも、「リスペクトフェアプレーデイ」などを設け、様々な活動を通じリスペクト(大切に思うこと)、フェアプレー精神を共有し、差別や暴力に断固反対するメッセージを発信しているが、こうした活動が何を目指しているのかといった部分についてははっきりと定義されていないように感じる。

浦和レッズの「Japanese only」横断幕の一件では、Jリーグ初の無観客試合という裁定がクラブ側に下ったが、こうした差別発言が明らかになると、それをどこの誰が行ったのか、その犯人捜しに話題が集中するのは、非常に残念だ。

もちろん、そうした問題行動を起こした本人が何らかの制裁を受けるのは当然であるが、ことの本質は果たしてそこにあるのだろうか。

私は、こうした犯人捜しや彼が属する組織を批難するという二次的な反応こそ、差別問題の大きな要素であるように思えて仕方ない。

現代社会では、誤った情報や悪意をもった偽情報であっても、TwitterなどのSNSを通じ、その真偽を確かめる暇もないままに、恐ろしい速さで拡散していく。

意図的に揉め事を起こそうとする人間にとっては、現在ほど恵まれた環境はないだろう。

しかし、そうした悪意ある力に対しても、我々はその力に完全な形で抗うことが可能だ。

それこそが、あらゆる差別行動を自らがしないだけではなく、それに決して加担しないということではないか。

人間は本質的に差別をしてしまう生き物だ。こうした反差別の意思を意識的に持っていく必要があるだろう。

 

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